日本ブームは続く!コロナ禍「アニメNYC」にファン大集結。「鬼滅の刃」英語声優登壇、三浦建太郎追悼も

アニメや漫画に代表される日本のポップカルチャーの大祭典、アニメNYC(ANIME NYC)が19〜21日の3日間、ニューヨークのジャヴィッツ・センターで開催され、全米中のアニメや漫画ファンがコスプレ姿で集結した。 今年はコロナ禍での開催ということで、入場するにはワクチン接種証明書とマスク着用が義務付けられたが、例年以上の来場者が訪れ、特に初日の開始時間には入場するのに数時間待ちの列ができた。 当地での「鬼滅の刃(Demon Slayer)」は相変わらずの人気だ。劇場版の声優3人を迎えた20日のトークイベントには、会場に入りきれないほどファンが押し寄せた。 このイベントを楽しみに、そして自らも竈門炭治郎のコスプレ姿で訪れた、ジェンド・カステリオさんは、子どもの頃「NARUTO -ナルト-」を見て育った。「会場の中は、自分の格好がノーマルに見えるほど、多くの人が同じコスチュームを着ていてびっくりしました」と嬉しそうに語った。 「昨年はイベントが中止となりとても残念だったが、今年はその分楽しみます」と言うのは、「ブルーアーカイブ(Blue Archive)」のシロコのコスプレ姿のリチャードさん。2年ぶりに有観客で行われたこのイベントを、誰よりも心待ちにしてきた。 来場者に「一番好きなアニメや漫画作品」を聞くと、即答で「ベルセルク(Berserk)」「NARUTO -ナルト-」「モブサイコ100(Mob Psycho100)」という答えが多く返ってきた。 会場内にはベルセルクの作家で、今年5月に54歳の若さで亡くなった三浦建太郎氏の追悼コーナーも設けられ、多くのファンが悲しみのメッセージを寄せた。 ほかにも来場者に話を聞くと、好きなアニメや漫画として、「鬼滅の刃(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba)」「天空の城ラピュタ(Laputa Castle in the Sky)」「ノラガミ(Noragami)」「魔入りました!入間くん(Welcome to Demon School! Iruma-kun)」「シリアルエクスペリメンツレイン(Serial Experiments Lain)」「ハンター×ハンター(Hunter x Hunter)」「ビースターズ(BEASTARS)」など、さまざまな作品の名も上がった。 期間中、アニメ監督の荒牧伸志氏のパネルディスカッションとサイン抽選会、漫画家やイラストレーターのブース、ビデオゲームから百人一首までさまざまなゲームができるブース、カレーや弁当などの日本食販売コーナーも好評だった。 (動画もアップしました) Text and photo by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

ヘルズキッチンを東京で例えるならば?治安は実際どうなの?犯罪発生率を徹底的に調べてみた

これまでニューヨークの中では、どちらかというとそれほどスポットライトが当たるエリアではなかったヘルズキッチン。しかし小室眞子さんと圭さん夫妻がこの地区に新居を構えたことで、日本から一気に注目を集めることとなった。 ヘルズキッチンを東京で例えるならば・・・ ヘルズキッチンについては、さまざまな憶測が飛び交っている。まず一部の報道にあるような「おしゃれ地区」というのは本当か? 近年はジェントリフィケーションが進み、特にハドソン川沿いにはいくつか高層ビルも新築されるようになった。しかし今でもヘルズキッチンに多くあるのは築100年前後の古い低層ビルで、住民も最近流入した新顔というよりは昔からずっとこの地で暮らす人たちだ。まるで下町のような雰囲気といったところか。 ニューヨークを代表するような店や若者が集まったり、最先端の文化が発信されたりしているおしゃれ地区とは異なり、米不動産大手コーコランの松村京子さんは「気取りのない雰囲気」と表現する。東京で表すならば? 