マムダニ市長がニューヨークの家賃を凍結。対象の「家賃安定化アパート」とは?

ニューヨーク市では25日、マムダニ市長の肝いりの政策で選挙公約の一つだった「家賃凍結」が正式に決定した。

家賃ガイドライン委員会は、市内のRent-stabilized apartments(家賃安定化アパート)について、1年契約と2年契約の両方の家賃を据え置くことを7対1の賛成多数で決定した。

家賃の値上げが0%になった年がコロナ禍で一度あったが、同委員会の歴史上、両方の契約期間で家賃の値上げが0%となるのは初めてだという。

賃貸アパートに住む多くのニューヨーカーにとって、紛れもなくこの決定はマムダニ市長の今年1月の就任から半年における最大の成果の一つと言える。

家賃安定化制度の対象となるアパートとは?

市内の「賃貸物件」は大きく分けて2種類ある。

  • フリーマーケット・アパート(大家が賃料を自由に決定できる一般の賃貸物件。Market-rate物件)
  • 家賃規制アパート(Rent-regulated)

家賃規制のアパートは2種類ある。

  • (1)Rent Control(家賃統制)1947年以前に建築された建物。1971年以前から住み続けている入居者を対象
  • (2)Rent Stabilization(家賃安定化)1947年〜1974年に建築された6戸以上のアパートが対象

これらは、第二次大戦後の深刻な住宅不足を背景に、入居者を強力に保護する目的で緊急措置として導入されたもの。

注:1947年がダブっているのは法律の基準日(1947年2月1日)の関係。

マムダニ市長の「家賃凍結」の対象は(2)の「Rent-stabilized apartments(家賃安定化アパート)」の方だ。

レント・スタビライズド・アパート(家賃安定化アパート)は市内の賃貸住宅の約40%を占める。市内に約100万戸あり約200万人が居住している。

上記にあるように、家賃安定化アパートのほとんどは1974年以前に建てられた6戸以上の集合住宅だが、比較的新しい建物でも特定の税制優遇措置を利用すれば対象となる場合がある。

自分の住むアパートが家賃安定化アパートかどうか知る方法

リース(賃貸契約書)や、DHCR(ニューヨーク州の住宅・コミュニティ再生局)が公開している住宅記録で調べて確認できる(建物の建築年や住所から検索)。

マムダニ市長による「家賃凍結」の内容

通常、ニューヨーク市の家賃安定化アパートでは1年もしくは2年ごとの更新時に、同委員会で定められた数%が値上げされ続けていくのだが、今回の決定により対象期間中は、家賃の上昇率が0%となる。

今回の賃料凍結は、2026年10月1日から2027年9月30日までの間に開始する賃貸契約の「更新」においてのみ適用される(つまり、現在、アパートの家賃のリース契約にすでにサインしており、締結中の契約がすでにある場合は、賃料凍結の対象外)。

家賃ガイドライン委員会は毎年家賃の値上げ額を設定しており、このたびの決定は無期限の凍結を意味するものではない。

すでに締結中の契約がある人は?同委員会は来年、「次の期間」の賃料値上げか否かを決定するため、再度投票を行う予定ということだ。今回対象外となったテナントも、マムダニ市長の政策を引き続き注視したいところ。

参照

【執筆後記】  ニューヨークの歴史的なアパートに住んだことがない人にとって、「家賃凍結」や「レント・スタビリゼーション(家賃安定化制度)」はあまりピンとこない話題かもしれません。しかし対象のテナントにとっては、毎年(あるいは2年に一度)上昇し続ける高額な家賃はまさに死活問題。この物価高のなかで、今回の家賃凍結が大きな頼みの綱であることは間違いありません。

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Zohran Mamdani

ヘッダーイメージ: ニューヨーク市内のアパートのイメージ(この家が家賃凍結NO対象という意味ではありません)© Kasumi Abe

 

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Text by Kasumi Abe 安部かすみ 本記事の無断転載禁止

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