米有力紙の一斉報道で再確認された「トランプがロシアを称賛し近づく理由」

物別れに終わった米ウ首脳会談の3日後、米政府はウクライナへの軍事支援を一時停止した。支援額がどう貢献してきたか(不正使用はないか)の確認のためだそうだが、これは明らかにトランプ大統領が求めるディールへの署名と停戦に向けたゼレンスキー大統領への圧力だろう。 アメリカのウクライナ支援は他国と比べて突出し、ウクライナはアメリカの支援なくして戦争を続行できないため窮地に立たされている。この支援停止について米VOXは「アメリカは事実上ロシア側に立ったようだ」と報じた。 続きを読む ↓ 米有力紙の一斉報道で再確認された「トランプがロシアを称賛し近づく理由」 Text by Kasumi Abe(Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)

ロシアに釈放された受刑者が帰国。フェアでない殺人者との交換をバイデン政権の大きな功績と言えるのか?

1日、アメリカなど西側諸国とロシアなど計7ヵ国は24人の受刑者を交換した。これにより長らくロシア国内に収監されていたアメリカ人も釈放され、無事に帰国を果たした。 アメリカ、ドイツ、スロベニア、ノルウェー、ポーランドの西側諸国とロシアおよびベラルーシの受刑者の身柄の交換はトルコで行われた。 ロシアから釈放された15人の中には、拘留が5年以上に及んだ元米海兵隊員のポール・ウィラン(Paul Whelan)氏をはじめ、ウォール・ストリート・ジャーナルのエヴァン・ガーシュコヴィッチ(Evan Gershkovich)記者、ロシア系アメリカ人のアルス・クルマシェバ(Alsu Kurmasheva)記者など、4人のアメリカ市民および永住者が含まれた。 西側諸国から釈放されたロシア人は8人だった。 1日にアメリカに帰国した3人 ポール・ウィラン氏(元米海兵隊員)拘留日:2018年12月友人の結婚式のためにモスクワを訪れていた際にスパイ容疑で逮捕、起訴され、2020年6月に懲役16年の判決を受けた。 エヴァン・ガーシュコヴィッチ氏(ウォール・ストリート・ジャーナル記者)拘留日:2023年3月ロシアの血が流れる同氏は2017年までにロシアで記者として働いていた。取材で訪れた際にスパイ容疑で逮捕、起訴され、2024年7月に懲役16年の判決を受けた。 アルス・クルマシェバ氏(記者)拘留日:2023年6月と10月ロシアに住む母親の介護などのため複数回渡航中、外国人として無登録、およびロシア軍に関する虚偽の情報を流布した容疑で有罪判決を受け、2024年7月に懲役6年半の判決を受けた。 参照:NBCやABCなど 3人は1日夜、バイデン大統領とハリス副大統領が出迎えたメリーランド州アンドリュース統合基地に降り立った。ここは筆者にとって、今年3月に別の米軍基地の取材に行くために利用したことがある基地で馴染みがある。ワシントンD.C.から車で45分ほどの場所に位置し、主に米空軍の任務に使われる基地だ。ここで3人は久しぶりにアメリカの土地に降り立ち、家族との再会を喜び合った。皆、航空機からにこやかに現れ、健康状態も悪くはなさそうだ。 ドイツやポーランドなども巻き込んだこの大規模な身柄交換は、冷戦後最大規模のものだとアメリカで報じられている。バイデン大統領にとっては、残り短い任期中に残すことができた大きな成果になったことだろう。 だがこの身柄交換は西側諸国にとって、決して容易なことではなかった。筆者が取材で関係者より独自に入手したバイデン大統領のコメントによると、特にドイツとスロベニアにとっては「非常に困難な決断だった」という。アメリカのみならず、この交渉がほかの西側の国々にとっても苦渋の決断だったことがわかる。 一方、身柄が交換されたロシア人受刑者を確認すると、ドイツが釈放したロシアの工作員、ワジム・クラシコフ(Vadim Krasikov)受刑者など「殺人犯」が含まれている。クラシコフ受刑者は2019年、ドイツのベルリンでチェチェン紛争の元戦闘員を殺害した罪で終身刑を宣告され、収監されていた。プーチン大統領への忠誠心が強い人物とされ、プーチン氏にとって必要な人材として帰国が望まれていたようだ。 この交換(取引)には、一体どのくらいの大金が支払われたのかは明かされていない。 次期大統領候補のトランプ氏は米メディアなどを通じて、バイデン氏が先導して行ったロシアの重罪人との身柄交換について「プーチン氏の勝利」と非難した。 このようなアメリカとロシアのアンフェアな取引で思い出されるのが、ロシアに拘留されていた米女子プロバスケットボールリーグのスター、ブリトニー・グライナー(Brittney Griner)選手だ。アメリカはこの時(2022年12月)も、ロシアとのフェアではない取引に応じている。 グライナー氏がなぜロシアで逮捕、拘留されたのかと言えば、医師に処方してもらったという医療(アスリートの痛み止め)用カンナビスオイルがわずかに(0.2グラムと0.5グラム)残ったカートリッジ(ベイプペン)2つを所持していたからだ。これによりロシアでは違法ドラッグの密輸と所持の罪に問われた。同氏はそれらがラゲージ内にあったのは無意識で、ロシアの法律に反する意図はなかったと、今年5月に発売した回顧録『Coming Home(カミングホーム)』に書かれている。同書によるとカンナビスオイルの所持や使用は同氏の米在住州では合法だが、ロシアでは微量でも違法だ。同年8月、ロシアの裁判所で有罪判決となり、懲役9年と罰金100万ルーブル(約170万円相当)を言い渡された。 そして12月にグライナー氏と交換されたのが、国際テロ組織への武器密輸罪および殺人罪でアメリカの刑務所に収監されていたロシア人、ヴィクトル・ブート(Viktor Bout)だった。 今回の釈放も、不当な理由でロシアに拘束後、捕虜のような待遇で6年または16年という気が遠くなるような刑期を言い渡されていた人々や家族にとって、釈放および帰国は喜ばしいことだろう。そのような歓喜の裏に西側諸国が納得しづらいタフな交渉がロシアとの間にあり、アメリカは再びこれに応じてしまったというわけだ。 アメリカとロシアの身柄交換 関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース エキスパート「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)本記事の無断転載禁止