「どちらかと言うと、中野区のようなイメージが近いかもしれません」 治安、本当のところは? 治安に関して、大事件だけを切り取った一部の報道を見て心配する声が聞こえてくる。 ヘルズキッチンは隣接するタイムズスクエアのきらびやかな都会の陰に隠れ、これまで雰囲気がそれほど良いとは言えなかった・・・。しかしそれは、地下鉄車両が落書きだらけで、タイムズスクエアが売春婦やポルノショップで溢れる風俗街の一面もあった時代の話だ。 90年代半ばから、当時の市長、ルディ・ジュリアーニ氏が掲げた治安改革により、タイムズスクエアが世界的観光地へと様変わりし、それと同時にヘルズキッチンの治安も改善された。近年は、手付かずだった更地の再開発も進められている。 またこの界隈は、ブロードウェイのショウが始まる夕方以降から賑わいを見せ始める。観光客で人通りが多いため、目立った犯罪はそう多くは聞こえてこない。 その一方で、「今でも汚くて治安の悪い通りもある」と地元住民は言う。「パンデミックでホームレス風の人が増え、物乞いをされた」「怪しい雰囲気の場所もあり、歩く際は注意をしている」という声も聞こえてきた。 パンデミック以降、市内で増えたアジア系の住民をターゲットにした犯罪も、この地でいくつか発生した。 例えば今年3月、65歳のフィリピン系女性が昼間、通りを歩いていたところ、見ず知らずの38歳の男からすれ違いざまに殴る蹴るの暴行を受けた。さらにショッキングだったのは、事件が発生した通りの前にあるアパートメントビルのドアマンが、女性を助けるどころか見て見ぬ振りをし、ドアを閉めたことだ。その一部始終が監視カメラに記録され、人々を震撼、​​憤怒させた。 その2ヵ月後の5月には、31歳の台湾系の女性が友人と夜道を歩いていたところ、ホームレスの女にハンマーで襲われて怪我をする事件も発生した。 また人種は不明だが、つい先週も62歳の男性が早朝の路上で、集団暴行を受ける事件が起きたばかり。 実際に筆者がヘルズキッチンで危ない目に遭ったことは一度もないが、都会に近い分犯罪やいざこざも多いのかもしれない。ここに居を構えるならば、通りや時間帯によっては十分注意が必要になってくるだろう。(どの地域でも言えることだが) 統計で見えてきたもの ニューヨーク市内の犯罪率については、NYPD(ニューヨーク市警察)による戦略管理システム「コンプスタット (CompStat)」を参照することでだいたいの傾向がわかる。NYPDはコンプスタットを基に、警官の数や配置を決定し、犯罪削減のための戦略を立てているのだ。 そのコンプスタットで、ヘルズキッチン地区は「ミッドタウンノース管区」として位置づけされている。事件発生数の統計は以下の通り。 ミッドタウンノース管区 上半分で、最近(11月8日〜14日)の傾向がわかる。 上半分の右側はそれらを2年前、11年前、28年前と比較した数字。これを見るといずれも、犯罪数は減少傾向にあることがわかる。 ほかに注目すべきは下半分だ。 2020年 殺人件数4 レイプ件数14 強盗件数136 …などで総数1701件 この数字が多いか少ないか、比較対象がないとなかなか判断が難しいだろう。 ちなみにニューヨーク市内でもっとも治安がよいとされているエリアの1つ、マンハッタンのサットンプレイス(Sutton Place)地区のある第17警察管区はどうか。 第17警察管区(最新版) 2020年 殺人件数0 レイプ件数13 強盗件数64 …などで総数953件 逆に、市内でもっとも犯罪率が高い傾向にあるのはブロンクス区で、昨年から今年6月にかけて、もっとも重犯罪率の高かった管区はいくつかあるが、その中でも1つの例として、第44警察管区の統計はどうか。 第44警察管区(最新版) 2020年 殺人件数14 レイプ件数35 強盗件数414 …などで総数2318件 結局のところ、ヘルズキッチン地区の事件の発生率は市内で飛び抜けて高いということではないが、犯罪発生率が低いほかの地区に比べると繁華街に近い分、やや高めの傾向にあるようだ。 またヘルズキッチン地区と一言で言っても、実際には割と広範囲に及んでおり、傾向としては、ヘルズキッチンの北部より南部の方がより犯罪発生率が高いようだ。 