米スーパーボウルでバッド・バニーが「史上最悪」と叩かれた理由を解説: アメリカの自由とは何か?

国民的スポーツイベント、スーパーボウルのハーフタイムショーに出演した人気ラッパー、Bad Bunny(バッド・バニー)のパフォーマンスが物議を醸している。自由の国のはずのアメリカで騒がれる理由は?


アメリカでは8日、スポーツイベントが満載だった。NBC局では冬季オリンピックが放送されていて、東部時間の夕方からはアメフトも始まったから、観る側としては非常に忙しい日だった!

ただし冬季五輪は競技人口が少なく、競技によって人気がばらつくから、やっぱり大男同士の巨体のぶつかり合いとスピード感が魅力のアメフトの方が何倍も人気が高い。

そんな大人気のNFLスーパーボウルの第60回となる記念試合が、カリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアムで開催された。今年はアメリカ建国250周年にあたることから、国民のこの大会に対する受け止め方や思い入れもより深い。

試合自体はシアトル・シーホークスがニューイングランド・ペイトリオッツを29-13で下し、12年ぶりに2度目の制覇となった。開始早々、シーホークスに幸運が味方したかのような展開で、そのまま圧勝した。

30秒で12億円超のCM枠

スーパーボウルと言えば、毎年話題になるのが試合以上にCMとハーフタイムショーだ。

なんせ1億人以上の国民が視聴すると言われる大人気のスポーツイベントだから、企業のCMにかける熱量は半端ない。

今年のスーパーボウルでは30秒の広告枠の平均が約800万ドル(約12億円)、一部は1000万ドル(約15億円)超えと報じられている。CMは近年のトレンドであるAIやストリーミングを含むIT系、減量系、スイーツや飲食系が多かった。みんなビールを飲んでピザを食べながら観るイベントだからアルコールのCMが多そうだが、実は酒類のCMは少ない。今年のスーパーボウルもバドワイザーなどごく一部だった。

このCM枠がどれだけ注目されているかというと、he gets usというCM(キリスト教系)がユニークだったのでCM放送直後にググってみたらsomething went wrongと表示され、その後何十分も繋がらなかった。アクセスが殺到してサーバーがパンクしたのだろう。

行き過ぎた?ハーフタイムショー

そんな国民的大イベントで、もう一つ話題なのが、ハーフタイムショーだ。

ちなみにハーフタイムショーは「やらかさなくても」毎年話題になる。

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今年、このハーフタイムショー枠に投下されたのが、先日のグラミー賞授賞式で年間最優秀アルバム賞を取ったBad Bunny(バッド・バニー)だ。彼はプエルトリコ出身のラッパーだから、パフォーマンスも終始ラテン色満載。

私のことを長く知る読者の中には知っている人もいると思うが、私はラテン系、特にサルサやバチャータ系のダンスを長くやってきて、ルーツを旅したりもしているので、この分野の専門知識はある。そのような文化が深く根付くニューヨークに住みそのような趣味がある私のような層にとって、Bad Bunnyのパフォーマンスは「わかる」内容だった。

しかしそんな私でも、冒頭から「これはやりすぎでは」と思わざるを得ない構成だった。そもそもスーパーボウルとは一般的なアメリカ人向けのイベントであり、子供も多く視聴する。そんな「一般のコア層」は理解できない内容、受け入れ難い内容だろうというのも容易に想像ができた。

どこが問題かって、まずダンサーの動きがエロすぎる。ナイトクラブだったら文句はない。でもスーパーボウルはクラブでもバーレスクでもない。ゴールデンタイムに家族で観戦を楽しむ国民的イベントなのだ。

皆さんも想像して欲しい。例えば家族全員で大晦日に紅白歌合戦を観ていたとする。そこへ画面いっぱいに大量のダンサーがめちゃくちゃエロい踊りをし始めたら、お母さんは顔をしかめますよね。Bad Bunnyのこの日のパフォーマンスも視聴者にはtoo muchだと思った。

しかもBad Bunnyはスペイン語で歌うので、何を言っているのかさっぱりわからない。私もスペイン語はほとんどできないので「?」状態。SNSで流れてきた情報から、彼の歌詞はお子ちゃま層には不向きっぽい。多くの観客にとっても意味不明で、会場でボ〜ッと突っ立ったまま見せられているようだった。

