くら寿司「ちいかわ」コラボ騒動で思い出した、アメリカの「限定グッズ」転売

回転ずしチェーン「くら寿司」が、人気のキャラクター「ちいかわ」とのコラボキャンペーンを中止すると発表し、日本で大きな話題になっている。

この騒動では、キャンペーングッズの「ビッくらポン!」のオリジナルフィギュアやオリジナル湯呑みなどが、フリマアプリに相次いで出品されていたことから始まった。利用客が「何度クジを引いてもフィギュアが当たらない」、「配布開始前の湯呑みがフリマアプリに出品されている」として、SNS上で不満が広がっていた。

くら寿司は事実関係を調査し、9月5日に従業員による不正行為が判明したと発表し、6日からキャンペーンを中止した。

「限定商品をめぐる争奪戦と転売」はアメリカにも

限定キャラクターグッズをめぐってファンが殺到する現象は日本特有ではない。

「くら寿司×ちいかわ」騒動のような、限定ノベルティ/キャラクター商品を目当てに客が殺到→品切れ→転売→SNSで話題という現象は、アメリカのくら寿司「Kura Sushi USA」でも似た事例がある。

2025年の夏、日本発のVTuberグループ、hololive Englishとコラボした「hololive English Bikkura Pon Collaboration」キャンペーンが展開され、限定オリジナルグッズが配られた。

一定数の寿司を食べると無料でもらえる限定コラボグッズのために長蛇の列ができ、転売品が二次流通市場に出回り、SNSでファンの不満が上がるなど、確認できた。中にはeBayで100ドル(約1万5000円)以上で転売されたものもあったようだ。

ただしアメリカのくら寿司では、従業員による不正まで起きたという証拠は見つかっていない。

ほかにもアメリカのくら寿司はこれまで、ONE PIECE、SPY×FAMILY、スヌーピーとコラボし、同様に限定景品がアメリカのメルカリ(Mercari)やeBayに出品されてきた。

オリジナルグッズの転売は、メジャーリーグの球場で配られる景品でもそうだ。

枚挙にいとまがないが、一つの事例としては、今夏シティ・フィールド(Citi Field)で行われた「Japanese Heritage Night」(メッツ対ドジャース戦)で、対象チケットの購入者に特典として配られた限定ジャージーも、その後eBayなどに出品されている。

トレーダージョーズのトートバッグをめぐる騒動

人気スーパーマーケット、Trader Joe’s(トレーダージョーズ)のミニトートバッグ騒動も似た事例だ。

物価高の昨今で驚くほど安い$2.99のミニ・キャンバストートが、2024年ごろからSNSで突然大ブームになった。

トレジョーの安いトートバッグ自体は以前からあったものだが、4色展開のミニ版となり、さらに価格が下げられたところ、SNSで人気に火がつき全米の支店に客が殺到した。

騒動はそれで収まらなかった。トートが手に入りにくくなったことからeBayやFacebook Marketplaceで転売されるケースが相次いだ。

$2.99のオリジナル商品が$999で出品された事例まであったようだ。

【トレジョー通信】Trader Joe’s 大人気ミニ・トートバッグ 正規品を定価でゲットできた!

   

騒動を踏まえて、トレーダージョーズの店舗は混雑対策を導入した。例えば、

  • 購入個数を制限:私が購入した時は一人10個までだった
  • 店員が商品を手渡す:商品棚から客が自由に取るのではなく、列に並んだ客に店員が商品を手渡す。これにより客が殺到し取り合うような状況を回避

など。

ほかに、再入荷制度にし、再入荷の日時は事前告知されない。

筆者は上記の記事で書いた通り、再入荷時にたまたま店にいて偶然購入できた一人だが、体験を通して思ったことがある。

それは、たいして欲しくもないただのトートバッグなのに、$2.99という安さとSNSで話題という理由だけで買ってしまったということだ。もちろん買ったからにはたまに使っているが、(私も含め)街中で同じトレジョーという企業のロゴ入りトートを持っている人を何人も見かけるたびに、「もしかして私たち、Trader Joe'sのPR要員として利用されている?」という気がしなくもない(苦笑)。

以上ここに挙げたのは、「限定の景品、無料のオリジナルグッズ、プレミアムグッズをめぐる争奪戦」と「その後に転売サイトに流出している」事例だが、これらはほんの一例にすぎない。

昔からある限定商品を配布するマーケティング

限定商品をめぐって客が店に足を運ぶというマーケット戦略自体は、日本でも昔からある。筆者もミスタードーナッツが原田治さんのイラスト「オサムグッズ」とコラボしていた時代によく通っていた。

丼椀、湯呑み、重箱などたくさんの種類をゲットしたが、今でも大切に使っている。一部はこのように海を渡り、ニューヨークで何十年にもわたって(私に)愛用している♡

確か80年代のものですが今でも現役。信じられますか?© Kasumi Abe

この時代は転売などもなかったと記憶している。転売サイトもなかったし、少なくともこうした景品を転売する「転売ヤー」もいなかった。正当に食べて、正当に(そして自分が本当にほしい)グッズをもらっていた。いい時代だった。

そして、最近の景品って塗料もすぐに剥げちゃうし全体的にちゃっちい作りが多いような気がするのは私だけ?昔の景品は当然質の良い「Made in Japan」で、景品と思えないほどしっかりしたつくりだったよね。

ヘッダーイメージ:イメージ写真(騒動とは関係ありません)

Text by Kasumi Abe 安部かすみ  本記事の無断転載禁止



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