コンプスタットではいずれの管区も1990年と2020年を比べると、20年の方が犯罪率が減少していることがわかる。一方でこれはヘルズキッチンに限らずニューヨーク全体で言えることだが、昨年以降、タイムズスクエアやグランドセントラル駅、人気のステーキ店など、観光客が多く集まる人気スポットでも、銃撃殺傷事件がたびたび発生しているのもまた事実だ。 決して恐れすぎる必要はないが、夜間や人通りの少ないエリアを歩く際は十分な注意が必要になってくるだろう。 関連記事 小室夫妻で大注目「ヘルズキッチン」てどんな街?住みやすい?在住者が教える「地元とっておき情報」 【NY治安悪化】タイムズスクエア、ピーター・ルーガー … 人気観光地で連続の発砲事件…

小室夫妻で大注目「ヘルズキッチン」てどんな街?住みやすい?在住者が教える「地元とっておき情報」

ニューヨークに移住したばかりの小室眞子さんと圭さん。到着早々、米英のタブロイド紙が2人の新居について報じた。 移住前、2人の新居は閑静な高級住宅地、アッパーウェストサイドにある家賃80万円の2ベッドルームになるのではないかという憶測が飛び交っていた。しかし英デイリーメールの第一報や米ニューヨークポストの続報によると、2人が移り住んだのはヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)地区にある、2017年に完成したばかりの高層アパートで、1ベッドルームタイプだという。 その住居ビルの高層階からはハドソン川を眼下に望み、セントラルパークやタイムズスクエアなどが至近の好立地だ。報道によるとビル内には、バーベキューや卓球などができる屋上デッキのほか、ジム、スパ、ヨガスタジオ、ビリヤードやゴルフシミュレーター、書斎なども完備されているラグジュアリーな建物という。 家賃はフロア(何階に位置するか)、間取り、広さなどによって異なるが月4300ドル(約49万円)からあり、1ベッドルームは4809ドル(約55万円)から、2ベッドルームは7085ドル(81万円)からのようだ。 1ベッドルームの物件とは? 通常の1ベッドルームとは、リビングルームのほかに個室のベッドルーム(寝室)のある住居タイプを指す。 ベッドルームがない(壁で仕切られていない)住居をストゥーディオ(スタジオ)と呼び、ベッドルームが2つある住居は2ベッドルーム、3つあれば3ベッドルームと呼ぶ。グレードの高い住居ビルは、来客用とは別に、ベッドルームごとに専用バスルームが併設されていることもある。 ヘルズキッチンってどんなネイバーフッド? ヘルズキッチンはマンハッタン区ミッドタウンの西側、セントラルパークからは南西側に位置する地区。(当初候補地として噂されたアッパーウェストサイド地区はそれより北方で、セントラルパークの西側に位置する) ヘルズキッチン地区にある住居の多くは規制により、ウォークアップ(エレベーターなし)の低層ビルが多い。すぐ南には再開発地区のハドソンヤードがあり、近年新築の高層ビルが周囲に増えつつある。 徒歩圏内には(ヘルズキッチン地区ではないが)セントラルパーク、ブロードウェイミュージカルの劇場街、カーネギーホールやMoMA(近代美術館)などの文化・芸術施設、複合商業施設のあるコロンバスサークル、これからの季節はクリスマスツリーで有名なロックフェラーセンターなど、ニューヨークを象徴するものが点在している。 筆者にとってヘルズキッチンと言えば、最初に頭に浮かんでくるのはレストランロー(Restaurant Row)だ。 レストランローとは多国籍な飲食店が連なる、46丁目と8番街と9番街の間にある通りのこと。劇場街に近いため、人々は観劇前後にレストランローや9番街に立ち寄って空腹を満たす。 筆者が知らないこともあるかもしれない。大手不動産会社のコーコランに勤務する松村京子(けいこ)さんにヘルズキッチン地区について尋ねてみた。 松村さんは、「ニューヨークの文化を代表するようなところはなく、超便利でも超高級でもなく、なんとなくちょこちょことある感じの地域」と表現する。