物別れに終わった米ウ首脳会談の3日後、米政府はウクライナへの軍事支援を一時停止した。支援額がどう貢献してきたか(不正使用はないか)の確認のためだそうだが、これは明らかにトランプ大統領が求めるディールへの署名と停戦に向けたゼレンスキー大統領への圧力だろう。 アメリカのウクライナ支援は他国と比べて突出し、ウクライナはアメリカの支援なくして戦争を続行できないため窮地に立たされている。この支援停止について米VOXは「アメリカは事実上ロシア側に立ったようだ」と報じた。 続きを読む ↓ 米有力紙の一斉報道で再確認された「トランプがロシアを称賛し近づく理由」 Text by Kasumi Abe(Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)
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トランプ&ゼレンスキー会談はなぜこじれたのか?アメリカのビジネス(営業)経験をもとに考察
アメリカのホワイトハウスで先月28日に行われたトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談が喧嘩別れの形で終わった。あのようなハイレベルの場で首脳同士が口論しているのを見るのは筆者にとって初めてで、特に会談がヒートアップした後半は暗澹とした雰囲気の中、互いが一歩も譲らなかった。 最後はこれで十分だとトランプ氏は会談をお開きにし、その後予定されていた鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名式やワーキングランチを中止した。翌1日付のニューヨークタイムズ(有料記事)によると、別室で待機していたウクライナ代表団に[…] 続きを読む ↓ トランプ&ゼレンスキー会談はなぜこじれたのか?アメリカのビジネス(営業)経験をもとに考察 Text by Kasumi Abe(Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)
大学で盗撮され…トランプ大統領の愛息バロンさん、悠仁さまとの共通点
トランプ大統領の末っ子、バロン・トランプさんに向けられた同世代の学生のコメントが記事の文脈から切り取られて一人歩きし、意図が誤解されたままSNSに投稿されると、瞬く間に炎上した。 大統領就任以来、トランプ家の人々が何かと脚光を浴びる中、来月で19歳になる息子、バロンさんも日々注目を集めている。昨年は私立のエリート校、ニューヨーク大学(NYU)スターンビジネススクール(経営大学院)に入学したことが大きな話題になった。 (中略) 日本人としてこの話題に接した際、どうしてもバロンさんと姿が重なるのは日本の未来の天皇である悠仁親王だ。 続きを読む ↓ 大学で盗撮され…トランプ大統領の愛息バロンさん、悠仁さまとの共通点 Text by Kasumi Abe(Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)
トランプ大統領就任式もうすぐ ── スケジュール、豆知識、視聴方法
アメリカではドナルド・トランプ氏の大統領就任式が、現地時間の1月20日(日本時間の21日)に執り行われる。 第47代アメリカ大統領となるトランプ氏は78歳。就任時点で当時のバイデン大統領を5ヵ月上回る最高齢の大統領として、再びホワイトハウスへの返り咲きを果たす。 4日間にわたる祝賀式典:宣誓式は40年ぶりに屋内開催 当日のスケジュール 続きを読む ↓ トランプ大統領就任式もうすぐ ── スケジュール、豆知識、視聴方法 Text by Kasumi Abe(Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)
トランプ氏との日米関係に民間レベルから貢献。石破氏との会談は来月ついに実現か (まとめ)
アメリカではトランプ氏が来月20日、大統領に就任します。 就任前に会談を模索していた石破首相ですが、トランプ陣営よりローガン法の制約から就任前の会談をしないと説明があったそうです。しかしアルゼンチン、カナダ、フランス、ウクライナなどの首脳との面会は行われていました。 日本にとって潮目が変わったのは最近のこと。
トランプ官僚人事 司法長官候補が17歳少女への性的違法行為の疑惑で辞退(まとめ)
