NYオフ・ブロードウェイ「マスカレード」が激アツ上演中|「オペラ座の怪人」没入版 12/31まで

今夏、ニューヨークのエンタメ界隈で激アツのお芝居と言えば、何をおいてもこれ!観客参加の没入型ミュージカル、Masquerade(マスカレード)。

35年におよぶロングランを経て2023年4月に閉幕したブロードウェイの名作、The Phantom of the Opera(オペラ座の怪人)のイマーシブ・シアター版だ。

初演は昨年9月。当初は短期の予定だったが、好評で何度か延長され、現在は今年12月31日まで上演予定となっている。

舞台は、4階建ての歴史的なビル全体!

Exterior view of Lee's Art Shop at night, featuring a historic building with intricate architectural details, surrounded by modern skyscrapers and scaffolding.
(c) Kasumi Abe

フランス・ルネサンス風の古い洋館は日本人からすると珍しいかもしれないが、地震がほとんどない当地ではこのような歴史的建造物が今も大切に保存され、現役で利用されている。

この建物も19世紀末のもので、1897年よりAmerican Society of Civil Engineers(ASCE=アメリカ土木技術者学会)の本部やクラブハウス(会議や交流を行う場)として使われていたそうだ。

2008年には、市のランドマーク(歴史的建造物)に指定された(ニューヨークにはこのほかにも、歴史的建造物がたくさん残されている)。

画材店「Lee’s Art Shop」だった時代の名残もある。

参照

Exterior view of Lee's Art Shop, featuring a prominent sign with red lettering and large windows draped in red curtains, illuminated by vintage-style lights.
(c) Kasumi Abe

観客はマスク(仮面)をつけて、この正面入り口から入場する。入場時にメールで送られるパスコードを聞かれるので準備をしておこう。

A dark alleyway with graffiti art featuring a clown face, characterized by exaggerated eyes and a red nose, set against a black background. The entrance is partially obscured by a metal pole and draped red curtains visible through a nearby window.
重厚な外観にこのドア。秘密結社の館感が増す! (c) Kasumi Abe


「オペラ座の怪人」あらすじ

19世紀末のパリを舞台に、オペラ座の地下に潜む、顔の醜さを仮面で隠した怪人ファントムと、彼が思いを寄せる若き歌姫クリスティーヌ、そして彼女の幼なじみで恋人となる青年ラウルをめぐる愛と悲劇を描いた物語。ファントムは単なる悪役ではなく、孤独や愛への渇望を抱えた存在として描かれている。

観客がオペラ座に“迷い込む”イマーシブ芝居

残念ながら上演中の写真&ビデオ撮影は禁止のため、プロダクション写真と共にネタバレしない程度に説明する。

まずこのショーは建物全体を「まるごと」使い、複数の室内で芝居が展開される。

観客は建物内を移動しながら、「マスカレード」(仮面舞踏会)の世界に入り込む。そこでは「オペラ座の怪人」のストーリーが展開される。

A mysterious figure in a cape stands dramatically in a spotlight, surrounded by smoky darkness and candlelit decor.
Photo Credit Matthew Murphy and Evan Zimmerman for MurphyMade

時に階段やエレベーターを使ってのフロア移動もある。それぞれの部屋には豪華なシャンデリアや鏡など大胆な「仕掛け」が待っている。まさに芝居のテーマパークといった様相だ。

最初の部屋では優雅なバイオリンの生演奏があった。そこで観客は渡されたシャンパンを楽しみながら開演を待つ。筆者は突然、ドレス姿の女性に耳に心地よいフランス語訛りで「舞踏会への準備は整っているかしら?」と話しかけられた。すでに芝居は始まっていた。

扉が開くたびに驚きと期待が高まる。キャストが観客の間をすり抜けたり、手を引かれて一緒に踊ったり、渡されたバラをステージに投げ入れたりと、インタラクティブなシーンも多い。オペラ、サーカス、マジックなどの要素も散りばめられ、時に感情が大きくうねりながら物語はドラマチックに展開していく。

A dramatic scene featuring two performers in a tense standoff, with one kneeling and the other towering above, illuminated by soft spotlighting against a dark backdrop.
Photo Credit Andy Henderson

昼6回&夜6回で、1回ごとに50〜60人ほどのグループで移動するため、回によってキャストは異なる。中にはさらに小規模のグループ(約20人)に分かれて展開するシーンもある。

自分も芝居の一部として参加したためか、上演時間の2時間はあっという間だった。

会場(建物)の広さは「こんなに中は大きかったのか」と、自分の想像をはるかに超えていた。時々椅子も置かれているが、基本的には立ったまま移動するので、靴は歩きやすいものが良い。

終演後、観客の一人に話を聞くと、「ビル全体を使った知恵と工夫が詰まった新しい企画で素晴らしかった。ブロードウェイでもどの分野でも、同じことをただ繰り返しやるだけでなく、頭をひねり新しいものを創出することが大切なのだという学びがあった。自分の活動にも生かしていきたい」と話した。筆者もまったく同感だ。

日本人には頭の痛いドレスコード問題?

実は難しく考えすぎる必要なし!