「特徴としては、気取りのない雰囲気ということかもしれません。人気エリアと違い、好んで移り住む若者はそれほど多くないですが、2人にとってはそれがよかったのかもしれません。フォーダム大学ロースクールも近くですから小室さんがこの辺に慣れているのでしょう」。 松村さんは中でも、9番街が特にオススメと言う。「決しておしゃれな雰囲気はないが、ハイチやタイなど国際色豊かな安くて美味しいレストランがそろっていて、毎年開催されるストリートフェスティバルには必ず足を運ぶほどです」。また余談だが、当地のLGBTQの人々が集まるのはチェルシー地区などだが、「近年ヘルズキッチンは大人のゲイの人々に大注目されているんです」と、地元ならではの情報も教えてくれた。 実際に住んで見えてくる街の魅力もあるかもしれない。ヘルズキッチンに長年住んでいる日本人にも話を聞いた。 ニューヨーク在住歴30年で、18年住んでいるヘルズキッチンでは子育てもしてきた​​箏奏者の石榑雅代さんは、「とにかくどこに行くにも便利で、非常に生活がしやすい場所です」と太鼓判を押す。 日本人も最近増えていると感じるそうだ。「特に子連れの若い人をやたらと見かけるようになりました。公園でよく見るので、きっと近所に住んでいるのでしょう」(石榑さん) ニューヨーク在住歴40年、ヘルズキッチン歴8年のコーディネーター、青木はじめさんによると(住んでいる南西部からは)最寄り駅がやや遠く、中には汚くて治安の悪い通りもあるそうだが、それでも「すぐ近くにハドソン川やそれほど店が密集していない場所があって解放感がある。それでいて密集地にも近い利便性が魅力」と語る。 ズバリ、日本人にとって住みやすいエリアかどうかについては、「個人的にはとても住みやすく気に入っています」(石榑さん)。「日本人でも好みは人それぞれでしょうが、日本食レストランも多く日本の食材も調達でき、都会の生活に慣れている人にとっては良いエリアだと思います」(青木さん) 最後に在住者として、ニューヨークで新生活を始めたばかりの小室夫妻へメッセージを聞いた。 「生活の変化に対応するのは大変なことだと思いますので、周りが静かに見守って差し上げてほしい。素敵な新婚生活をお祈りしています」(青木さん) 「庶民には決してわからない苦労がたくさんあると思いますが、幸せになる権利があるし幸せになってほしいです。自分で決めた人生ですし他人は関係ないです。周りのいろんな意見を気にしすぎず、ただただ自分の目標に向かって進んでほしい。年齢的に自分の子どものような彼らの門出を心から応援したいです」(石榑さん) 「人種の坩堝ニューヨークでの結婚生活、最初は戸惑うこともあると思いますが、在住の日本人も含めニューヨーカーは寛大です。2人でいればさまざまな苦労を乗り越えるエネルギーが必ず湧き出てくる、ニューヨークはそんな街です。ここが2人の第二の故郷となり、人や文化と共に好きになってくれたらニューヨークが大好きな先輩として嬉しい限りです」(松村さん) Text and photos by Kasumi Abe(Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

東京五輪女王が再V 意外なセレブも参加!NYCマラソン50周年記念大会(動画あり)

美しく気持ちの良い秋空の下、第50回目となる記念すべき「2021年TCSニューヨークシティマラソン」が11月7日、ニューヨーク市内で開催された。 このマラソン大会は毎年11月の第一日曜日に行われているもので、スタテンアイランドをスタートし、ゴール地点のマンハッタンまで市内5つ、すべての区を走るルートが特徴だ。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、初の中止を余儀無くされたため、今年は2年ぶりの開催となった。 公式ウェブサイトによると、今年の参加ランナーは世界中から集まった3万3000人の選手だった。また観客は、毎年100万人規模の市民が沿道に集まる。