トランプ次期大統領による第二次政権の官僚人事が発表されていますが、荒れ気味となっています。 トランプ氏が司法長官への起用を発表していたマット・ゲーツ前下院議員(Matt Gaetz, 42)ですが、7年前に当時17歳だった少女への性的違法行為や薬物使用の疑惑が浮上し、騒動になっていました。 それでもゲーツ氏は疑惑を否定してきましたが、21日ついに指名を辞退すると発表しました。 以下引用のまとめです。 米下院倫理委員会で女性2人が、トランプ次期大統領が司法長官に指名したマット・ゲーツ元下院議員から「性的行為」の対価を受け取ったと証言したことが分かった。出典:CNN.co.jp 2024/11/19(火) トランプ次期米大統領が司法長官に選んだマット・ゲーツ元連邦下院議員に関連する民事訴訟の記録が18日、ハッキングによって流出した。米主要メディアが報じた。ゲーツ氏が2017年に性交渉した当時17歳の女性の証言などが含まれている。出典:毎日新聞 2024/11/20(水) ゲーツ氏は全ての疑惑を否定している。トランプ氏も指名を取り下げる考えはないと強気の姿勢だ。出典:時事通信 2024/11/21(木) ゲーツ氏は辞退の理由についてSNSに「私の承認をめぐって不当な形で政権移行期の重要な仕事を妨げていることは明らかだ」と投稿しました。 またトランプ氏はSNSに「彼は非常によくやっていたが、彼が尊敬する政権の妨げになりたくなかったのだ。マットにはすばらしい未来がある」と投稿しました。出典:NHK 2024/11/22(金) 補足・見解 ゲーツ氏のSNSには「(被害者は)17歳だったんですよ…」「幼い子に触れてしまったのよ」「あなたは私がこれまで見た中で最も言い訳がましい人間」「性暴力や小児性愛に関する法律が真剣に施行(罰則が強化)されるべき」などという非難の声が多数寄せられています。 それでもゲーツ氏は疑惑を否定し、トランプ氏も指名の取り下げはないと強気の姿勢を見せていた中で、指名辞退の発表は急転直下でした。 この辞退を受け、トランプ氏は2011年から19年までフロリダ州の司法長官を務めたパム・ボンディ氏を同職に指名したことが伝えられています。(ロイター) トランプ氏は官僚人事を慎重に選ぶべきだったでしょう。なぜなら第一次政権で閣僚の交代が相次いだため、来たる第二次政権で安定した政権をどう作っていくかが課題になっているからです。 トランプ氏による人事と言えばほかにも、政府効率化省のトップにイーロン・マスク氏を起用し、こちらも話題となっています。また報道官には史上最年少のキャロライン・レビット氏(27)が選ばれています。 Photo: 今月14日、マーララゴでの米第一政策研究所主催の祝賀会に出席していたゲーツ氏。 Curated by Kasumi Abe(トランプ官僚人事 司法長官候補が17歳少女への性的違法行為の疑惑で辞退 #専門家のまとめより一部転載)本記事の無断転載禁止
米現地で取材をした経験から感じたトランプ氏の勝因、そして今後(米大統領選)
筆者は2016年以降、大統領選をアメリカ現地からレポートしている。これまで激戦州ウィスコンシン州、ラストベルトのミシガン州を含む全米の有権者と対話を重ねてきた。また今夏、共和党大会も取材した。 そのような立場から、トランプ氏を歴史的な勝利に導いた勝因と今後について感じたことをここで記しておきたい。 投開票日の深夜、ハリス氏は支援者前に現れず ハリス氏は開票日の深夜にワシントンD.C.で勝利演説の予定だったが、突如その集会への参加をキャンセルした。会場には夜遅くまで大勢の支持者が集まっていたが、ハリス陣営は「すべての票が確実に数えられるよう夜通し闘い続ける」と発表し、ハリス氏が姿を見せることはなかった。 白旗を振る準備ができていないということなのだろうし、何より勝利を信じていた彼女自身が大きなショックを受けただろう。しかし支援者は彼女の勝利を最後まで信じ、深夜1時近くまで屋外の会場で待っていたのだ。そんな人々に感謝の気持ちを伝えても良さそうなのにそれがなかった。 人柄と言えばトランプ氏だけが何かと横柄だなんだと言われがちだが、このような引き際にこそ人としての生き方が表れるもの。 選挙戦ではハリス氏が有権者の不安を最後まで払拭できずにいたのも否めない。これまでなるべく公平な目で見るように努めてきた筆者だが、大統領の政策として、バイデン氏のコピーやスピーチ原稿に沿ったものではなく、ハリス氏が目指すものやアメリカが抱える問題解決への具体策が正直なところ最後まで見えづらかった。 Photo: 開票日の深夜、会場のハワード大学に大勢のハリス支持者が集まっていたが…。 トランプ氏の歴史的勝利の要因は? 勝利したトランプ氏について、投開票日翌朝のアップルニュースはこのように報じた。 「連続でない任期を務める(返り咲いた)大統領としては1800年代(クリーブランド大統領)以来の再来であり、就任時に最年長(78歳)となる大統領。