大気汚染警報発令のNY「6月7日の空はこうだった」。友人から届いた各地の様子

カナダ東部で5月末から続く大規模な山火事の影響で、アメリカ北東部は深刻な大気汚染に見舞われている。7日、ニューヨークの空も煙で暗く霞み、キャンプファイヤーをした後のような焦げ臭い匂いがうっすらと漂った。 筆者はこの日、取材のため市内北部のブロンクス区にいた。午前中は天気が悪くやけに暗いという程度の受け止めだったが、午後になると空気はさらに霞み、空がオレンジ色に変わっていることに気づいた。 市の大気の質は1960年代以降「最悪レベル」だと報じられた。咳、呼吸困難、喉の不快感、目の霞みなど健康被害を訴える人も出ている。普段はほとんどマスクをしないニューヨーカーも、この日は9割ほどの人がマスクを着けていた。まるでパンデミックの悪夢に逆戻りしたかのような光景だ。 筆者も約1年ぶりにマスクを着けた。夜からなんとなく頭が重いが、大気汚染が原因か否かは不明である。 7日の時系列の映像はこちら。朝からどんよりとした天気だったが、正午ごろから一気に視界が悪くなったことがわかる。 市内各地に住む友人にこの日の写真を撮影していないか聞くと、続々と届いた。そして面白いことにそれらの写真はすべて、もっとも上空が霞んだ午後2時前後に撮られたものだった。 マンハッタン(ダウンタウン、ユニオンスクエア) 2pm マンハッタン(ビジネス街ミッドタウン) 2:45pm マンハッタン(アップタウン、ハーレム) 2pm ブロンクス(ヤンキース球場近く) 1:57PM クイーンズ(イーストリバー沿いのアストリア) 2:13PM ブルックリン-クイーンズ(ハイウェイのBQE) 1:48PM 米東部で大気汚染警報が出され、メジャーリーグのいくつかの試合、ミュージカルやコンサートなどは延期や中止となり、動物園や図書館も午後から閉鎖した。視界不良のため市内の一部の空港で離着陸が停止し、空の便も混乱した1日となった。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

NYハーフマラソンに2万5千人のランナー 日本人招待選手も健闘

Top photo: © NYRR 19日、最高気温3度という寒空の下、ニューヨークシティ・ハーフマラソン(2023 United Airlines NYC Half)が行われ、2万5000人のランナーが市内2区(マンハッタン、ブルックリン)を駆け抜けた。 優勝者は、女子の部がヘレン・オビリ(Hellen Obiri ケニア)選手と男子の部がジェイコブ・キプリモ(Jacob Kiplimo ウガンダ)選手。車椅子部門はスザンナ・スカロニ(Susannah Scaroni アメリカ)選手とジェッツェ・プラット(Jetze Plat オランダ)選手。 アメリカでのハーフマラソンに初参加したオビリ選手は、同大会記録(昨年)を14秒更新し1時間07分21秒でゴールした。レース後「とても風が強かった。15kmを過ぎてからいけると確信しペースを上げた」と、優勝の喜びを語った。 ハーフマラソンの世界記録保持者、キプリモ選手は同大会初出場で1時間 01分31秒でゴール。「この2ヵ月、世界クロスカントリー選手権とこの2大会に向けトレーニングをしてきた。少し寒かったがベストを尽くした」と語った。 55分47秒でゴールしたスカロニ選手は、本大会で2つ目のタイトルを獲得。48分28秒でゴールしたプラット選手は、2位の選手に4分39秒差をつけて圧勝した。 日本からは2人の招待選手が出場し、赤星雄斗選手(駒澤大学)が1時間03分49秒で14位、引退レースとなった円健介選手(駒澤大学)は1時間05分01秒で18位でゴールした。 Text and photo by Kasumi Abe (「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

【億ションのお宅拝見】NYクリエイティブ地区ブルックリン・ダンボの3億円超!新築コンドの中身