「このままでは中国が」岸田首相のアフリカ歴訪前、米副大統領も。日米がアフリカに近寄らざるをえないワケ

岸田首相がアフリカ4ヵ国を歴訪し、その成果が伝えられた。 今回のアフリカ訪問で、首相はエジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークを訪れた。19日から広島で始まるG7サミットを視野に入れたもののようだ。グローバルサウス(新興国・途上国)はロシアとの関係が深く、G7と距離を置く国も少なくない。「サミット前にグローバルサウスとの関係強化の狙いがあった」と、日本のメディアで伝えられた。 アフリカ訪問と言えば、実はアメリカもカマラ・ハリス副大統領がつい先ごろ歴訪したばかりだ。 ハリス氏は今年3月26日から1週間かけてガーナ、タンザニア、ザンビアの3ヵ国を訪れた。 米要人が立て続けにアフリカ訪問 ハリス氏だけではない。ここ数ヵ月の間にアントニー・ブリンケン国務長官、ファーストレディのジル・バイデン氏、ジャネット・イエレン財務長官、米国の国連大使のリンダ・トーマス-グリーンフィールド氏といった要人中の要人が、アフリカ諸国を次々に訪問している。 これだけの要人が立て続けにアフリカを訪れる理由は何だろうか。ニューヨークタイムズでその理由が詳しく解説された。 4月6日付のポッドキャストでは、出演した記者が「最大の理由は中国だ」と述べた。アフリカ大陸において中国に多くの地位を譲ってしまったことへのアメリカの焦りが感じられるという。どうやら「このままではまずい」ということのようだ。 ハリス氏のアフリカ歴訪の表向きの理由は、アフリカ大陸への投資と発展促進への約束だが、一番伝えたかったシンプルなメッセージは、「あなた方の友人は中国ではない。我々アメリカなんですよ」ということらしい。 3月27日付の記事、In Africa, Kamala Harris Looks to Deepen Relations Amid China’s Influence(中国の影響力が広がる中、ハリス氏はアフリカとの関係を深めようとしている)でも、同様の見方が伝えられた。 ここ数年、アフリカのリーダーたちは西側諸国からデモクラシーについての教義を受けるのではなく、国同士が強固に繋がり合うことで貿易面や経済面での利益を求めている。そこに出てきたのが中国だ。 中国は過去20年間にわたり、アフリカ諸国へ多額の投資やインフラの構築の支援を行い、彼らにとって主要な貿易相手国にのし上がった。 記事によると、2019年ガーナ政府は高速道路の建設を含む数十億ドル規模のインフラ投資と引き換えに、中国がボーキサイト鉱石を採掘することを許可した。またタンザニアのサミア・スルフ・ハッサン大統領は昨年11月、中国の習近平国家主席と会談し、中国がタンザニアの農産物により多くアクセスできるよう複数の経済およびインフラ協定や、中国による22億ドル(約2900億円)の鉄道協定に調印した。新型コロナのパンデミックにより債務不履行に陥ったザンビアは、同国にとって最大の債権国である中国と「特別な関係」を築くことを約束した。 このように中国側は、アフリカ諸国の援助に心血を注いでいる。「中国外相が毎年初訪問する国はいつもアフリカだ。小さな国々でさえ中国が熱心にそつなく寄り添う姿勢を見せている」。またアフリカの学生に対して、教育奨学金の提供も行う。