また有罪評決を受けて国の最高職に選出された初の人物である」 米メディア大統領選の勝因については、エレクトラルカレッジの選挙結果マップを見ればすぐにわかる。 激戦州のノースキャロライナやジョージアでの勝利、さらにはかつて民主党が勝ち続けたブルーウォール(青い壁3州=ペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガン)での勝利が大きく貢献した。 この選挙結果を見ると興味深いことに気づく。 今年のハリス氏の得票数は(最終集計が出ていない現時点で)6700万票以上だが、8100万票を超えた4年前のバイデン氏と比べて約1400万票も少ない。 トランプ氏は4年前も今回も7000万票を超えて安定している。この選挙結果は、有権者がこれまでのトランプ氏の発言をそれほど気にかけることもなく、それよりむしろ「変化」を望んでいたことを示していると思う。 筆者は2021年6月、バイデン氏とプーチン氏による米露首脳会談を取材するため、ジュネーブを訪れた。当時はコロナ禍で外国人がヨーロッパからアメリカへ入国するにはウェイバー(特例)の書類やコロナ検査結果が必要だった。旅人がいないガランとしたニューヨークのJFK国際空港に到着した筆者は、書類を携えいわゆる別室に送られたのだが、別室内で待ち受けた暇そうな入国審査官は冗談混じりでこう尋ねてきた。 「バイデンはちゃんと起きていたかい?」 後でこのエピソードをニューヨーカーに話したら「そいつは共和党員だね」と言っていたが、今振り返るとこの4年間の政権に対する人々の鬱積した感情をよく表した言葉だったと思う。 今回の大統領選ではリーダーとしての手腕、変化を起こす力、判断力、国民として「自分」も取りこぼされずケアする力。これらを持ち合わせた人物としてどちらがより理想に近いかが問われた。 トランプ氏が経済と移民問題に焦点を絞ったことは、多くの有権者の共感を呼んだことだろう。 CBSニュースは、30歳以下の男性の得票に注目した。この層はハリス氏よりトランプ氏を選んだという。トランプ氏の支持者の多くは労働者階級の白人層とされるが、今回の選挙の特徴でほかの大きな見方としては、4年前と比べてヒスパニック系の男性や黒人男性の票が、トランプ氏に動いたことが大きいようだ。 ヒスパニック系の男性や黒人男性という新たなトランプ支持層を中心に、女性大統領に対して心許ないという思いがあったのも事実だ。「え、アメリカは男女平等の先進国ではないの?」と思う読者もいるかもしれない。確かにそういう面もある。が、必ずしもそうとは言えないのが、わかりやすいところで2024年の現在でさえプロスポーツ界の男女間の報酬差があるのを見ても一目瞭然だし、高級レストランは女性同士より高齢の白人の男性がいる方がサービスが良いし、何よりアメリカの美しき文化、レディファースト自体が男女平等の精神から反している。筆者はレディファーストの文化を否定しているわけではなくむしろ恩恵を受けている立場だが、実際にアメリカに住んでいる身としてそのような現状の「現実」を認めざるを得ないということだ(人種関係なくある。中でもヒスパニック系や中東系などを中心に女性蔑視の文化は根強い)。 トランプ氏の今後:有罪評決はどう影響?日本との関係は? 先述したが、トランプ氏は有罪評決を受けた初の大統領となる。これについては早速CNNがWhat happens to Trump’s criminal and civil cases now that he’s been reelected(トランプ氏が再選の今、彼の刑事事件と民事事件はどうなるのか)と報じている。大統領職の人物が刑務所に入るような事態にはおそらくならないだろうというのが筆者の見立てだが、今後の展開については非常に複雑なので、注視する必要がある。 また日米の今後の関係性についても気になるところ。詳細はその道の専門家の意見を伺いたいとして、現地の目として筆者が唯一言えるとしたら、アメリカ・ファーストを掲げるトランプ氏は「かなり手強い相手だぞ」ということだ。 見ての通り、なかなかの強者のトランプ氏。G7のリーダー間でも、またアメリカ国内であっても手を焼く人物として知られている。友好な関係を築いてきた安倍元首相の亡き後、新たな石破首相がトランプ氏と互角に渡り合えるかどうか…? 石破さんなら大丈夫そうという要素が見えていない筆者にはわからない。やり手のトランプ氏は必ずや「見抜く」と思う。そのリーダーが何を本質的に求めているかを。日本流に和やかに穏便に対応しておけば何とかなる相手、では決してないだろう。 もう一度偉大なアメリカになるために、この国が2024年に選んだ信念を持つ強い大統領。それこそがトランプ氏なのだ。 (一部加筆しました) Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)本記事の無断転載禁止
