「ニューヨークは移民が築いた街である。移民によって力が注がれ、今夜移民によってこの結果が導き出されたのだ」By Zohran Mamdani. 昨夜の勝利宣言にて
移民が築いた大都市NYで元移民(移民の子)が市長へ
ニューヨーク市長選では、労働者階級や若者に生活費の安定を約束したゾーラン・マンダニ(Zohran Mamdani、34歳)氏がアンドリュー・クオモ氏らとの戦いを制し勝利した。
今回の市長選は投票者数が200万人を超え、半世紀以上で最多となった。
2026年1月1日より新市長になるマンダニ氏。彼はニューヨーク市で初の
- イスラム教徒の市長
- 南アジア系市長
- アフリカ生まれの市長
- 100年以上ぶりの最年少市長(1892年以来という情報あり)
市長選に出馬して以来、州議会議員のマンダニ氏は無名の状態から全国的な注目を集めるようになった。
自身をDemocratic Socialist(民主社会主義者)と称し、比較的手頃な生活費で暮らせる都市を目指し、若年層・低中所得層・多様なコミュニティ(元移民で市民権を得た人、ムスリム、LGBTQ、パレスチナ支持者、反イスラエル、反ユダヤ主義者など)から大きな支持を獲得していた。支持層は年代的にもソーシャルメディアのユーザーと合致した。
ニューヨーク市は特にコロナ禍以降にインフレが進み、物価が高騰した。家賃も毎年驚くほど上昇し続け(例:一般のアパートは言わずもがな、エリック・アダムス市長下ではレントスタビライズド・アパート=家賃安定化アパートの家賃上昇率が例年より高め)、多くの中間層が生活にアップアップしている状態だから、マンダニ氏が支持されるのはわからなくもない。しかしまだ34歳で政治経験は少ない。懐疑的な見方をする人は多く、不安要素も多い。私は選挙結果を聞いて、アメリカがまた分断の方向にいくのだなと思った。
ゾーラン・マンダニ(Zohran Mamdani)とは?
インド、アフリカ、アメリカという入り組んだアイデンティティを持つ。
インド系の両親のもと、アフリカのウガンダ生まれ。南アフリカを経て、7歳で家族と共にニューヨークに移住。ボウディン大学でアフリカーナ(アフリカ系)研究の学位を取得し、同大学でパレスチナ正義のための学生会のキャンパス支部を共同設立した。アメリカ国籍を取得したのは2018年。
政界入り前、住宅カウンセラーとして働き、クイーンズ区の低所得の住宅所有者の立ち退きトラブルを支援していた。
定期的にモスクを訪れる彼は、選挙活動中の集会や市長選の勝利宣言の会場で支持者を前にイスラム教信仰をアピールしている。
母親のミーラー・ネール氏は映画監督。父親のマフムード・マンダニ氏はコロンビア大学の教授。両親はともにハーバード大学の卒業生。シリア系アーティストの妻、ラマ・ドゥワジ氏(27)とは出会い系アプリで出会ったと報じられている。
マンダニ氏の掲げた公約(一例)
- 家賃上昇の凍結:市内の約100万戸のレントスタビライズド・アパート(家賃安定化アパート)の家賃を4年間凍結(建物所有者側にとって壊滅的な計画)
- 市運営の食料品店:安価で販売する市営のグロッサリーネットワークを構築、拡大(食品サプライチェーンの複雑な物流の現実を無視していると反対意見多数)
- 公共バスの無料化(市側の負担は年間10億ドル近くかかる見積もり)
- ユニバーサル保育:保育料の引き下げ
- 最低賃金の上昇:最低賃金を現在の時給16.50ドルから、2030年までに時給30ドルに引き上げたい考え(給料を払えない企業は労働者を解雇し、多くの低技能労働者が失業するかもしれない)
マンダニ氏は自身のYouTubeチャンネルも持つ。選挙期間中に公約したものはそのYouTubeでもうたっている。
マンダニ氏は「ビリオネアは存在すべきでない」と主張しており、これらの計画の資金を調達するため、法人税率と年間100万ドル以上稼ぐ市民の税金をあげたい考え(実施されればこの街を去る者多数だろう)。キャシー・ホークル州知事は増税計画を支持しないと反対姿勢。
トランプ大統領や他の共和党員はマンダニ氏を社会主義の脅威と見なし厳しく批判し、クオモ氏への投票を市民に呼びかけていた。
マンダニ氏は反トランプのみならず、伝統的なエスタブリッシュメントとも対峙しているようにも見える。
彼の市長選での勝利自体は「アメリカンドリーム」そのものである。しかし本当の勝負はこれから。
そして(民主社会主義化含む)社会主義化がいいのか悪いのか、キューバなどの現状を見てきた私自身、いまだに答えは見つかっていない。人々(主に低所得者層)にとって得になるから良いとかいうそんな単純な話ではない。まずはお手並み拝見といったところか(公約を達成できない可能性は十分にある)。マンダニ氏が掲げる高い「理想郷」は果たしてリアリティを帯びるのか。あれは非現実的だったとならなければ良いが。
- アメリカ英語での発音はMamdaniは「マンダニ」が近いですが、記事の一部では日本のオールドメディアの表記「マムダニ」に合わせているものもあります。ご了承ください。
Text by Kasumi Abe 安部かすみ 本記事の無断転載禁止
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