「このように築かれた関係性は強固で、彼らにとって中国は掛け替えのない需要なパートナーになった」と、専門家の意見が添えられた。 バイデン政権も「未来はアフリカである」と認識しているが、今その未来を握っているのは中国の方だ。このようにアフリカ大陸での中国のプレゼンスの高まりの中、アメリカもまんまと引っ込んでばかりはいられない。 アフリカ諸国の安全保障のため、1億ドル(約130億円)規模の援助を発表し、バイデン政権は来年度の予算にガーナへの1億3900万ドル(約180億円)の財政支援を盛り込む予定だ。 中国が重点を置いているインフラ構築は現地の人に日常使いされる橋、空港、ダムなど「わかりやすいもの」だ。一方、アフリカ諸国でのアメリカの焦点は、内戦が続くソマリアでテロと戦うためのインフラの構築など、テロリズムと治安面での対処に移行している。アメリカと違い、中国の支援は人権問題や労働条件、環境保護など関係なしに無節操に行われる。この点でもアメリカはアフリカにおいてより不利な立場にある。 記事によると、中国がアフリカに関与し始めたのは1999、2000年辺り。中国は自国企業に国外進出と投資を奨励。それは中国が必要としていた鉱物資源を中国に持ち帰ることにもつながった。そのようにして中国とアフリカは強固な関係で結ばれたのだ。 2013年、中国は現代版シルクロードとして野心的なインフラ・プロジェクト、一帯一路構想(Belt and Road Initiative)を発表した。特にアフリカでは都市と農村をつなぐ高速道路や鉄道の建設を進めており、中国はアフリカのみならず世界中にこのプロジェクトを拡大することを目指している。 アメリカがここ数ヵ月で高官を派遣することを決めざるをえなくなったのは、「今、手を打たないとまずい」と思ったからだ。 その判断のきっかけは、ロシアのウクライナ侵攻だった。 ロシアにウクライナからの撤退を求めた国連総会決議では、アフリカの多くの国が棄権、不参加、一部が反対を表明した。多くの国が、何が正しく何が間違いかを表明することに消極的になっており、アフリカ諸国の多くのリーダーは、この戦争を自分たちの戦争や自分たちの問題ではないと考えている。であるから、今後も彼らにとっては大切な盟友、中国やロシアとの取引は継続するだろう。 アメリカにとって、アフリカとの関係は一筋縄ではいかない理由はほかにもある。人権問題の一つ、LGBTQや同性愛者の権利はバイデン政権がサポートし推し進めようとしているものだが、記事によると、ザンビア、ガーナ、タンザニアを含むいくつかのアフリカ諸国では逆の方向、つまりそれらの権利が脅かされる動きがあるという。ガーナのナナ・アクフォ-アド大統領との記者会見で、これらについて尋ねられたハリス氏は、「問題を提起した」と述べるに留まり、誰とどの国でという詳細の言及はなかった。 ザンビアで21年に就任したばかりのハカインデ・ヒチレマ大統領は、アメリカ寄りでアメリカが介入できる機会になるかもしれないという期待もある。だが、アフリカ諸国にとって東側諸国、西側諸国どちらか一方と仲良くすることは国策として賢明ではないという見方もあり、国の利益と発展のために両勢力とバランスを取りながらより良いディール(取引)を選択し、発展していくのではないだろうか。西側諸国として日本、アメリカ、共に今後も粘り強くアフリカとの関係性を築いていく必要があるだろう。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