ゴルフ場のトランプ氏と男の位置関係が明らかに。半日待ち伏せで伝わる殺害への執念【暗殺未遂事件再び】
手薄な護衛 前夜から待機 殺害への執念 7月の選挙集会中に銃弾が右耳上部を擦り負傷したトランプ氏だが、2ヵ月後にまたもや暗殺未遂と見られる事件が発生した。 日曜日の15日午後1時半ごろ、フロリダ州ウェストパームビーチのゴルフ場「トランプ・インターナショナル・ゴルフクラブ」でゴルフをしていたトランプ氏。シークレットサービス(SS)が同じゴルフ場内で銃で武装した男を発見し、男に向け発砲した。男は車で逃走し、高速道路で御用となった。 容疑者の逮捕の瞬間を伝える動画(インサイドエディション) トランプ氏は無事だったが、7月の暗殺未遂事件に続き、再び暗殺未遂の標的になった可能性があるとして捜査が進められている。選挙の投開票日が2ヵ月後に迫った中で大統領候補者を対象にした銃による殺害未遂事件に、国民の多くは「またか」「どうなっているのだ」と驚きと失望の反応だろう。 米メディアによると、容疑者はハワイ在住の58歳、ライアン・ウェスリー・ルース(Ryan Wesley Routh)。ルース容疑者は当時、現場でスコープ(銃の照準器)付きのAK-47ライフルなどを所持していたことが確認されており、連邦裁判所で16日、銃器関連犯罪2件で起訴された。 当日の位置関係:トランプ氏は5番ホール、容疑者は数百m先の6番ホール付近で待ち伏せ 当日のゴルフ場でのトランプ氏とルース容疑者の位置関係も明らかになってきた。 現地報道によると、当時トランプ氏がプレーしていたのは5番ホール。ルース容疑者が隠れていたのは6番ホールから150フィート(約46メートル)ほど離れた金網フェンス付近の茂みの中だった。 トランプ氏と容疑者の間は推定300~500ヤード(約274~457メートル)ほど離れていたとされる。もしトランプ氏が6番ホールへ移動していたなら、両者はもっと近い距離になっていただろう。 ゴルフ場の両者の位置関係を表した図解入りの記事(ニューヨークポスト) ちなみに7月のトランプ氏暗殺未遂事件では、銃撃犯の20歳のトーマス・マシュー・クルックス容疑者(現場で死亡)は148ヤード(約135メートル)離れた場所から銃を数発発砲していた。 手薄な警備 再び 前回の暗殺未遂ではSSによる護衛が不十分だったことが問題になり、トップが辞任となった。また事件後はトランプ氏が屋外で選挙活動を行う際は防弾ガラスを立てるようになった。 一方、週末の私的なゴルフについては、現役の大統領であればゴルフ場全体が厳重な警備の対象となるが、トランプ氏は現役大統領ではない人物ということで、警備が現役大統領より手薄だったことが指摘されている。 容疑者は15日午前2時ごろからゴルフ場近くの屋外にライフルと食料を持ち込んで待機していたとも報じられている。つまりSSに発見されるまで12時間近くトランプ氏を待ち伏せしていたことになる。約半日も潜伏するとは、トランプ氏を何としても殺害するんだという強い「執着」のようなものが伝わってくる。 ゴルフ場および近辺に、殺傷能力の高い銃器を持った人物が長時間潜伏していた(SSはそれを許した)事実が判明したわけだが、SSはそれらの場所に不審者がいないかの事前確認をしなかったと認めたことが報じられた。幸い今回は未然に防ぐことができたものの、相変わらずの手緩い要人警護(SSの予算の関係もあるのだが)が再び疑問視されている。 何より、次期大統領候補が一度ならず二度も、しかも2ヵ月という短期間で立て続けに暗殺未遂の対象となった事案は、民主主義の根幹が覆される事態であろう。この国の危うい未来を浮き彫りにしているようだ。 Photo:車で逃走中に高速道路で逮捕された容疑者の男。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)本記事の無断転載禁止
犠牲者はトランプ氏の左後方の位置にいた。撃たれた一帯は血の海に…映像から見えた直後の現場
