2023年、筆者はこのようなタイトルで、エッグフレーション(卵の価格高騰)の記事を書き、Yahoo!ニュースで発信した。
- 物価高、インフレ進む米国 思わぬ食品、卵が「高級品」の仲間入りのワケ(Yahoo!ニュース)
- 値上げラッシュ、インフレ進む米国でも以前より「安くなったもの」がこんなにあった!(Yahoo!ニュース)
すでにインフレ下にあった当時、卵価格をさらに押し上げた最大の要因は、鳥インフルエンザの流行だった。大量の殺処分によって供給が減少し、アメリカでは卵価格が急騰した。
その後、価格はピーク時よりやや落ち着いたものの、地域やブランドによっては1ダースあたり3〜15ドル程度の価格帯が続いた。
1ダース(12個入り)8ドル(当時約1248円)前後で売られていた2025年のレポート
- 物価高のアメリカで卵価格が“再び”高騰。実際にスーパーを訪ねたら千円以上でも売れていた…!(Yahoo!ニュース)
このように、アメリカでは最近まで、卵価格は食料品価格高騰の象徴だった。
卵価格は“キッチン版ガソリン価格”のような存在で、大きく値上がりすると庶民感覚では「うわっ」となり「生活が苦しくなる」というイメージに直結しやすい。
いよいよ品薄になると、一部スーパーでは卵売り場の棚が空になることもあった。価格が天井知らずに高騰した卵はもはや、家庭やダイナーの朝食でスクランブルエッグとして山盛りで出される安価なプロテインではなくなっていた(飲食店の卵メニューの価格も高騰した)。
3週間前、インスタグラムではこのようなショッキングな情報も流れ話題に: ホテルの朝食の卵料理は卵じゃないの?
そんな中、つい最近筆者がスーパーに行くと、卵が驚きの価格になっていた。

筆者は目を疑った。
1?10?
一瞬、頭がバグってよくわからなくなったが、よく見るとやっぱり「$1.00」(約158円)と書いてある。
年配の女性も立ち止まって、価格を凝視していた。
「これ、10ドルの間違いじゃないよね?」と聞くと、その女性は「コンマがここにあるから、1ドルで間違いなさそうだわね」と言った。2人とも卵のケースをカゴに入れた。
この店はディスカウントスーパーでも高級スーパーでもなく、市内にある一般的なスーパーだ。スタッフに聞いてみたところ「セール品だから」ということだった。
試しにほかのスーパーも覗いてみた。
インフレが続くアメリカで低価格路線を維持する“物価高時代の優等生”のような存在のTargetという巨大チェーン店に行ってみると、1ダース7.39ドル(約1174円)の商品もあるが、最安値は1.59ドル(約252円)だった。
別のチェーン店に行くと、1ダースの最安値は1.99ドル(約316円)だった。ほかに5ドル台、8ドル台の商品もある。
Amazon傘下のホールフーズ・マーケットでは、1ダースの最安値は4.39ドル(約698円)だった。ほかに18個入り16.99ドル(約2700円)の商品もある。

再び買い求めやすくなった卵価格に狂喜乱舞したのは筆者だけではなさそうだ。
SNSを見ると、多くの発信が散見される。
I am so happy the price of eggs are getting lower!!! Todays price $1.46. I hope it keeps going down! (卵の価格が1.46ドル(約232円)だってよ!!! ずっとこの価格が続いて欲しい)
Egg prices plunge to $0.21/Dozen, down -93.2% compared to the same time last year
NPRによると、3月13日の時点で1ダースの平均小売価格は約2.50ドル。NPRは「過去12ヶ月間でスーパーマーケットでの卵価格は42%下落」と報じている。卵価格が急落 なぜ?
卵価格がこの春から急落している理由は何だろうか?
「農家の安全対策強化、インフルエンザウイルスの変化、あるいは単なる幸運だっただけかは定かではないが、現在アメリカでは昨年の同時期と比べて約900万羽多い採卵鶏が卵を産んでいる」とNPRの記事は述べている。
つまり、採卵鶏の数が回復したことなどさまざまな要因が、価格低下につながったようだ。「今ほど卵を買うのに良い時期はありません」。米国卵協会の会長兼CEO、エミリー・メッツ氏のコメントも記事で紹介されていた。
アメリカ在住者として、この機会に卵を思う存分食べたいと思う!
ヘッダーイメージ: 卵のイメージ写真
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Text and some photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載、加筆) 本記事の無断転載禁止

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