ロシアのウクライナ侵攻1年 世界のアートシーンでも「脱植民地化」の動き

ロシアのウクライナ侵攻から1年。アメリカではバイデン大統領がキーウを電撃訪問し、軍事支援の継続をゼレンスキー大統領に示したことで、二国間のさらなる結束が報じられた。 両国の死傷者は兵士と民間人で推計32万人超と報道され、未だ戦争終結の見通しは立たず暗いニュースが続く。 開戦から1年経ち、ウクライナから逃れてきた人々の新たな生活は、ここニューヨークでも始まっている。 人種の坩堝と言われる当地には「小さなウクライナ」があるのをご存知だろうか。街を歩けばウクライナ国旗がなびき、ウクライナ料理店(ヴェセルカ)やウクライナ文化の紹介施設(ウクライナ・インスティテュート・オブ・アメリカ)が、移民の心の拠り所となっている。 市内にはウクライナの芸術品を集めた美術館もある。1976年に創立し、47年間の歴史があるウクライナ美術館(ユークレイニアン・ミュージアム)だ。同国の芸術に焦点を当てる美術館としては、同国外にあるもので最大規模とされる。 このウクライナ美術館は20世紀以降の芸術作品に焦点を絞り、約1万点を超える作品をコレクションとして収蔵している。 現在はキーウ出身の写真家、Yelena Yemchukが南部オデーサの陸軍士官学校の少年少女を撮影した「オデーサ」展、そして身体障害があり第一次世界大戦中に孤児となった画家、Nikiforの絵画作品が展示されている。 ピーター・ドロシェンコ(Peter Doroshenko)館長によると、同美術館の来場者はロシア侵攻後に増えており、今では年間2万2000人が訪れる。その多くはウクライナ系でないといい、ロシアによる侵攻後、多くの人が同国へ関心を寄せていることがわかる。 またドロシェンコ氏によると、世界の芸術界では今、新たな動きがあるという。 これまでロシアのアートと表示されていた芸術品の誤った解説パネル(もしくはボーダーレスに分類されていた)が再考され、ウクライナのアートとして修正される作業が始まっているのだ。 「ウクライナは長年ロシア帝国の陰に隠れ、文化や芸術、言語の面でも侵略されました。文学、シアター、シネマ、出版、音楽などの分野で自国のオリジナル性、そして母国語が少しずつ失われていったのです。我々の怠惰がそれを許したのですが」 侵攻から1年を前に行われたパネルディスカッションで、ドロシェンコ氏はコロンビア大学で言語やフィルムを教えるYuri Shevchuk教授ら3人の知識人と登壇し、そのように説明した。 ドロシェンコ氏自身も以前、キーウの美術センターで代表を務めていた時、そこが管理するウェブサイトがロシア語であることに疑問が湧き、ウクライナの母国語や文化面での独立を意識するようになった。 ウクライナが軍事面でロシアに抵抗している今こそ、文化面でもロシアから独立しようとする機運が高まっているという。知識層の間では「Decolonize(脱植民地化)」や「Desovietise(非ソビエト化)」などと呼ばれている動きだ。 例えば(世界三大美術館の一つ)メトロポリタン美術館では、より正確にラベルづけをしようと、アーティスト・プロフィールの精査が進められている。 「実際に、これまでロシア人として分類されていた3人のアーティストがウクライナ人アーティストとして修正されたところです」(ドロシェンコ氏) ウクライナ表記に修正された芸術家は、19世紀に活躍したイヴァン・アイヴァゾフスキー(Ivan Aivazovsky)、アルヒープ・クインジ(Arkhyp Kuindzhi)、イリヤ・レーピン(Ilya Repin)だ。 米誌アートニュース(ARTnews)もこのように伝える。 「例えば、クインジが生まれたロシア帝国の一部は現在ウクライナのマリウポリ市だ。元ロシアのチュフイフ生まれのレーピンも、現在はウクライナのアーティストと見なされている。ロシア帝国の一部だったクリミアのフェオドシヤで生まれたアイヴァゾフスキーについては、2014年のロシアによるクリミア併合後、両国が『自国のアーティスト』と主張し合った(家族はアルメニア人のため、アルメニア国立美術館は彼をアルメニア人と呼んでいる)。しかしアート界の新たな解釈ではアイヴァゾフスキーもロシア人ではなくウクライナ人と見なされている」 この動きは現在世界のアートシーンで起こっている。ロンドンのナショナル・ギャラリーでも、エドガー・ドガの描いた『Russian Dancers』(ロシアの踊り子、1899年)が以前はロシア人ダンサーとされていたが、今はウクライナ人として『Ukrainian Dancers』に変更されているという。 「多様化が進む現代社会では、さまざまな地域や性的マイノリティの人々が自身のアイデンティティを表明している。我がウクライナにとっても戦いが止まず厳しい時期だが、同時に変化の時期でもある。願わくは、このようなアートシーンの動きがほかの文化の分野でも『脱植民地化』の第一歩になれば嬉しい」 登壇者らは未だ終わりが見えない暗闇の中で、ひと滴の希望を示した。 NYとウクライナ関連記事 Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