話がズレるが、そもそも古き良きアメリカの黄金時代ってこんなセクシーを全面に出すような国ではなかったからね。ムチムチの体にセクシーな衣装着てお尻ブンブン振り回するのは、プロスティテュート(売春婦)と言われていた。今のように風紀が乱れたのは70年代、80年代ごろ中南米から移民が大量に流入し、南米文化が大都市に形成されてからじゃないかな(良し悪しは置いといて)。

今回の官能的なパフォーマンスで、素晴らしい芸術だと思ったシーンもある。

レディー・ガガとリッキー・マーティンがコラボ出演したのだが、私が感動したのは(南米系ヒスパニックではない)レディー・ガガが『Die with a Smile』をラテンのフレーバーで歌ったシーン。このラテンバージョンはめちゃくちゃ素敵だった。

(イタリア系のレディー・ガガはやっぱり南米系のダンスの動きが堂に入っていないが笑)

Bad Bunnyのパフォーマンスでもう一点、後半で「我々はすべてアメリカ人だ」と言いながら、星条旗とプエルトリコの旗、中南米各国の旗を国名を言いながら歌うシーンがあった。

政治的な発言をしていた先日のグラミー賞の授賞式もそうだが、「憎しみより愛を」という彼の一貫したメッセージは不法移民を取り締まるICEへの反発であり、グローバリズムの考え。ビリー・アイリッシュ曰くアメリカは「盗まれた土地」であり「誰も不法ではない」らしいし。

過去記事

第68回 グラミー賞の授賞式の生放送をアメリカで観て感じた違和感

ニューヨークなど大都市は中南米の移民が多く、Bad Bunnyの伝えた世界観は馴染みがあるし、グローバリズムを推し進めたい左派の活動家もたくさんいる。「そうだー!」「あの場でよくやった」とBad Bunnyを称賛する声ももちろん多くある。

自分のルーツを誇りに思い、出していくことは大切だが、間違ったやり方で過剰にすると反発を生む。どこの国でも。彼も今回大きな反発も生んだ。トランプ大統領が「史上最悪」として視聴をやめたと伝えられた。いわゆる愛国者たちが激おこなのは、私も日本を愛する愛国者なので理解できる。

想像してみてほしい。例えば紅白歌合戦で日本への移住者が近隣国の旗を振りながら、我々は一つなのだと言っていたとしよう。日本人としてこれはやばいと思うだろう。別の場所でやるならいい。でも1億人以上が観るメディアを通して発信したなら、当然大反発が生まれるのは彼らも予想していただろう。

アメリカは自由の国なのにどうして?と思う人もいるかもしれない。確かにこの国には、どこかの国と違い、法のもとに自由がある。だからと言って好き勝手やっていい訳ではない。自由という言葉を履き違えて用いてはならない。

Bad Bunnyが何を信条にしてどんなことをファンに発信するか知ったこっちゃないが、グラミーでもスーパーボウルでも、このような国民的大イベントでわざわざぶつけてくるから反発されるのだ。それをわかっていて背後でサポートしている左派&グローバリスト団体とは一体どんなところか、こちらも気になるところ。

今回の彼のパフォーマンスは少なくともスーパーボウルの視聴者のコア層には不向きだったと思う。約20年前にジャネット・ジャクソンが半分胸を出す演出がありこの時も物議を醸したけど、今回も同じ。政治色が強過ぎたり官能的すぎたりするパフォーマンスは家族向けの音楽やスポーツイベントにはいらない。

「憎しみよりも強いものは愛」という彼のメッセージは、分断が続くアメリカ社会へ向けたものだが、逆に彼のような間違ったアプローチにより、愛国精神に火をつけたのは間違いない。「アメリカの愛国者であることの意味を再定義した」とCNNは報じた。全くその通り。

日本では8日に投開票された衆院選で自民党が圧勝した。日本を愛する日本人による愛国主義が導いた結果だろう。「日本はまだ間に合う」。チャーリー・カーク氏も生前そう言っていた。

ハーフタイムショーの動画


Bad Bunny’s Apple Music Super Bowl Halftime Show

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Text by Kasumi Abe 安部かすみ 本記事の無断転載禁止

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