先日内覧したニューヨークの閑静な高級住宅地、グラマシーパークの新築コンドミニアム(分譲用の集合住宅)に続き、筆者が訪れたのはブルックリン区のダンボ地区。 ダンボ地区はマンハッタンに掛かる橋の袂に位置する。元は倉庫街で、今も昔ながらの煉瓦造りの建物や石畳が残り、独特の風情がある。 歴史的に若手のアーティストやクリエイター、テック系の人が多い理由は、マンハッタンの地価が高騰し、芸術家が広いロフトやアトリエで少しでも安く活動できるようにと、20世紀末ごろから倉庫街だったダンボに移ったからだ。今では倉庫やロフトをリノベートしたハイエンドなレストラン、世界的規模のホテル、テック企業が進出し、市内でも有数のハイエンドな地区(ネイバーフッド)として知られる。 DUMBO, Brooklyn 今では地価や物価が急騰し、不動産会社のPropertySharkによると、中央値で見ればダンボ地区はブルックリン区でもっとも高く、ニューヨーク市内でもトップ8位。(2020年の統計) 「ダンボは活気に満ちたウォーターフロントに位置し、人々がブルックリンで最も憧れる地区の1つです」 Front & Yorkのデベロッパーで米大手不動産関連企業CIMグループのジェイソン・シュライバー(Jason Schreiber)さんはそのように説明する。「豊かな緑地、歴史的建造物、人気飲食店などお出かけが楽しくなる魅力が多く、訪れた人はこの活気に虜になります」。 駅近の立地も当地では人気物件の指標の一つだ。地下鉄最寄り駅は、マンハッタンから1駅のYork駅。その駅を出てすぐ角に完成したのが、今回訪れた新築コンド、Front & York。 エントランスを入るとドアマンのいるレセプションがあり、その奥はライブラリー&コミューナルスペースとなっている。ここで住民同士が語り合ったり、コワーキングスペースとして仕事に利用したりと、使い方は千差万別。 さらにドアの向こう側は、住民専用の公園が広がる。 建物は21階建ての2つのレジデンシャルビルから成る。建築は、周囲の倉庫街との同化するよう、当地のMorris Adjmiが手がけた。Morris Adjmiは、ブルックリンブームの先駆けとして建築系やファッション系なら知らない人はいないワイスホテルの建築でも知られる。 早速、3ベッドルーム(4階)と2ベッドルーム(9階)のユニットへ。 入り口のドアを開けると、大きなウォークインクローゼットがあるのはとても便利。靴箱はもちろん、ベビーカーや冬物コート、趣味のゴルフセットや釣り具などここに入れておけば、部屋全体がすっきりと片付く。 奥のリビングルームはどちらも広く明るい設計。これらのインテリアデザインはすべて、当地のASH Staging(ASH NYC)が手がけた。 ユニットによっては、このような壮大な景色も部屋から見られる。「こちらは西方向なので、夕暮れ時や日が落ちた後はもっと素敵なんですよ」と、Front & Yorkのセールス担当、サラリン・ヘルスターンさん。 4階のユニット(4E)はカウンターキッチンで、夫婦どころか家族総出で使えそうなほどスペースたっぷり。調理台はトースターやコーヒーメーカーでごちゃごちゃしやすいが、冷蔵庫や食洗機までラグジュアリーで落ち着いた木製のイタリアンキャビネットでまとまめられているので、すっきりとした印象。 大切な来客のための、高級感あるゲスト用パウダールーム。こちらも広くてゆったりしたスペース。 一転、子ども部屋は白が基調で明るい作り。 Front & Yorkのさらなる魅力は、住居ビル内の充実した共有スペースにある。 プロのシェフを招いた調理イベントやYouTube撮影ができるキッチンスペース、コワーキングスペース、キッズルーム、屋内&屋外プールを備えたフィットネスクラブ、バスケットボールコート、演奏の練習や音楽イベントのためのミュージックルーム、ワイン・テイスティングルーム、ビリヤードバー&ゲームルーム、ペット用スパまで完備。