ニューヨークで寿司エキスポ「Sushi-Con」60社超が出展、日本食人気の根強さを実感!

ニューヨークで10月11日、寿司エキスポ「Sushi-Con 2026(スシコン)」が開催された。

展示会場のピア36には魚介類を中心に、のりやトサカノリなどの海藻類、わさび、和牛、ラーメン、調味料、茶、メロンやスイーツの生産者など63社とレストランパートナー9社が出展した。来場者数は3600人超だった(数字は主催者発表)。

A sushi vendor displays fresh fish on ice at a culinary event, with a staff member wearing a blue T-shirt and a cap preparing sushi plates in the foreground.
© Kasumi Abe

ちなみに昨年の「Sushi-Con」の出展企業は40社、レストランパートナーは5社だった。また、来場者数は2日間で1日平均約1500人超だったことから、担当者によれば「今年の来場者数はSushi-Con史上最多」だという。

今年の入場券は1日(午前11時〜午後5時)が190ドル(約3万円)、早期割引180ドル(約2万8000円)で、半日(午後2時〜5時)が135ドル(約2万1500円)、早期割引120ドル(約1万9000円)だった(すべて手数料と税金は別途)。

アメリカ現地でも決して安くない入場料だが、それでも開場前から入り口には長蛇の列ができ、午前11時には多くの人が会場内に押し寄せ、人気ブースには長い行列ができた。

来場者は6時間(半日券は3時間)、出展ブースでのサンプリング料理(試食メニュー)を無制限で楽しんだ。

300kgを超える本マグロ(クロマグロ)の解体ショーも2回あり、人々は夢中で解体の様子を見守った。ここでは、テレビ番組『Iron Chef America』(米国版の料理の鉄人)への出演で知られる和食料理人、森本正治氏の姿もあった。

出展企業は日本やアメリカをはじめ韓国、スペイン、ニュージーランドなど世界中から集まった。

筆者はまず、寿司や刺身から試食した。

A display of sushi plates with slices of tuna and wasabi on a blue table, with chefs preparing food in a large venue.
© Kasumi Abe

Two paper plates held in hands, each filled with various sushi pieces including sashimi, sushi rolls, and garnishes.
本マグロ、サーモン、ウナギなどの寿司。アメリカで寿司と言えばカリフォルニアロールが有名だが、このような一般的な寿司も主流となっている。日本で食べる寿司と遜色ないほど質が高く、新鮮で美味しい。© Kasumi Abe

スペインのタラゴナに拠点を置く水産会社、バルフェゴで寿司職人をする高野健太さんは、スペイン産の本マグロを使った寿司や刺身を来場者に振る舞っていた(写真冒頭)。

同社は、漁獲から蓄養、販売までを手がける。北大西洋に生息し、産卵期になると地中海に戻ってくる本マグロ(平均体重約200kg)を漁獲し、適度に脂がのるまで数ヵ月間、専門の施設で蓄養後、注文に応じて水揚げするという。

試食用の寿司や刺身をいただくと、程よい脂のりで美味しい以外の言葉が見つからない。ブースを訪れた来場者が次々に手を伸ばし、瞬く間に試食分が台からなくなっていった。

A man in a blue suit holds two plates of sushi featuring slices of bluefin tuna, smiling in front of a promotional display for Balfegó. In the background, a chef prepares more tuna dishes.
スペインの水産企業、バルフェゴ社の本マグロの刺身。(*写真は掲載許可をいただいています)(c) Kasumi Abe

筆者はタラゴナという街を今回初めて知ったが、バルセロナの南方に位置する海岸都市だそうだ。高野さんは「タラゴナでも寿司人気は“非常に”高い」と話す。寿司ブームは大分前からで、寿司や刺身を提供するレストランも数多くあるという。

「価格を重視する層から最高品質を求める層まで幅広いニーズに対応した選択肢が揃っています」と、スペインの寿司事情を教えてくれた。

「今年はより広い会場に移り、来場者で会場全体が大変賑わう『Sushi-Con』を通し、タラゴナと同様にニューヨークでも寿司人気の高まりを実感した」と高野さん。

「来場者は年齢や民族的背景もさまざまで、タラゴナの状況とも重なっていると感じます。タラゴナでも寿司はもはや若者だけの食べ物ではなく、幅広い層に受け入れられながら人気が拡大し続けています」

海藻を扱うカネリョウ海藻では、刺身の付け合わせ用などの海藻商品を、カリフォルニアのMatsuhisaのビバリーヒルズ店(料理人、松久信幸さんの1号店)に卸して約20年になるという。Matsuhisaは松久さんのSNSを通じて、大谷翔平選手などが訪れるレストランとしても知られている。

「コーシャ(ユダヤ教の食事規定に適合した食品)認証を持つ当社の商品は、ニューヨークの富裕層にも需要が高いです。今後はニューヨークを中心にそれをアピールし、全米展開を図る予定です」と、同社の柳澤教雄(のりお)さんは語った。

ほかにも、稲荷寿司用の油揚げを30年以上にわたってアメリカに輸出している企業、アメリカにある日系の居酒屋でもおなじみのたこわさび(通称たこわさ)を扱う企業などのブースを訪れ、担当者らに話を聞く機会があった。

寿司や刺身のみならず、さまざまな日本の食材を楽しむ多くの来場者の姿を目にし、海外における日本料理の人気や日本食材の需要の広がりを改めて実感した1日となった。

A display of various sushi and seafood dishes on a table, featuring sample plates with different seafood, sauces, and garnishes. The background includes sushi products and ingredients with signage indicating their names.
© Kasumi Abe

ヘッダーイメージ:(ご本人の掲載許可をいただき掲載しています)© Kasumi Abe

Text and photos by Kasumi Abe 安部かすみ  本記事の無断転載禁止


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