ロシアが米スター選手ブリトニー・グライナーを解放するも、米国が手放しで喜べない理由

違法薬物所持容疑で今年2月からロシアに拘留されていた、WNBA(女子プロバスケットボールリーグ)の大スター、ブリトニー・グライナー(Brittney Griner、32)選手が、8日釈放された。 囚人交換という形で、グライナー氏と交換されたのは、アルカイダやタリバンに武器を売ったとされ、武器密輸および殺人罪でアメリカ国内の刑務所に収監されていたロシア人、ヴィクトル・ブート(Viktor Bout)だ。ブート元受刑者も同時に釈放され、同日アラブ首長国連邦(UAE)の空港で2人の身柄が交換された。 (写真)2010年、タイから米ニューヨークに移送される、ヴィクトル・ブート元受刑者。 釈放においていくつか伝えられているグライナー氏の近影では、長かった髪を短くカットし、笑顔も見られる。グライナー氏はすでにアメリカへの帰国便に搭乗しており(機内での映像で同氏は「どの街に飛んでいるかわからない」と答えているが)、テキサス州サンアントニオに着陸予定とされている。 この一報は、年の瀬の全米中に突然入ってきたものだが、囚人交換の交渉はアメリカとロシア間で、水面下で進められていたようだ。 ロシアでグライナー氏の弁護をしていた人物がCNNに語ったところによると、釈放に向けての兆候は先週より見られたという。その弁護士のもとに先週末グライナー氏から電話があり、「希望がある」と語ったということだ。 国際テロ組織に武器を密輸したブート元受刑者は「死の商人」との異名通り、多くの死をもたらしたのであるから、アメリカをはじめとする西側諸国では紛れもなく重罪人だ。そんな危険な男の釈放・帰国を、ロシア側は渇望し、グライナー氏との捕虜交換条件に挙げていた。結果的にそれに応じた形となったアメリカは、これほどにない譲歩をしたということになる。ロシア側からすると、為て遣ったりの結果をもたらした。 グライナー氏が無事に釈放され帰国し家族のもとに戻るのは朗報であることは確かだ。 しかしその交換条件について、同日のホワイトハウスの定例記者会見では、記者から疑問視する声が上がった。 またさまざまな著名人からも、疑問視する意見が上がっている。 アメリカンフットボール(NFL)のマイカ・パーソンズ(Micah Parsons)選手は、ツイッターで「ちょっと待って!! 元海兵隊員を残したままだけど?!! まじかよ」とつぶやき、この取引についてバイデン政権の決断に不満を表した。(その後「ツイート内容はグライナー氏を攻撃するものではない」「もっと正しい知識を持つべきだった」などと釈明) 元海兵隊員とは、2018年にスパイ容疑で16年の刑期が言い渡されロシアの刑務所に服役して4年になる、カナダ生まれでアメリカ国籍保持者、ポール・ウィラン(Paul Whelan)氏のことだ。 (写真)$ ロシアにスパイ容疑で起訴された元米海兵隊のポール・ウィラン氏。2019年10月、モスクワの裁判所で。 パーソンズ選手のツイート内容は瞬く間に炎上し、最初の投稿内容は削除されたが、そのツイートにリプしていたのは元NFLのブーマー・アサイソン(Boomer Esiason)氏。アサイソン氏もパーソンズ選手の意見に同意し「多くの人がそう思っている。もちろん帰国は喜ばしいが、WNBAのアスリートを取り戻し、何年間も釈放できていない海兵隊員を残したまま。米国政府は何の動きもなし。ロシアはこの男(ブート)を取り戻すために、彼女(グライナー)を利用した」。不平等な交換条件とロシアに残されたままのウィラン氏を思うと「手放しで喜べない」と述べた。 さらにバイデン政権の決断について、共和党の議員からも、いくつか疑問が上がっている。 フロリダ州のリック・スコット(Rick Scott)上院議員は帰国自体は「喜ばしい」としながら、「ウィラン氏については? バイデンがプーチンに危険な武器商人=死の商人を返すのは、(国として)弱く不快である。容認できない」とツイートした。 ほかの議員からも 「(国を守ってきた)退役軍人よりセレブ優先?」 「元海兵隊のウィラン氏や教師のマーク・フォーゲル(Marc Fogel)氏は置き去り。プーチンはこれで味をしめてしまった」 「(バイデン)政権の無能な交渉能力について大いに懸念」 「甘い取引に応じて、外国がより多くのアメリカ人を拘束するインセンティブ(メリット)を作り出した」 などの非難が次々に上がっていると、フロリダポリティクスは伝えている。 CBSニュースなどが伝えるところによると、アメリカに与えられていたカード(選択権)は少なく、ロシアが求めてきた重罪人との交換に応じるか、もしくは誰一人としてアメリカ人を釈放できないままでいくかのどちらかしかなかったとした。 結果として、テロ組織との繋がりが強い危険人物を再び野放しにすることに応じてしまったというわけだ。 関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