コミュニティマネージャーが常駐し、住民のライフスタイルをサポートしてくれる。まるで一つの街であり、外に出る必要を感じさせないほどだ。筆者もさまざまな物件を見てきたけど、ここまでの充実度は希少! ニューヨークは全米の中でも不動産価格が格段に高いが、今年の住宅価格は昨年に比べると下落傾向という報道がある。一方インフレを抑えるための大幅な利上げを背景に、住宅ローンの金利は上昇している。 購入価格は4階のユニット(4E)が日本円で3億円超え、9階のユニット(9-19B)が2億円超えとなっている。当地でも比較的高い物件だが、シュライバーさんによると今年の初めから、購入希望者からの問い合わせが多く、販売に繋がっているという。 「目の肥えたバイヤーは美しく最高のデザインの住居空間を常に探していますから、Front & Yorkの屋外スペースや機能的な設備、エキサイティングなロケーションの良さなどが目に留まっているようです」(シュライバーさん)。 「4E」のフロアプラン 「9-19B」のフロアプラン Front & York 4E 価格:274万ドル(現在の為替で約3億7400万円) 3ベッドルーム、2.5バスルーム、リビング&ダイニング、キッチン 室内面積:1,647平方フィート(約153平方メートル) 9-19B 価格:197万ドル(現在の為替で約2億6900万円) 2ベッドルーム、2.5バスルーム、リビング&ダイニング、キッチン 室内面積:1,212平方フィート(約112.6平方メートル) NYの住まい関連記事 Text and…

妖艶に腰落とすポーズが全米で話題 お笑い芸人アツコ・オカツカさんって誰?

大谷翔平選手、大坂なおみ選手、BTSなどアメリカでアジア系の人々が話題になる中、エンタメ界ではある女性が大注目されている。 スタンドアップコメディアンのアツコ・オカツカ(Atsuko Okatsuka)さん。アメリカのショウビジネスの表舞台に彗星の如く登場し、頭角を現している。 オカツカさんは昨年、ニューヨークタイムズに「コメディ部門の2022年ベストデビュー」として選ばれた。 最近の話題作は、先月10日にオンエアが開始したHBO MAXオリジナル『Atsuko Okatsuka: The Intruder(ザ・イントゥルーダー)』だ。彼女は、HBOでコメディ番組を持った2人目のアジア系女性となった。 彼女の芸風は、自分のルーツに絡んだネタを笑いにしたものが多い。 ちなみにアメリカのコメディアンは、黒人が黒人を、アジア系がアジア系の特徴を笑いにするなど人種ネタを取り入れることは割と多い。そしてほかの人種がそれを大笑いするのも許される。 オカツカさんもこの国のマイノリティであるアジア系を逆手に取り、「親は自分にアツコ・オカツカと(アメリカでは聞きなれない名前を)つけたのに、自分たちの名前は英語名なんだよね。ご丁寧にありがとう、母さん」と自虐ネタを披露し、会場は大爆笑。「食べろ、食べろ」と年配のアジア系の人がよく言うセリフを使ったネタも、面白おかしく披露している。 彼女はちょうど1年前、ビヨンセの曲『パーティション』と共に艶めかしく腰を下ろすドロップチャレンジ(Drop Challenge)を披露し、ソーシャルメディア上で瞬く間に広がった。俳優のテリー・クルーズやテニスのセリーナ・ウィリアムズ選手などセレブが次々に真似をし、さらに話題となった。 つい最近、CBS局の人気番組『ザ・レイトショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』にもフィーチャーされ、ドロップチャレンジのことを話している。この番組のゲストにブッキングされることがどれほどすごいかは、ここ1、2ヵ月でゲスト出演したヘンリー王子や大坂なおみさんなどの錚々たる名前を見ればわかる。過去に近藤麻理恵(こんまり)さんも出演している。 アツコ・オカツカさんは日本にルーツを持つ日系人? 彼女の英語を聞く限り100%アメリカ人だが、名前は100%日本人だ。 