参加者全員が仮面舞踏会に出席するという設定のため、観客にはいくつかのルールが設けられている。

洋服)

  • フォーマルまたはカクテルドレスの着用が推奨されている。ただし必須ではない
  • 服装の色は黒、白、シルバーまたはそれらを組み合わせたもののみ
  • ドレスコードに沿った服装でない場合、マントの貸し出しあり(数に限りあり)
  • 冷房が強めに効いている部屋もあるので、肩出しの服装は薄手の羽織り物の持参を奨励

(仮面=マスク)

  • 黒、白、またはシルバーの仮面(目元を覆うマスク)を常時着用する必要がある
  • ほかのゲストと近い距離で移動するため、他者の視界を妨げないものである必要がある
  • LEDライト付き、オペラ座の怪人風のマスク、顔全体を覆うフルフェイスマスク、有名人の肖像や政治的なシンボルが描かれたものは禁止
  • 仮面を持ってない人には入り口で仮面が配布される(無料)
A person's hand holding a black lace masquerade mask in front of a printed program titled 'Masquerade', with a city street scene in the background at night.
(c) Kasumi Abe

(靴)

  • 室内移動が多いので歩きやすい靴が奨励されている
  • ピンヒール(stilettos and kitten heels)は禁止

(そのほかの)

  • 写真撮影、ビデオ撮影は禁止
  • 携帯電話はマナーモードにする
  • バッグやコートなどの荷物は持ち込み不可。入り口付近に手荷物&コートチェックあり(無料)
  • 飲食物の持ち込み禁止

そもそもドレスコードについては、筆者は日頃から、ニューヨークを訪れる日本人観光客から質問を受けることがある。「行きたいレストランがあるのだが、ドレスコードが心配で…」。その度に筆者は「心配いらないですよ」と答える。

もちろんディナーが一人800ドルも1000ドルもするようなところには、ハイブランドを身につけて最上級のオシャレをして行くと特別扱いを受けるだろう(それ相応のチップも必要)。

ただし基本的に高級レストランにしてもこのショーにしても、ドレスコードを設けている場の隠されたメッセージは、「見るからに汚い格好では来ないでね」「カジュアルすぎないでね」というものだと思っている。

というのも、アメリカ人の普段のデフォルトの格好がジーンズやTシャツといったカジュアルウェアだからだ。ニューヨークではセレブもどこかの会社のCEOも普段はカジュアルウェアで街に溶け込んでいるくらいだ(もちろんこれらには例外もあるが)。

日本人はドレスコードが設けられていると聞けば、「観に行きたいけど旅行中は服装が…」と思うかもしれない。しかし日本人は普段から綺麗めの格好をしている人が多いので、そういう人にとっては、それほど小難しく考える必要はない。いつもの装いにプラスアルファでオシャレをして行けばいい。

「マスカレード」も色のルールさえ守り、ジーンズやサンダル、野球帽などの明らかにカジュアルな衣類を避ければ大丈夫。

筆者が観劇した日は、男性はスーツ姿の人もいたが、スーツ以外の人も見かけた。筆者も黒のワンピースに白のカーディガンを羽織り、靴は歩きやすい茶色のフラットシューズを履いて行ったが、すんなり入場できた。

ニューヨークで高級レストランに急に行くことになり、ジャケットがない場合は、入り口でジャケットの貸し出しをしてくれるところもあったりするので、店に尋ねると良いだろう。

「マスカレード」でも入り口で万が一ドレスコードに引っかかる場合は、黒いマントを貸し出してくれる。マスク(仮面)ももらえる。

(黒いマントを羽織って観劇する方が、より仮面舞踏会の雰囲気が出て良いかもしれない!)

(Updated May 26, 2026)

昨年1月に14年のロングランを経て幕を閉じたイマーシブ作品、Sleep No More (スリープ・ノー・モア)を彷彿とさせる…と思っていたら、これも同じプロダクションチームによるものだそう。



Masquerade

公演日
2026年12月31日まで延長して上演中


開演時間
1pm、1:15pm、1:30pm、1:45pm、2pm、2:15pm

7pm、7:15pm、7:30pm、7:45pm、8pm、8:15pm

(開演15分前までに到着のこと。予約時間に遅れた場合入場不可)



上演時間
約2時間(インターミッションなし)


休演日

毎週火曜日



会場
218 W. 57th St., New York, NY

チケット

$175 〜 $395+ 

  • 来場時間の24時間前までにメールで送られるパスワードをIDと共に入り口で提示する
  • 客の入りに応じてスタンバイチケット(170ドル)が出ることもある。希望者は開演1時間前から列に並ぶことができる(チケットの確保は保証されない)

年齢制限
約13歳以上のみ入場可。16歳以下は保護者同伴。要ID

公演中にドリンク(シャンパン、スパークリング、ノンアルコールなど)の提供あり

公演後に利用できるバーエリアあり


予約&問い合わせ
Masquerade

ヘッダーイメージ: Photo credit Matthew Murphy and Evan Zimmerman for MurphyMade


今夏のニューヨークのエンタメはブルックリンのこのショーも人気

『プチ・ルージュ』

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Text and some photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載、加筆) 本記事の無断転載禁止

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