ロシア拘留のブリトニー・グライナー裁判のゆくえ 

【速報】米東部時間4日朝、ブリトニー・グライナー選手はロシアでドラッグ所持と密輸の罪で有罪判決となり、禁錮9年の判決が下されました。 違法薬物所持容疑でロシアで勾留されている、米WNBA(女子プロバスケットボールリーグ)のブリトニー・グライナー(Brittney Griner)選手。その裁判が、モスクワ郊外の裁判所で先月より始まっている。 出廷したグライナーさんは、被告人席として設けられた狭い檻の中に入れられるなど、初公判後もショッキングな映像が映し出されている。グライナー選手と言えば、オリンピックで2個の金メダルを獲得したアメリカの大スター選手だが、2月の拘束以来、手錠をかけられた姿がメディアに映し出され、(欧米諸国にとっては)まるで重罪人のような扱いを受けている。 グライナーさんは裁判で先月、カンナビス(大麻)の抽出オイル(Hashish oil、Hash oil、ハシシオイル)を含むベープカートリッジを、自身のカバンの中に所持していたことは認めた。しかしそれらは鎮痛剤として使用していたもので、娯楽目的でもなければ法を犯す意図もなかったと、通訳を通じて述べた。 弁護団は、グライナーさんが所持していたカンナビスについて、痛みを和らげるために医師から処方された医療用大麻だと主張した。2メートル以上の長身を武器にしている同選手は、練習や試合中に体全体でぶつかり合うことが多く、脊椎、足首、膝を怪我し、何ヵ月もの間、車椅子を使用するほど症状が悪かったという。2013年より所属しているフェニックス・マーキュリーは、本拠地アリゾナ州において同選手が医療用としてカンナビスを使用するのを許可していた。 グライナーさん自身はそれを薬としてロシアに持ち込んだわけではなく、急いで荷造りしたため無意識のままカバンに入れたという。ただしカンナビスは、ロシアでは違法薬物にあたる。 グライナーさんは法廷で、モスクワの空港で逮捕に至った経緯についても触れ、税関の関係者に呼び止められた際の通訳が「不完全」で、自分の権利が守られなかったと主張した。正しい説明なしに書類に署名をするように強制され、いったいどのような書類なのか理解できないまま署名してしまったという。 関連記事 ロシアが東京五輪金の米スター選手、ブリトニー・グライナーを拘留 裁判が想像以上に深刻な理由 「なぜスポーツ選手は薬物を痛み止めに使うのか」有力紙の見解 娯楽用のみならず医療目的のための使用について、アメリカではたびたび議論の対象となるマリファナ。グライナー選手の拘留により、再びその是非が問われている。 ニューヨークタイムズは「Why Pros Like Brittney Griner Choose Cannabis for Their Pain」(なぜブリトニー・グライナーのようなプロ選手が鎮痛のためにカンナビスを使うのか)という記事の中で、以下のように述べている。 米国務省は、グライナーさんについて「ロシアによる不当拘束」という見解を示しているが、マリファナは米連邦レベルでは違法薬物のままで、何千人もの人々がマリファナの使用または販売のために刑務所に入れられている。 その一方で、数十の州が医療用または娯楽用としてマリファナを合法化しているのもまた事実。とりわけ日頃から肉体を酷使し年中怪我をしがちなスポーツ選手にとって、体の傷や痛みを癒す「効用」も認められており、それらを医療用として合法化するようスポーツリーグや政治家への働きかけが行われている。 実際にカンナビスを治療のために使用しているプロのスポーツ選手はグライナーさんだけではなく「多くのアスリートは、医師が処方してきた中毒性のあるオピオイドや類似の薬よりマリファナの方がよっぽど健康的だと信じている。またそのようなプロスポーツ選手からは、グライナーさんの拘留について哀れみの声と、ロシアに対しての批判が多く上がっている。 メジャーリーグは? 米スポーツ界のマリファナ使用ルール 以上のような効用を鑑み、一部のプロスポーツリーグでは、その使用に関する罰則方針について、近年再検討されつつある。 NBA(プロバスケットボールリーグ) 使用に関する違反が繰り返された場合のみ、出場停止処分となる。「グライナー選手がリーグに復帰しても、WNBAから処分を受けることはない」と関係者の声。 MLB(プロ野球リーグ) 2019年、選手の禁止薬物リストからマリファナを削除した。ただし、飲酒運転などと同様に法律を犯して使用した場合や、選手として試合や練習中に使用した場合、懲戒処分を受ける可能性がある。 NFL(プロフットボールリーグ) 2020年、使用に関する方針を緩和し、制限された量の使用を許可した。一方で、制限を超える量の使用に関しては選手に罰金を科したり、出場停止処分にすることもある。 NHL(プロホッケーリーグ) 選手に対してマリファナ検査を行うが、陽性結果になったからといってペナルティを科すことはない。 (参照:ニューヨークタイムズ) 捕虜交換となるか?今後の裁判の行方 現在、グライナーさんは捕虜のような扱いでロシアに拘束されている。アメリカ政府はグライナーさんのほかにも、2018年にスパイ容疑で16年の刑期が言い渡されロシアで服役中のアメリカ国籍保持者、ポール・ウィラン(Paul Whelan)氏の釈放も正式に打診した。 ブリンケン国務長官の声明 ロシア側からの具体的な回答は得られていないものの、アメリカ側が釈放を望んでいる2人のアメリカ市民と引き換えにロシア側が求めるのは、アルカイダとタリバンに武器を売ったとされる武器販売および殺人の罪でイリノイ州の刑務所に懲役25年の刑で服役しているロシア人、ヴィクトル・ブート(Viktor Bout)受刑者の釈放と見られている。またそれが叶えられない限り、受刑者交換の交渉は決裂するだろうとも伝えられている。 トランプ氏の辛辣な意見 トランプ前大統領は先月末、出演したラジオ番組で、重罪を犯したロシア人受刑者との交換に難色を示した。 グライナー選手について「ドラッグが好きではなく、ドラッグに対して非常に警戒している敵対的な領土にドラッグを積んで行き、捕まった。その結果、武器商人との交換が交渉されようとしている」「潜在的に甘やかされた人だ」と、脇が甘いとも取れるグライナーさんの行いについて辛辣に非難した。 交渉上手で隙がなく、またアルコールやドラッグに関して人一倍自制をしていることで知られるトランプ氏らしい発言だ。 グライナーさんは有罪判決が下された場合、懲役10年の刑になる可能性もある。ウクライナ情勢に纏わり緊張がますます高まるアメリカとロシア間で、グライナーさんとウィランさんの釈放に関して、今後どのような「人質外交」が行われていくだろうか。 参照 Why Pros Like Brittney…