彼女のルーツについて、ウィキペディアには「日本人と台湾人のハーフで、台湾で生まれ日本で10歳まで育ち、母親と祖母とアメリカに移住した」とある。自身も過去の動画で「私は日系と台湾系のアメリカ人コメディアンです」と自己紹介している。 また動画の中で、幼少期についてこのようにも告白。「ある日祖母に『2カ月、アメリカ旅行に行くわよ』と言われて渡米。そのうち滞在ビザが切れ、7年間オーバーステイ(不法滞在)となった」。 無名時代のお笑いのステージ(2016年) 5年前の映像で、「スタンドアップを始めて8年になる」と言っていることから、2010年ごろからスタンドアップ・コメディアンとして活動をしているようだ。以前より、日本の文化(アメリカでは聞き慣れない自分の名前や日本の変わったクリスマスなど)もネタにしている。最近は、祖母や夫をフィーチャーしたネタやダンスネタを取り入れたり、たまにセミヌードになり超セクシーな格好でSNS上に現れる。これらも話題作りの1つだろう。 筆者は彼女のインスタグラムやツイッターの中からいくつかのイメージを見て、一時期のブルゾンちえみさんをよりセクシーなアメリカ版にした印象を持ったが、どうだろうか。 志村けんさんが亡くなった時のインスタに、「日本にいた時、自分にとってのアイドルだった」と追悼していた。オカツカさんが日本のお笑いに影響を受けた芸人であることは間違いなさそうだ。 現在は3月中旬まで、コメディショウで全米ツアー中のオカツカさん。今年はさらに、アメリカ中を笑いの渦に巻き込んでいくことだろう。 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止

騙された感が半端ない!米インフレで企業の苦肉の策「スキンプフレーション」 ── 日本も他人事ではない

筆者がたまにランチなどで購入する、お気に入りのインドカレーがある。 トロッとしたバターチキンカレーと独特の風味があるバスマティライスがセットになったパッケージ商品だ。物価高が続く中、だいたいどこのスーパーマーケットでも9ドル(約1260円)以下と当地ではお手頃価格で売られていて、味も良い。 しかし最近それを食べようとして「あれ?」と思ったことがあった。これまでカレーの具は柔らかいチキンの胸肉だったが、いつものチキンは入っておらず「チキンのすり身団子」にすり替わっていた。 パッケージを確認するとやっぱり「チキン」と書かれてあるが、改行後に「ミートボール」という文字があるのに初めて気づいた。パッと見のデザインが同じなので、これまで同様、カットされた肉塊の具だと思って購入する消費者も多いことだろう。 また別の日、ミッドタウンの中華料理店に食事に行った時のこと。 我々がオーダーしたクルーシャン(フナ)の煮付け料理(21.95ドル=約3000円)はメニュー表によると、付け合わせにネギが入っているということだった。しかし運ばれてきた魚料理には、約3cmにカットされたネギが気持ち程度に数切れ入っているだけで、代わりに砂糖で味付けされた甘いタレがたっぷりとかかっていた。 飲み物のジャスミン茶も、明らかにジャスミン茶とは言えるものではなかった。間違ってオーダーが通ったのではないかと店員に確認したが、やはりジャスミン茶で間違いないという。食事の雰囲気が台無しになるためそれ以上は追及しなかったが、明らかに質の悪い烏龍茶のような味がした。 これらは、典型的なスキンプフレーション(Skimpflation)の一例だろう。 「ケチる」からきた新たな造語、スキンプフレーション インフレになって、「ポテトチップスの大袋を開けると中身が少なくなっていた」「1枚の大きさが以前より小さい」「歯磨き粉を買ったら、箱の大きさは同じだがチューブが明らかに小さくなっている」などの声がよく聞こえる。商品価格をほぼ変えずに内容量を減らすこれらの動きが、Shrink(縮める)をもじったシュリンクフレーション(Shrinkflation)と呼ばれて久しい。 