W杯2026総括 スペイン優勝!史上初のハーフタイムショー、「FIFAランド」が示した未来

7月19日(日)、米ニュージャージー州New York New Jerseyスタジアムで行われたFIFAワールドカップの決勝で、スペインがアルゼンチンを延長戦の末に1-0で破り、2010年大会以来2度目の優勝を果たした。

アルゼンチンはエンソ・フェルナンデスが後半のアディショナルタイムに2枚目のイエローカードを受けて退場となり、延長戦を10人で戦うことになった。後半に強さを発揮することの多いアルゼンチンだが、この試合ではシュート数も少なく、スペインが試合を優勢に進めた。連覇を狙ったアルゼンチンだったが、その夢はかなわなかった。

現実、バグってる…。漫画みたいなことが起きて世界が感動。事実は小説より奇なり。

表彰式で涙を流すメッシに私も泣いた(私は今大会で何度、試合後の彼の姿に涙しただろうか)。

おそらく彼にとって最後のW杯で、ファンとしては最後にもう一度花を持たせてあげたかった。しかし大会中は得意のフリーキックを外す場面もあり、改めて彼も一人の人間なのだと感じた。優勝こそ逃したものの、決勝の舞台で最後まで戦い抜いたその表情は、やり切った男の顔だった。

ワールドカップ初のハーフタイムショーが決勝戦を盛り上げる

この決勝戦はマドンナ、シャキーラ、ジャスティン・ビーバー、BTSなど大物アーティストが出演するハーフタイムショー(大会史上初)にも注目が集まった。

FIFAワールドカップのハーフタイムは通常15分以内と定められているが、今回はステージの設営や撤去の時間を含め、通常より長い中断となる可能性が指摘されていた(試合の中断時間が長引けば、選手のコンディションや試合の流れへの影響があるとされている)。

当初はハーフタイムが約30分に及ぶのではとの報道もあったが、その後は17分以内に収まる見通しが伝えられていた。仮に17分だった場合でも、アーティスト1組あたりの持ち時間は3分にも満たない計算となるため、どのような構成になるのか筆者も注目していた。

実際のショーは想像を超えていた。マドンナは(おそらく)事前収録映像&ロナウド・ナザリオ&ロナウジーニョを伴っての登場で2分強、BTSなどほかのアーティストも約2分ずつ(ジャスティン・ビーバーとシャキーラが長め)のダイジェスト形式で次々と展開。限られた時間でアーティストを次々と登場させる演出は、興味深い試みだった。

Halftime Show by FIFA

ハーフタイムショー自体は12分以内に終了した。CMの時間も含めると「ハーフタイムは通常より10分長かった」とFOXスポーツで伝えられた。

なぜ1組ではなくこれほど複数のアーティストを出演させたかについても疑問だったが、マドンナからBTS、セサミストリートやマペットを見て、(世界中の)マドンナ世代〜子どもまで老若男女の新規ファン、そして未来のプレイヤー候補を囲い込むFIFAの戦略を感じた。

筆者による2026年FIFAワールドカップの総括

今大会ではアメリカ代表のイエローカードを巡ってトランプ大統領がFIFAに処分の見直しを求め、対応に当たったFIFAのインファンティーノCEOに対して退任を求める声が上がるなど騒動が広がった。また、アルゼンチンが準決勝でイングランドを破った後、フォークランド(マルビナス)諸島の領有権を主張する旗が掲げられ、政治的な議論が再燃した。

決勝戦の後も一部の選手同士で小競り合いがあり、後味が悪い終わり方だった(アルゼンチンって詳しくないけど、民度的に疑ってしまうような行動がやや多め?)

決勝戦のチケットは120万円を超える価格で取引されるケースもあり、大会を通じてチケット価格のレベチな高騰ぶりも大きな話題となった(ここまで上がると今後FIFAは物価が安い国での大会開催に消極的になるだろう)。

今大会について不満に思うサッカーファンも多いようだが、FIFAは今大会の大きな商業的成果(収益増加や過去最大規模となる観客動員など)を糧に今後も強気の独自路線でさらに推し進めていくと思われる。そしてW杯自体も世界的なイベントとしてますます巨大化していくことだろう。

大会期間中に大規模テロや重大な治安事件は起きず、無事に大会を終えたことは良かった(会場周辺では相当な数のドローンが摘発されたというが)。

また、試合会場へ足を運べない人たちのため、開催都市では無料のファンビレッジが設けられ多くの人々でにぎわった。大型スクリーンでの観戦に加え、ミニピッチなどの体験型アトラクションやイベントなどが充実し、FIFAがスポンサーと手を組んで、ディズニーランドならぬ「FIFAランド」を作り上げ、次世代のファン(熱狂的なファンのみならず、会場に生涯に一度でも足を運ぶ層)を育てようとしている姿勢が伝わってきた。

ワールドカップは90分間の試合だけではなく、街全体を巻き込みながら世界中の人々が参加できる祭典「FIFAランド」へと進化していることを、筆者は開催都市のニューヨークであらためて実感したのだった。

【執筆後記】  ヤマル(Yamal)が痛そうに表彰台に上がる姿や、ムパペ(Mbappe)が敗戦後、1ヵ月以上過ごしたボストンのホテルを去る時の映像ー初老の男性のように階段を降りる姿を見て、選手の疲労や身体の負傷は相当なものだというのが伝わってきました。選手の皆さんは長い闘いが終わった今、大切な体を労ってほしいです。

筆者による、シャキーラとバーナ・ボーイの「Dai Dai」歌詞の和訳もぜひご覧ください。

FIFAワールドカップ2026

開催期間: 6月11日(木)〜7月19日(日)

開催国:アメリカ、カナダ、メキシコ (3ヵ国共同開催は大会初)

詳細:FIFA ワールドカップ26 特設ページ(日本語)

ヘッダーイメージ: Photo: FOX SPORTSより

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Text by Kasumi Abe 安部かすみ 本記事の無断転載禁止

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