ロシアが東京五輪金の米スター選手、ブリトニー・グライナーを拘留 裁判が想像以上に深刻な理由

不穏な空気が漂うロシアで、思わぬ著名人が4ヵ月もの間、拘留されている。WNBA(女子プロバスケットボールリーグ)に所属するブリトニー・グライナー(Brittney Griner、31)選手だ。 事の発端は2月17日。同選手はロシアに入国するため、モスクワのシェレメーチエヴォ空港で入国手続きを受けていた。そこで、所持品から同国では違法薬物にあたるハシシオイル(*)が見つかり、ロシア当局に拘束された。 (*ハッシュオイル、大麻オイルとも呼ばれる。英語表記:hashish oil、hash oil) 拘留は、この4ヵ月で4回延長され、少なくとも今年12月までとなっている。しかし判決次第では、懲役10年の刑に服することになるかもしれないのだ。その初公判がモスクワ市郊外の裁判所で、7月1日から始まる。 この間アメリカに残っている妻は、ブリトニー氏とまったく連絡が取れない状態という。2019年に結婚したシェレル・グライナーさんは、拘留以降、電話連絡の手続きさえできない状態だとし、ロシアの米国大使館に助けを求めている。アメリカの国務省は「不当な拘束」として、ロシアに釈放を要求しているが、両国関係はウクライナ情勢を巡り緊張しており、ロシア側に解放する動きは見られない。 27日に行われた予備審問では、手錠をかけられまるで重罪人のような扱いを受け、見せつけられている同選手のショッキングな写真も公開された。 ブリトニー・グライナー選手とは? (*日本語記事ではブリトニー・グリナーとも表記されている) グライナーさんはWNBAのスター選手で、女子バスケチームのアメリカ代表だ。米女子バスケはオリンピックで通算9個の金メダルを獲得し、東京オリンピック2020の決勝戦でも、日本代表を破り見事金メダルを獲得、7連覇を達成した。 同選手は、そんな強豪チームを金メダルに導いた立役者の1人だ。6フィート9インチ(約206センチ)の高長身を武器にした豪快なプレーが特徴だ。東京五輪の日本チームとの決勝戦などで、記憶に残っている人も多いのではないだろうか。 インスタグラムでは、2019年に同性婚をした妻シェレルさんとの仲睦まじい様子が公開されていた。しかし今年2月5日で更新が止まっている。 なぜロシアへ? 「なぜわざわざロシアへ入国?」と疑問が湧くかもしれないが、彼女は2015年以降、WNBAのオフシーズン中にロシアンプレミアリーグでプレーしていた。これまで何度もロシアに入国し、同国の事情を知っていたはずなのに、このタイミングで逮捕、拘留となってしまった。2月17日といえば、ロシアによるウクライナ侵攻が始まるちょうど1週間前のことで、今とは状況が異なる。侵攻が開始するとロシア国内で活動していたアメリカ人選手は国外退避したが、タイミング悪くグライナー選手だけが、ロシアに足止めされることとなった。 ハシシオイルとは? 同選手が所持していたハシシオイルとは、濃縮されたカンナビス(キャナビス、大麻草、Cannabis)の抽出オイル。大麻植物に由来し、THCの含有率は最大90%。陶酔感を引き起こし、痛みや炎症を和らげるのに役立つという点で、マリファナとほぼ同じものとして使用されているようだ。ロシアでハシシオイルの所持や使用は違法ということのようだ。 → カンナビスって? 過去記事 ストレスや不眠に効果のある大麻草成分「CBD」が大ブーム ニューヨーク最前線 「見せしめ裁判」と専門家 ABCの朝のニュース番組『Good Morning America』に出演した法律アナリスト(法的な分析を得意とする専門家)は、手錠をかけられた同選手の予備審問での映像を観て「まるで危険な凶悪犯罪者のような扱い」と、疑問を投げかけた。 「これは正当な裁判ではない。見せしめ裁判(見世物裁判とも呼ばれる。英語表記:Show Trial)である」と分析。 見せしめ裁判は、報復としてのプロパガンダとして執り行われる。ロシアで見せしめ裁判と言えば、モスクワ裁判を想起させる。1936年から38年にかけてソビエト連邦政府が当時の最高指導者ヨシフ・スターリンの扇動で国外に広く公開した司法裁判。スターリンによる大粛清を国際的に正当化する意味を持った。 つい今月も、ウクライナ東部の親ロ派、ドネツク人民共和国の最高裁判所が、戦闘中に捕虜になったウクライナの外国人義勇兵(イギリス人2名、モロッコ人1名)に、死刑判決を言い渡している。これも見せしめ裁判だ。 法律アナリストは番組で、グライナー選手について「アメリカのスターであり、オリンピックヒーローです。そんな彼女がカンナビスオイル所有でまるで殺人犯のような扱いを受け、懲役10年の刑が下される可能性もある。ポリティカルプリゾナー(政治的に投獄される受刑者)として見せつけられているのです」と説明。今後は(まるで捕虜のように)第三国で服役中のロシア人受刑者との交換や、人質としてアメリカに圧力をかける道具に利用される可能性もあると示唆した。 米メディアよると、ロシアの刑事裁判で被告が無罪になるのは1%未満という。またアメリカとは異なり、ロシアでは無罪判決になっても覆される可能性がある。 グライナー選手の裁判は複雑でより深刻になっていきそうだ。アメリカ政府はロシアとどのようなトレードをしていくのか、慎重に交渉していくことが求められている。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