同様にスキンプフレーション(Skimpflation)も、記録的なインフレが進むアメリカで最近、頻繁に聞こえるようになってきた。 スキンプフレーションのSkimp(スキンプ)は、時間やお金、材料を必要以上に費やさない(つまりケチる)という意味。Flation(フレーション)は文字通りインフレのことで、この2つをもじった新たな造語がスキンプフレーションだ。 具体的には、企業がこれまでとほぼ同じ価格帯を保ちながら、商品の製造コストを削減するために、より安価な原材料を使用し製品化することを指す。例えば、ある食品企業は食品の原材料としてこれまで本物のアーモンドを使っていたのにいつの間にか「アーモンド風味」に置き換えたり、バターの代替商品の原材料である植物油の含有率が以前は60%超えだったのが40%以下に減少したりしているのが報告されている。 チキンが「チキンのすり身」にいつの間にか置き換わっている件のチキンカレーも、飲食店でオーダーしたものがメニュー表の説明と「微妙に」異なったり、客の期待に応えるほどの質を満たしていないものだったりするのも、スキンプフレーションと言えるだろう。消費者からすると一抹の「騙された」感がよぎるものである。 日本経済新聞の14日付の記事には、「インフレならぬ『ケチフレ』である」と書かれている。記事によると、スキンプフレーションにはサービスの削減も含まれるといい、「小売りなら販売時の説明を省く、ホテルなら送迎や清掃の頻度を減らす」も、スキンプフレーションの1つという。さらに「米国が震源のスキンプフレーションだが、実はコロナ後の日本でこそ大きく広がる余地がある」ということだ。 最近、日本の大手コンビニのサンドイッチの具が少ないとネット上で話題になっていたが、以前からも言われているような弁当の底上げも含め「見た目はボリュームがあるのに実際の中身が少ない問題」も、シュリンクフレーションやスキンプフレーションの一端と言えるだろう。 スキンプフレーションが我々の食生活に与える影響 前述の中華料理店の3000円の魚の話に戻ると、甘いソースがたっぷりかかっていることで、どのような質の食材でも「美味しく感じさせ満足させる」のは明らかだ。しかし砂糖たっぷりの味付けが、健康に良いはずはない。 医療系の米非営利団体、ヘンリー・フォード・ヘルスは9日、スキンプフレーションが我々の食生活に与える影響について発表している。 この記事でも、「風味を加えるためのもっとも簡単で安価な方法は、塩分と糖分を加えること」とある。よって「食品企業が高騰した原材料を使用する代わりに塩や砂糖を追加投入して味を調整するのは、驚くことではない」と同団体の登録栄養士、アレグラ・ピカノ氏は述べている。 「消費者は原材料の配合の変化に気づかず、これまでと同じ食品を買い続けるかもしれないが、栄養価や健康面では良いとは言えない」。 その上で「質の良い製品に辿り着く方法」として、記事はこのように紹介している。 1. 栄養成分表示を確認する(日常的に購入してきた商品でも) 成分表のトップに書かれているものはメインの原材料なので、「ポテトスープ」の場合は最初に「水」と書かれているが、その後に書かれている素材、ポテトの「質」なども確認すること。パッケージに大きく「マルチグレインのパン」と書かれている商品でも、成分表の最初に書かれているのが「無漂白の強化小麦粉」だとしたら、穀物から栄養素を取り除いて再び加えたものなので、栄養素の含有量が減ったことを意味する。 2. ナチュラルフレーバーは必ずしも「自然」とは限らない ナチュラルフレーバーとは、本物の原材料を使う代わりにそのような香りを使用したものを指す。例えばタンパク質が豊富なアーモンドの代わりに、アーモンドから抽出されたアーモンドフレーバーなど。ストロベリーキャンディーと呼ばれる商品にストロベリーフレーバーが含まれていても、本物の苺が原材料に含まれているとは限らない。ナチュラルフレーバーには栄養価はない。栄養成分表示を確認すること。 3. 低ナトリウムの商品を選ぶ スープなど多くの包装済み食品はナトリウムが多く含まれるので、無塩または低ナトリウムの商品を選ぶ。