17日間にわたるミラノ・コルティナ冬季オリンピックが終了し、6日からパラリンピックが始まる。これまでの話題のスポーツイベントは…
- オリンピック
- NFLスーパーボウル
- NBAオールスター
- WBC(ワールドベースボールクラシック)
さらに今後も
- パラリンピック
- ザ・マスターズ
- FIFAワールドカップ
- USオープン
etc…と大規模な大会は続き、スポーツファンには忙しい日々が続く。
そのようなスポーツ会場、またはスポーツバーでの観戦のお供は、ビールとピザ(またはホットドッグ)がアメリカではお決まり。会場やバーでも飛ぶように売れる。
今年、オリンピックとスーパーボウルを視聴していて、筆者はあることに気づいた。
その1
アルコールのCM自体が少ない
まず、スーパーボウルは全米で毎年1億人以上が視聴すると言われている国民的なイベントで、当然、企業もこのCMのために心血を注ぐ。
今年のスーパーボウルは?(過去記事)
ビール企業は大規模なスポーツ大会のメジャースポンサーの一つだが、今年スーパーボウルやオリンピックのCMを注視してみたら、体感として以前より目立たなくなった印象を受けた。数えた訳ではないけれど、明らかにビール類のコマーシャルは以前より少ないように感じた。
一方、テック、フード(ファストフード、スィーツ)やコーヒー、医薬品(痩せ薬)、美容(ボトックス)などのCMの存在感が高まっていたので、ビール広告が相対的に減ったように見えた可能性はある。特に最近のトレンドとして、糖尿病薬とボトックス市場は熱いと感じる。
オリンピック中にヘビロで流れたスターバックスのCM。クラシカルでめちゃくちゃオシャレ。
その2
CMでゴクゴクとおいしそうに飲むシーンがない
「ゴクゴク飲むシーンが皆無」という発見は、私自身がスーパーボウルで気づき、オリンピックで確信に変わった。
調べてみると、アメリカのアルコール広告は自主規制によるガイドラインが厳しく、過度な飲酒や酔う描写、未成年に見える人物の起用、成功や健康と関連するアルコールのイメージなどは禁止されているという。もちろん子ども向けの番組でアルコールCMが出ることもない。
日本でよく見る演者が「くぅ〜、うまい!」などと言いながら美味しそうにビールをゴクゴク飲むシーンは、スーパーボウルでもオリンピックでも最後まで見られなかった。
スーパーボウルやオリンピックで流れたビールのCM(一部)⇩
私は90年代まで日本に住んでいたので、日本の酒造メーカーのCMの「くぅ〜うまい!」などのシーンは「普通のもの」として見てきた。
アメリカ移住後もしばらく気づかなかったが、アメリカ人との付き合いを深める中でお酒の捉え方に関して、日本とアメリカではずいぶん違うのが、徐々にわかっていった。
日本の典型的なビールのコマーシャル。ビールがめちゃくちゃおいしい飲み物として表現されている(下記は一例)。⇩
アメリカのCMはアルコールをゴクゴク飲むシーンが含まれない。近年の傾向かと思いきや、昔のCMでも見られない。
日本のビール広告は味わいや喉越しのイメージで訴求しているのに対して、アメリカのビール広告はカルチャーやライフスタイルのイメージで訴求している。
アメリカがアルコール関連の広告に敏感なのは、この国がドラッグ(最近ではフェンタニル)の依存問題が深刻になっている社会背景も影響しているだろう。
アルコールをドラッグとして考える日本人は少ないが、アメリカではアルコールはタバコやドラッグと同じ「サブスタンス・カテゴリー」で扱われることが多い。つまりアルコールは合法ドラッグの一種という認識が強い。これが日本との大きな違い。
アルコール中毒者はドラッグ中毒者と同じ更生施設の専門プログラムで治療を受ける。無事に更生できた人は一生飲まない覚悟があるという。CMでは安易に飲酒のイメージを見せないのはそういう人を過剰に刺激しないような配慮か。
アメリカのトレンドは数年遅れで日本にもいくから、タバコが1971年に米CM界からバンされたように、いずれ日本のビールCMも近い将来そのような方向にいくのかもしれない(?)
今後の大規模イベント、WBCやワールドカップ中のCMはどんな感じか注目したい。
(Edited version March 15, 2026)
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Text by Kasumi Abe 安部かすみ 本記事の無断転載禁止

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