(以下は7月15日の投稿より) 13日にトランプ氏が銃撃された現場で死亡したのは、同州在住で消防活動をする、コリー・コンペラトーレ(Corey Comperatore)さん(50)だった。 CNNによると、コンペラトーレさんはトランプ氏の熱心な支持者で、事件当日はトランプ氏の演説に参加できることをとても楽しみにしていたという。 コンペラトーレさんと同じように観客席にいた救急医の男性の証言では、銃声が聞こえた後、撃たれた人がいるというので近づくと、頭部を撃たれた男性(コンペラトーレさん)が倒れており、大量の出血があったという。 右耳の上を弾がかすり負傷したトランプ氏が演壇でうずくまりシークレットサービスに介抱されていたまさにそのとき、トランプ氏の演壇に向かって左奥(左後方)の観客席では、一人の命が奪われた。 その当時の様子を伝える動画も残されている。 その映像を見ると、銃撃直後はその左奥一帯もカオスと化していたことがわかる。 コンペラトーレさんは当時、家族と一緒に観客席(階段のシート)の上から数段下の左寄りにいたと見られている。 発砲音がしたということで観客席では多くの人が身を屈めた状態だったが、数人が立ち上がり、銃撃されたコンペラトーレさんを指差しながら、「頭を撃たれた人がいるぞ!」と護衛隊(シークレットサービスや地元警察)に助けを求めている。「撃たれただと?」という声も聞こえる。 女性の何人かはショックを受けて手で口を押さえ、また倒れたコンペラトーレさんの近くには星条旗のデザインのキャップをかぶった女性が声をあげて泣き叫んでいる。 その後は、護衛隊が数人やって来て、その場にいる大勢の人々に「MOVE」と言い、ここから立ち去るように促す。コンペラトーレさんの周囲には3、4歳くらいの女の子を抱きかかえる母親らしき人の姿も。 警官に混じってUSAというロゴ入りの白いTシャツに赤いキャップの男性(前述の医師)がおり、コンペラトーレさんに心肺蘇生法をしている。星条旗のデザインのキャップの女性は見ていられないようで、コンペラトーレさんから少し離れた場所で目頭を押さえて泣きじゃくり、ピンクのキャップの女性もその場でうずくまり、どうして良いかわからない様子。時々グレーのTシャツの男性と3人で抱き合っている。 その後警官が「ほかに撃たれた人はいないか」「みんな大丈夫か?」と確認。そして群衆に向かって「EVERYBODY, DOWN」という声。両手を使い大きなリアクションで人々に身を屈めるよう叫ぶ。 心肺蘇生を試みていた男性は、警官に手を止め離れるように促される。その男性の両手や脚、Tシャツは血だらけだ。 Photo: 銃撃事件後の会場。コンペラトーレさんはこのような階段のベンチシートにいて演説を聞いていた時、突然銃で頭部を撃たれた。 その場にいた一人が、コンペラトーレさんの血だらけの頭部に柄物のタオルをそっとかける。星条旗のキャップの女性はそれを見て、また両手で目を覆う。すぐに警官3、4人がコンペラトーレさんを抱え、観客席から後ろのテントへ運び出す。先ほどの柄のタオルは真っ赤に染まっている。家族らしきキャップの女性2人とグレーのTシャツを着た男性も続いて退場。 コンペラトーレさんらが座っていた辺り一帯は血みどろだった。そこに残った数人の腕や衣類にも血がついている。 心肺蘇生をしていた血だらけの男性のために、別の男性が「水はないか?」と周囲に尋ねると、10本以上のペットボトルが次々に集まった。血だらけの男性は水を頭からかぶり、手や脚に付着した血を洗い流していた。 亡くなったコンペラトーレさんのご冥福をお祈りいたします。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載、加筆)本記事の無断転載禁止
銃撃犯は事件の数時間前に50発の銃弾を購入。爆発物でほかに注意を引く実行計画だった可能性も
トランプ氏を銃撃した20歳のトーマス・マシュー・クルックス(Thomas Matthew Crooks)容疑者が、発砲の数時間前に地元の銃砲店で銃弾50発を購入していたとCNNは報じた。 クルックス容疑者がトランプ氏を銃撃した際に使用したライフルは父親が登録、合法的に所持していたものだったことがFBIの捜査によりわかっている。 クルックス容疑者の父親が登録、合法的に購入した銃は20丁以上になるという。 事件後、クルックス容疑者を調べたところ、遺体からは送信機が、また事件現場となった会場「バトラー・ファーム・ショー」に駐車していた容疑者の車のトランクからは爆発物と思われるものが入った金属製ボックスと配線で繋がった受信機(レシーバー)が見つかったという。 容疑者は護衛チームの注意を自らの位置(発砲した建物の屋根)から逸らすために、車内の爆発物を爆発させるつもりだった可能性があるとして、当局は慎重に捜査を進めている。 容疑者は低層の建物の屋根に登る際、そして登った後に周囲の人々に見つかっており、その中には護衛チームに報告した人もいたが、その「脅威」に対するシークレットサービスの起動は遅かった。目撃者の報告を受けた地元警察が動き出したことで、容疑者は計画を早め、注意を逸らす目的で使用するつもりだった爆発装置を使えなかった可能性がある。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)本記事の無断転載禁止