2年ぶりとあり、多くの人が今大会を楽しみにしていたようで、選手に声援を送り鼓舞激励した。 女子勝者は、東京五輪の金メダリスト 今大会の優勝者は、プロ男子の部がAlbert Korir(アルバート・コリル)選手でタイムは2時間08分22秒、プロ女子の部はPeres Jepchirchir(ペレス・ジェプチルチル)選手でタイムは2時間22分39秒と、共にケニア勢が独占した。 ケニアと言えば、今年の東京オリンピックのマラソン競技でも男女共に金メダルを獲得しマラソン強国として知られる。特にジェプチルチル選手は、東京オリンピックで金メダルを獲得しており、今大会で再Vとなった。 車椅子プロ男子はマルセル・ハグ(Marcel Hug)選手、同プロ女子はマディソン・デ・ロザリオ(Madison de Rozario)選手が共に勝利した。 また、ほとんどの観客はその存在に気づかなかったが、ほかにも意外なセレブやプロスポーツ選手も参加した。 ニューヨークタイムズによると、クリントン元大統領の長女のチェルシー・クリントン(Chelsea Clinton)氏(写真上)を始め、プロ女子サッカー、アビー・ワムバック(Abby Wambach)元選手(写真下)、ローレン・ホリデー(Lauren Holiday)元選手、レスリー・オズボーン(Leslie Osborne)元選手、レーシングドライバーのライアン・ブリスコー(Ryan Briscoe)選手、スーパーモデルのクリスティー・ターリントン(Christy Turlington)氏、俳優のケニー・オハラ(Kelli O’Hara)氏ら、数多くの有名人も完走した。 筆者がブルックリン(スタートから15kmの地点)で撮影した動画。 50th Anniversary of NYC Marathon 第50回ニューヨークシティマラソン ランナーが多過ぎて、1人の有名人も見つけられず…。日本からも富安央選手、山口遥選手、車椅子の渡辺勝選手らが出場したが分からなかった。近くの人は友人でさえ見つけるのに苦労していた。 ほかに今大会では、ある男性ランナーも話題になった。 ラリー・トラックテンバーグ(Larry Trachtenberg)氏は16歳だった1970年9月、同大会の記念すべき初回に参加し完走した55人のうちの1人だ。67歳となった彼は50周年の記念すべき今大会で再チャレンジし、走り切った。 現在西海岸に住んでいるトラックテンバーグさんだが、住み慣れた故郷を幼少期の思い出と共に走り抜け、感慨もひとしおだったようだ。50年前と今大会を比較し、米メディアにこのように語った。「昔はこぢんまりとした静かな大会だったが、今ではすっかり一大ショーになったね」。 今大会の盛り上がりはすっかりコロナ前に元通り、「アフターコロナ」のスポーツ世界大会の様相だった。ニューヨーク州内では前日の6日時点で新規陽性者が未だ1日4600人を超えているが、屋外ということもあり観客の中にマスクをしている人はほとんどいなかった。 仮装姿の人、自国の旗を振っている人、音楽のリズムに乗って楽しそうに踊りながら走っている人、高齢で足を引きずりながら(人によっては杖をつきながら)それでも歩を進め続ける人…。2年ぶりに見たさまざまなランナーの勇姿に、再び元気とエネルギーを与えてもらった。 Text, photo and video by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止

NY屋内活動に「ワクチン接種証明」義務づけ 全米初の試みが始まったが・・・街の様子は

