80年代アメリカの音楽を聴いて育ち、90年代音楽編集者・記者を経て、2000年代以降ニューヨークで活動する安部かすみが趣味の領域でやっている洋楽の和訳シリーズ。自分が好きな曲から思いついたものをランダムにピックしています。
🎵 歌の文化的背景や欧米文化がわかる、独自の解説付き
Last Christmas (Official Video)
(歌い出し)
Last Christmas, I gave you my heart, But the very next day, you gave it away […]
去年のクリスマス、僕は君に心を捧げた
なのに翌日には君はそれを手放したね
今年は涙を流さないために
特別な誰かに心を捧げる(特別な人に)
[repeat]
以降は要約
一度痛い目に遭えば2度目はシャイ(慎重)になるよ
距離を置いているのに君のことがまだ気になってしまう(視界に入る)
言ってよベイビー、僕のことわかる? もう1年経ったから、覚えてなくても不思議じゃないけど
ハッピークリスマス
プレゼントを包んで送ったよ
愛してるというメッセージを添えて。本心だった
自分がどれほど愚かだったか、今ならわかる
でももし今、君がキスしてくれたら、きっと僕は再び騙されてしまうだろう
人がたくさんいる部屋に疲れた目をした友人たちがいて
君と君の氷のような魂(冷たい心)から僕は隠れている
あぁ神様、君は信頼できる人だと思っていたのに
僕はただ泣きつかれる(慰めるだけの)相手でしかなかったのか
僕は傷つきやすい本当の自分を隠して強がっていた
気づかれぬように正体を隠していたけど、君は彼を(僕を)打ち砕った
でも僕は本当の愛を見つけたんだ。もう二度と君に騙されない
心に情熱を燃やす愛する人の顔(私は君に心を捧げた)
正体を隠した男だったけれど、君は彼を(僕を)打ち砕いた
たぶん来年
特別な誰かに僕は心を捧げるだろう
特別な誰か
誰かに….
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曲の背景や欧米文化がわかる「ミニ解説」
このクリスマスソングは1984年12月リリース以降、ヘビロされる定番曲。アメリカでも人気で毎年繰り返し流れています。
アーティストは80年代を代表するイギリスのデュオ、ワム!。私も大好きでした。打ち込みの技術が流行ったあの時代を反映するポップなメロディがとても80年代っぽく懐かしさ満載。
冒頭に掲載のPVもドラマ仕込みで余計な装飾がなくて、素朴で良い感じです(スキーウェアも時代を感じる)。
ポップなサウンドとは相反して、曲の内容は1年前のクリスマスに心を捧げた相手に裏切られた主人公の、悲壮感を感じさせない失恋ソングになっています。
愛する人に心を許したのに、翌日にはその人は心をほかの誰かに渡してしまった。同じ痛みを繰り返さないために新しい愛の希望も含んでいます。今年は別の特別な人に心を捧げようと決意しているのに、まだ相手への未練や感情が残っているのか、今年が来年に変わったり、キスしてくれたらまた騙されてしまうだろうと言ったり、主人公の「心の揺れ」が感じられます。
Q. 「Happy Christmas」「Once bitten, twice shy」って?
歌詞の中で囁いている”Happy Christmas”はアメリカでは聞いたことがないので、イギリス英語でしょう(アメリカは”Merry Christmas”か”Happy Holidays”が主流)。
“Once bitten, twice shy”は、アメリカでもよく耳にする慣用句。一度噛まれたら、つまり一度でも痛い目に遭ったら次は用心深く慎重になるっていうことです。ひどい恋愛や結婚を経た人は次は慎重になるし、投資をして大損したら投資には慎重になりますよね。さまざまなシーンで使わる英語です。
最後にWham!の発音なんですが、アメリカでは日本風にワムと言っても「は?何それ?」と聞き返されます。日本語にはないApple(/ˈæpəl/)、Ham (/hæm/)、Command(/kəˈmænd/)などと同じように、日本語話者にはちょっと難しい /wæm/(ワェム)って言わないと通じませんのであしからず。
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Text and Translated by Kasumi Abe 無断転載禁止
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