手作りが良いのは論を俟たない。低ナトリウムのブロス(出汁)にたっぷりの野菜、肉、ハーブなどを入れて作るのが良い。 4. 小腹が空いたらホールフードスナックを選ぶ シリアル、クラッカー、ポテトチップス、クッキーの代わりに、アーモンド、クルミ、ヒマワリの種、リンゴ、アボカド、セロリ、ニンジンなどのホールフードスナックを選ぶ。. 5. 栄養成分表示で、砂糖(糖分)の量を確認 自然由来の糖質はヨーグルトや牛乳にすでに含まれているものだが、多くのケースで我々の健康に害を及ぼすのは追加された砂糖(糖分)であるため、栄養成分表示を確認する。 また記事では、「冷凍や缶詰の野菜や、冷凍の果物は生鮮食品より長持ちし、価格も低い」「キノア、玄米、豆、レンズ豆は良質のタンパク質であり、価格も(アメリカでは)比較的安価の傾向がある」などとし、これらの食材をうまく使い分けることもインフレを乗り切る方法の1つとして紹介した。 物価高騰の折、不健康な食習慣にならぬよう、また騙されたという気にならぬよう、消費者側も知識を持ってより賢く商品や店を選んでいく必要があるだろう。 関連記事 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

なぜ走る?「それができるから」… 5万人が5万通りの走る理由を掲げ市内を走り抜いたNYCマラソン

6日に行われたニューヨークシティマラソン。 1970年に始まった歴史ある国際マラソン大会だ。初年度は男子55人(女子0人)からスタートし、2019年には過去最高の5万4118人(男子3万1182人、女子2万2936人)が出場した。 今年も世界125ヵ国と地域から5万人のランナーが出場した。 完走者はこれまで通算120万人を超え、2019年の出場者5万4118人のうち、完走したのは5万3639人と、どの国際マラソンよりも多かった(今年の正式な数字はこれから*)。 5万人いれば、5万通りのストーリーがある。 この日完走した一般ランナーに、出場した感想や走る理由を聞いた。 「走ることができるから走る」 「人々とハイファイブしたり、沿道からの声援を受けたりして、楽しいレースだった」と、バージニア州から参加したカサンドラ・オールダムさん。ニューヨーク大会は初めてだが、フルマラソン出場はなんと40回目! 今日のタイムは4時間20分で、自己ベストは3時間42分を出した今年9月のベルリン大会だ。 なぜ走るのか?との問いに「走ることができるから走るのです」とカサンドラさん。20歳の時に大事故に遭い左足首の関節を失い「もう2度と走ることができない」と診断された。10年間車椅子生活を送り、そこから復活して今ここにいる。「走ることは、2度とできないと言われたことでも可能であるということを私に教えてくれるものです」。2024年の東京マラソン参加も目指すそうだ。 この2週間で2マラソンを完走 メキシコ出身のアントニオ・メディーナさん。この日のタイムは3時間58分。自己ベストは2015年の3時間21分。「今日ももっと早くゴールできたけど、暖かかったのでペース配分に気をつけました」。マラソンが大好きで、現在の居住地ニューヨークの大会だけでも12回出場。つい2週間前にもアトランティックシティマラソンに出場したばかりだと言う。「自分でもクレイジーな挑戦というのはわかっているよ」と苦笑い。よって今日のレースはあまり期待していなかったらしいが「最後の2、3マイルが大変だったけど楽しく走ることができた。今とても幸せな気持ちです」。 走る理由について「自分自身への挑戦のため。生きているって感じるし、健康になれるし、周りの人に良い刺激を与えられるものでもある」。 東京から参戦!「また走りたい」 「蒸し暑かったです。3日前に到着し、時差ボケが抜けなくてコンディションも最悪でした」と苦笑いするのは、東京から出場した岡本晃一さん。フルマラソンの挑戦は4回目で、この日は3時間50分弱で走り抜いた。 