17日に発売されたトレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)のキャンバス・ミニ・トートバッグ。
毎回、数量限定ということもあり、アメリカの一部の層に大人気となっているが、今回の新商品も発売日には一部の店舗で数時間待ちの大行列ができ、SNSで話題になった。
ミニ・トートバッグをめぐる「ミニ戦争」勃発。
インスタグラムの映像を見る限り、アジア系の人が多くこの商品を求めているようだ。およそこのような可愛いトートを持ち歩きそうにない、アジア系の高齢男性も必死に商品を求めている。
トレジョーのトート売り切れ問題
そもそもトレジョーのトートバッグは以前、普通に店内のレジ売り場で売られていた。こちらが長年人気のトレジョーのベーシックのキャンバス・トートバッグ。

私の著書『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ(旅のヒントBOOK)』でも紹介した、トレジョーのオリジナル・トートバッグ。2018年の時点で普通に店で買えたし、2023年にハワイの友人への土産の一つとしても買って行ったもの(ハワイはトレジョーが未進出なので喜んでもらえた)。
売り場での混乱は当時は見られなかったのに、それがどうしたことか、この数年でカオスになってしまった。トレジョーのトートバッグ売り切れ問題はこの2、3年の現象であることは間違いない。
なぜこれほど人気なのか
トレジョーのキャンバス・トートバッグが、なぜこのように売り場が混乱するほどの人気商品になったのか。筆者なりの分析は
(1)安い 2)デザインが可愛い
ミニトートはこの物価高のアメリカで2.99ドル(480円)の希少商品。NYの消費税を入れても530円と超リーズナブル。3ドル弱の商品にしては生地も縫製もしっかりしている。
デザインに関しては、これまでパステルカラーから季節仕様(ハロウィンなど)まで、発売ごとに毎回デザインが異なるため、コレクター心をくすぐる仕掛けがある。
しかし、たかがトートにあれほどの行列ができるのは異常とも言える現象だ。アメリカはとにかく商品のチョイスが広いから、ほかにも可愛いトートは山ほどある。
この異常とも言える現象を作っている背景に、
(3)人気に火をつける戦略的なマーケティング
(4)それに便乗した、転売ヤー(スケルパー)の存在があることは明らか。
5月もスウォッチ(Swatch)と高級時計のオーデマ ピゲ(Audemars Piguet)のコラボレーション懐中時計、ロイヤル・ポップ(Royal Pop)が400ドル(約6万円)前後で発売されたが、転売ヤーが買い占め、その結果、価格高騰を引き起こした。
いくらスイスの高級時計とのコラボだからといって、このおもちゃのような見た目の時計が、転売サイトで発売と同時に3000ドル前後の高値が付けられていたのは異常だ。その後数百ドルまで落ちたが、現時点で筆者が確認する限り2976ドル(約48万円)の値がまだ付いている。
そして一番の問題は、転売のせいで本当に欲しい人の手にリーズナブルなままで渡りづらい状況になっていることだ。
このトレジョーのトートバッグも、現段階でeBayやPoshmarkで最高額49ドル、なんと約16倍に跳ね上がっている。メディアによると、これまで正規品は転売市場で数百〜1000ドル以上の高値で取引されたこともあるとか。そりゃ転売業者が飛びつくわけだ。
正規品を定価でゲットした方法
そんな中、昨日(24日)筆者はこの話題のトレジョー製ミニ・キャンバス・トートを手に入れることができた。
と言っても、発売日に店で並んだわけではない。
たまたま昨日、店にあったのだ!
昨日はちょうどクライアント一行と共に、市内のスーパーを視察していた。我々がユニオンスクエアのトレーダージョーズに到着すると、若い女性2人が楽しそうに、買ったばかりのピンクのミニトートを肩に下げ、店から出てきた。売り場のスタッフに尋ねると、ちょうどタイミングよく店舗に新商品の再入荷分が届いたばかりで、担当スタッフが忙しなく売り場に並べていた。
我々は列に並んぶように言われたが、ここでは誰も争っていなかった(笑)。SNSでは取り合いになるほどの人気商品ぶりなのに、2、3人が静かに並んでいるだけ。色も選び放題。
私は特段欲しいわけではなかったが、この“タイミングの良さ”を口実に、気づけばレジへ向かっていた。新色の薄い茶色と迷ったが、パステルグリーンにした。

クライアントにもトレジョーの社会現象を説明したところ、彼らもレジに並び、土産用に何枚も購入していた(トレジョーは日本未上陸なので、とても喜ばれる土産の一つ)。
一人の男性だけ最初は興味を示さなかったが、「大人気」「手に入りづらい」「限定生産品」「転売で高値で売られている」「日本に未上陸」、しかも「安い」と一通り説明したら「買います!」とレジに並び複数枚を購入していた。
(本当は欲しいと思っていなかった)私も含め、消費心理とはこういうものである。
引率担当のアメリカ人男性だけが購入しなかった。理由は「妻がすでに(一般的な)トートバッグをたくさん持っているから」。
実は筆者も人のことは言えない。気づけば引き出しの中はいつも使っているトートバッグに加えあまり使っていないものも含めたくさん溢れている。2020年にレジ袋が有料化されて以来、今やトートバッグ博物館の様相を呈しており、今回これが新たに加わったのだった。これからはトートも日替わりで使っていこうかな♪
【執筆後記】 7/15には、軽くて人気の「パステル・マイクロ・トート」(2.99ドル。色なピンク、ブルー、パープル、グリーンの4種)の発売です。
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Text and photos by Kasumi Abe 安部かすみ 本記事の無断転載禁止

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