アメリカがキューバへの石油封鎖を強めたことで、すでに深刻だったキューバのエネルギー事情がますます悪化している。
キューバでは停電が日常茶飯事となっており、病院での手術などが制限されているという。ミゲル・ディアス-カネル大統領は先週の記者会見で、この危機の解決策を模索していると話したが、同国のエネルギー危機は以前からで、イランなどを含む中東情勢の緊張がさらに間接的に影響を与えていると思われ、その課題は容易ではない。
キューバは電力を石油に依存
アメリカは1960年代以降、共産主義政権下のキューバに対する経済制裁を維持しており、近年はさらに圧力を強めている。アメリカ側はキューバを「極めて重大な脅威」であると主張しているが、キューバ側はそれを否定している。
1月上旬、アメリカは軍事作戦でベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した。同国の暫定政権に石油の輸出停止を強いることで、キューバにとって最大の石油供給国であるベネズエラからの石油供給を遮断した。
その数週間後、アメリカはメキシコなどほかの供給国に対して追加課税を課すとしたため、キューバはそれらの国からの石油供給をも失うこととなった。
キューバは発電の多くを石油に依存した火力発電に頼っているため、発電や自動車の燃料として石油が不可欠だ。国内で十分な石油を生産できず、輸入に依存している。
これまで主にベネズエラやロシアなどに頼ってきたが、ロシアもウクライナ戦争などで余裕がない。中東の緊張で世界的に石油価格が上昇する中、石油不足は同国が長年抱えるエネルギー危機をさらに悪化させている。
発電所の稼働に必要な燃料が不足しているため、以前から頻繁に発生している停電が、今年に入ってさらに悪化しているのだ。
16日、キューバはここ数ヵ月間繰り返されている全国規模の停電に再び見舞われた。
電力不足は給水(ポンプで水を汲み上げ、電気で各家庭に送る)にも影響を及ぼし、水の供給不足も招いている。
複数回の訪問で体験した人々の生活苦
筆者はこれまで3度キューバを訪れている。2回は首都ハバナ、1回は米軍基地のあるグアンタナモだ。
グアンタナモはアメリカの基地のため電力にはそれほど困っている様子はなかったが、首都ハバナは以前より電力不足だ。陽が暮れると街中であっても周囲が薄暗くなったのを覚えている。電力のみならず、水や食料不足も深刻だ。
水に関しては1回目(2008年)の訪問時、宿泊したカーサでシャワーが使えないことがあった。家主の女性がバケツに水を貼りお湯を温めてくれ、それで体を拭いた記憶がある。一般家庭を訪問した時も、その家庭では断水に備え、風呂場に大きなドラム缶が置かれ、水がいっぱい貯められていた。
筆者の2回目の訪問時(2018年)は、中国資本の進出の影響が見てとれた。船舶(ボート)、新築ビルから家庭用トイレに至るまであらゆるところに中国の影を感じた。

オバマ政権下でアメリカとの国交は再開されたが、第1次トランプ政権下で再び両国の距離が広がった。現地で人々に話を聞くと、アメリカそのものへの強い反感は感じられない一方で、トランプ大統領に対しては否定的な印象がうかがえた。キューバ政府については誰も口を開こうとはせず、独裁政権とはこういうものであると感じた。
今回停電のことが心配になり、ハバナの友人に状況を尋ねると、電力が十分ではないのは事実で、時々ケータイから冷蔵庫まで不便を強いられているようだがそれでも頑張っていると即レスがきた(キューバ人って本当にハンブルで我慢強い!)。ケータイがすぐに使える状況であることがわかり少しホッとした。
キューバは、国内生産を増やすことで石油不足を解消し、電力網への依存度を下げるため太陽光パネルを設置するなどの対策を検討しているという。ー参照
しかし、老朽化した発電所が頻繁に故障しているそうで、このエネルギー危機はそのようなキューバ特有の事情もある。輸入燃料の不足から、キューバ産の低品質(高硫黄)な石油を燃やさざるを得ず、それが40〜50年経過した発電所の故障を招いているとの指摘も見られる。
キューバのエネルギー危機について、アメリカ側は現体制の無能さの証明であるとしている。キューバがルーツのマルコ・ルビオ米国務長官は、キューバは新しいリーダーが必要だと発言している。
Header Image: キューバのイメージ写真
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Text by Kasumi Abe 文責・安部かすみ 本記事の無断転載禁止

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