「沿道の皆さんの温かい声援がずっと途切れなくて、走りながら途中手を振り返したりしていたら、立ち止まることができなくなり、休むことなく完走できました」。楽しすぎて、もう一度走りたいと早速意欲を見せる。「身体は走りたくないけど心が走りたいと言っています!」と最高の笑顔を見せた。 5週間前にロンドンマラソン アイルランド出身でロンドン在住のルース・ダーヴァンさんもなんと、5週間前にロンドンマラソンに出場したばかり。「とても蒸し暑かった」今日のタイムは、3時間39分。自身の中で悪い成績と分析したが、前の大会から十分な時間が空いておらず、楽しかったのでそれで良しと笑う。 なぜそこまでマラソンが好きなのか?「私は挑戦が好きだから」と即答。「今はもうクタクタな状態だけど、おそらく明日になるとまた別のマラソン大会に申し込むでしょう!」。 関連記事 筆者が撮影した2021年の動画 Text and photos by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

大迫傑 復帰そして世界の強豪コメント NYCマラソンいよいよ明日(現地時間5日配信)

今年もニューヨークシティマラソン(TCS New York City Marathon)の季節がやってきた。 今年は51回目を数える。新型コロナの感染拡大で大会が2020年に中止となったが、昨年規模を縮小して復活。今年は通常通り、5万人のランナーの参加が見込まれている。 日本選手は上杉真穂(女子)、大迫傑(男子)、鎧坂哲哉(男子)、渡辺勝(車椅子、男子)、さらに多数の一般ランナーが国内外から出場する予定だ。 大会を目前に、優勝候補の有力選手(一部)に抱負を聞いた。 大迫傑 20年東京大会で自己記録、マラソン復帰戦 2020年の東京マラソンで自己記録(2時間05分29秒)を出し、21年の東京五輪(6位)後に引退した大迫傑選手。今年2月に現役復帰を表明し、アリゾナでトレーニングを積んできた。5000mとハーフマラソンで復帰しているが、フルマラソンは五輪以来となる。 「復帰してから準備期間が長ければ良いと思っていた」ことから本大会の出場を決めた。「アメリカで再スタートが切れ、モチベーションが上がります」。 当日の気温予報は摂氏24度と11月にしては暖かくなる予定。「寒いより暖かい方がいいので」と条件は悪くなさそうだ。 何より、心身共に復帰後は余裕が出てきたと語る。マラソン“初戦”という意気込みはなく、リラックスできていることが伝わってきた。「しっかりと自分の力を出し走り切ることが第一目標。いつも通りスマートなレースを心がけている。後半のセントラルパークが上り坂なため、そこに向けて体力を温存して走りたい」。 アルバート・コリル  昨年同大会の勝者 昨年の同大会(男子)の勝者(タイムは2時間08分22秒)、ケニアのアルバート・コリル(Albert Korir)選手。圧倒的な強さが印象的だった。 豪快に大きくジャンプしたゴールシーン(冒頭の写真)について、「幸せな気持ちを見てくれた人々に表したかった」と振り返った。 当地の大会に強く、19年も2位に輝いている。また17年のウィーン大会、19年のオタワ大会でも優勝。今年4月のボストンマラソンは6位(2時間08分50秒)だった。 トレーニングプログラムは変えていないが「体が強くなったと感じている」と自信をにじませる。今大会に向け「準備は整った。昨年のような良い結果になることを期待している。楽しみだ」と語り、王者の貫禄を見せた。 エバンス・チェベト ボストン大会の勝者 4月のボストン大会の勝者、ケニアのエバンス・チェべト(Evans Chebet)選手(タイムは2時間06分51秒)。2020年のバレンシア大会で、自己最高の2時間03分00秒を出すなど、調子は上り坂のようだ。 本大会ではデビュー戦となる。抱負としては「ボストンと同じ調子になれば」と語った。「まず30kmで調子が良かったらそこから35km、そしてゴールに向けてメンタルをフォーカスする」。 