今週だけで一千億円! ゼレンスキー大統領の米議会演説後スピード発表の「莫大な追加支援」

ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、アメリカの連邦議会でオンライン演説を行った。1日に欧州連合(EU)、8日にイギリス、15日にカナダの議会でもオンラインで演説をし、ウクライナへの更なる援助を求めてきた。日本の国会での演説も打診中であると伝えられている。 ゼレンスキー大統領は米連邦議会で、真珠湾攻撃(1941年)や同時多発テロ(2001年)といった過去にアメリカが受けた空からの壊滅的な攻撃を引用し、ウクライナ上空の飛行禁止区域の設定や、戦闘機の追加支援などを米国議会に求めた。 筆者によるオーサーコメント またバイデン大統領に対しては「世界平和のリーダーになってほしい」と呼びかけた。 ホワイトハウスのプライベート・レジデンス(私邸)で演説を聞いていたというバイデン大統領は、演説から4時間後の同日午後1時過ぎより、記者団に対してこのように発表した。 「説得力のある重要な内容だった。情熱的なメッセージに感謝したい」 「世界はウクライナへの支援と、プーチンに多大なる代償を払わせるという決意で団結している」 バイデン大統領によると、アメリカがウクライナへの支援を開始したのは昨年3月。ロシア軍がウクライナ国境沿いで軍事演習を開始したため、6億5000万ドル(約773億円)分の対空装備を含む兵器などを支援した。この支援金額はかつてアメリカが提供してきたものをはるかに超えるものだ。「したがってロシアによる武力侵攻が始まった際、ウクライナはすでに対抗するために必要な武器を備えていた」と、バイデン大統領は述べた。 そして今年2月の戦争開始と共に、ウクライナが求める対空システムや輸送用ヘリコプターなどのため、3億5000万ドル(約416億円)分の追加支援を行ったことも明かした。「これらの支援によりウクライナ軍が、ロシア軍からの壊滅的な損失を(最小限に)防ぐことができた」。 さらに今月12日、バイデン政権は2億ドル(約238億円)を承認したばかりだったが、今回のゼレンスキー大統領による演説後、8億ドル(約950億円)を新たに拠出するとした。 つまり今週(の発表)だけでも、アメリカがウクライナに対して提供する安全保障支援装備への総額は、10億ドル(約1190億円)相当に上る。 また、ウクライナが求める武器や対空システムのほかに、3億ドル(約357億円)分の食料や水、医薬品などといった人道支援も行い、この数週間でウクライナと周辺諸国の人々に提供されてきたという。 バイデン大統領は、ゼレンスキー大統領が求めたウクライナ上空の飛行禁止区域の設定について言及しなかったものの、新たに拠出する支援には、空からの攻撃に対抗する800の対空システムなどが含まれており、「民間人を攻撃している戦闘機やヘリコプターを制御し、ウクライナの空域を守ることができる」と述べた。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止