今大会の最大のライバルを問うと、アルバート・コリルとエチオピアのシュラ・キタタ(Shura Kitata)の2選手を即答した。「とは言えこのレースに向けトレーニングを積んできたから(勝つ)自信はある。自分のベストを出し切り、最高の結果を出したい」と語った。 ゴティトム・ゲブレシラシエ オレゴン世界選手権の勝者 7月のオレゴン世界選手権マラソン(女子)の勝者、エチオピアのゴティトム・ゲブレシラシエ(Gotytom Gebreslase)選手(タイムは2時間18分11秒)。昨年のベルリンマラソンでも1位の成績を残している。 3位だった今年3月の東京マラソン(2時間18分18秒)についても「非常に良いレースだった」と振り返る。 本大会で勝つための戦略を尋ねると、余裕の笑みを見せながら、こう一言放った。「勝つだけ。ただそれだけよ」。大会で結果を出すためにトレーニングを積み、今ここにいる。そして迎える本番。「余計な戦略はなし」と自身の奥底からの自信がみなぎる。筆者の斜め後ろにいた記者が「勝つだけ。好きだわ、その答え」とうなずいた。 そのほかの強豪選手 2017年のシカゴ大会の勝者(21年は2位)のガレン・ラップ(Galen Rupp)選手は本大会ではデビュー戦となる。36歳の今「10年、15年前にやれていた厳しい練習をこなせない現実がある反面、年齢と共に心臓機能はより鍛えられている」「練習を積めば、例え40歳であろうと世界記録更新は可能」と前向きな姿勢を見せた。「タイムより順位重視」と語り、優勝を目指す。 かつての米女子記録保持者のケイラ・ダマト(Keira D’Amato)選手も本大会ではデビュー戦。「今年は調子がいい。スタート時は気分が高揚しスピードが上がりがちだが、過去のレースの敗因を糧に、周囲を窺いながらペースを上げるべきか否か冷静に判断したい」と語った。 東京五輪米代表選考会で1位でゴールしたアリフィン・トゥリアムク(Aliphine Tuliamuk)選手は、翌21年1月(五輪の半年前)に出産。新型コロナ規制が敷かれる中、授乳が必要な乳児を母親が帯同できるようルール変更を求めてIOCに働きかけ、それが叶った。五輪レースでは腰の故障で途中棄権し結果を残せなかったが、本大会で再起を賭ける。 今年のソウル大会(タイムは2時間04分51秒)で米大陸の記録保持者となった、ダニエル・ド・ナシメント(Daniel Do Nascimento)選手、今年10月のシカゴ大会(車椅子、女子)の勝者、スザンナ・スキャローニ(Susannah Scaroni)選手らの活躍も見逃せない。 5000mで東京五輪をはじめさまざまな大会でメダルを獲得しているケニアのヘレン・オビリ(Hellen Obiri)選手は、今大会で初マラソンに臨む。 市内各所でイベントも 市内各所では、ちびっ子マラソンやLGBTQランナーなどさまざまな関連イベントが開催され、本番への機運が高まっている。 4日にはセントラルパークのゴール付近で、オープニングセレモニーが開かれた。各国ランナーや応援団によるパレードがあり、日が暮れた後は花火が夜空を舞い、祭り気分を盛り上げた。 本番当日、沿道では一般市民からの声援に加え、DJやパフォーマーが出場者の気分を盛り上げる。音楽に躍動された一般ランナーの中には仮装姿でノリノリな人やリズムに合わせて踊りながら走る人の姿も見かけるほど。 2019年には出場した5万4118人のランナーのうち、5万3639人が完走。どの国際マラソンよりも完走者が多い。その理由の1つとして「声援が勇気づけに繋がっていたら嬉しい」と語るのは、沿道からの応援を始めて10年以上になるニューヨーク太鼓愛好会の代表、遠山京子さん。毎年声援を送る場所は、サウスブロンクスからと決めている。「コース後半に差し掛かり、地域柄沿道の人も少ないので、そんな場所から太鼓の音色でランナーを勇気づけられたら」と語る。 選手、応援団、受け皿となるニューヨークの街、すべての準備は整った。あとは本番を迎えるだけだ。 関連記事 Text…