ニューヨーク市は17日、屋内飲食と屋内アクティビティの利用時に、新型コロナウイルスのワクチン接種証明の提示を義務づける新施策を開始した。 施策は「Key To NYC Pass」と呼ばれるものだ。屋内レストランやバーほか、映画館、コンサート会場、劇場、博物館、ジム、スポーツ試合など屋内アクティビティ施設において、従業員と12歳以上の利用客は、少なくとも1回のワクチン接種を終えていなければならない。入り口では「ワクチン接種証明書」もしくはデジタル管理された「ワクチンパスポート」の提示が求められる。 感染力の強いデルタ株が広がる中、頭打ちとなったワクチン接種率を後押しするための施策で、3日デブラシオ市長により発表された。市長は記者会見で、「いよいよワクチン接種が必要な時が来た。接種を受けた人はこの街であらゆることを満喫できる。しかしまだ受けていない人は、残念ながら多くのことができなくなる」と述べた。 似たような試みはフランスやイタリアでも導入されているが、全米の都市としてはニューヨーク市が初となった。 1ヵ月の移行期間の後、9月13日より罰則化される。ルールに従わない店や施設には1回目の違反時に1000ドル(約10万円)、2回目の違反時に2000ドル(約20万円)の罰金が課せられる。 ワクチン接種についてほかにもニューヨーク州では、9月6日のレイバーデーまでに州の職員に義務付け(もしくは毎週の検査でも可)、医療従事者や介護施設に勤務するヘルスケアワーカーにも義務付けるなど、じわじわと接種の義務化が進んでいる。 街はどのように変化しているのか、店や施設は早速新ルールを適用したのか、17日から20日にかけて街の様子を見に行ってきた。 ワクチンが義務化された街の様子 ちなみに筆者は5月に接種を受けたが、これまでの3ヵ月間で接種証明書などの提示を求められたことはなく、唯一6月にスイスに入国する際に必要になっただけだ。友人・知人の多くも同様に提示を求められたことがないと言い、1人だけ「クリスピークリーム(ドーナツ屋)で無料ドーナツを配る時に証明書を見せた」という人がいるだけだ。 17日から20日にかけてはどうだったかと言うと・・・。 図書館 求められず、何も聞かれず(要マスク着用) レストラン&バー(小規模経営店) 求められず、何も聞かれず(屋外スペースがあったので利用) レストラン&バー(一大有名チェーン店) 求められず、何も聞かれず(入り口に、ワクチン接種が完了していなければマスク着用を求めるサインあり) しかし、最後までワクチン接種済みか否かは聞かれなかった。 日本食レストラン(日本人経営店) 提示を求められた やはり真面目な日本人の国民性か、ルール開始と共にたまたま入った某日本食レストランでは、ワクチン接種証明書の提示を求められた。しかし証明書が実際に自分のものであるか否かの判断材料となるIDまでは求められなかった。 映画館 求められず、何も聞かれず(入り口の係員に話を聞いたら、今は入館を認めているが、9月13日からワクチン接種者しか入館できないと教えてくれた) 罰則化がスタートしなければ、大半の店はギリギリまで導入を見送っているようだ。確かに店側の立場で考えると、不況が長引く中、ワクチン接種証明書がないという理由だけで利用したいと言っている客を断るのは断腸の思いだろう。 ・・・と思っていたら、最後にあった!厳密にチェックしているところが。 マダムタッソー 提示を求められた マダムタッソーというハリウッドスターの等身大フィギュアを展示した観光施設の入り口では、「厳密」に証明書とIDの提示を求められた。 中には、未接種や証明書を携帯していない人が足止めされ、係員に懇願していたが「法律で決定したから」と入館を断られていた。 筆者は係員に、証明書の代わりにコロナ検査の陰性証明書は有効か否かを尋ねると、証明書もしくはワクチンパスポート「のみ」有効だと言われた。 現時点で「厳密に」チェックしている店や施設は少なかったが、9月13日以降は本格化していくだろう。 さまざまな場所をチェックしたが、ワクチン接種証明書の提示が必要なスポットは「観光客を相手にビジネスをしている場所」が多いと感じた。であれば、博物館は必要で図書館は不要の辻褄が合う。 ワクチンの義務化は果たしてうまくいくのか? 筆者は日本に住む人からさまざまな質問を受けることがある。 例えば「この義務化はうまくいくのでしょうか?」というものだ。筆者の考えはこうだ。「昨年以降、誰もが体験したことがないことに立ち向かっていて、そのたびに新しい試みをしているので、これについてもうまくいくかどうかは誰もわからない。トライ&エラーで試し、うまくいかなければ調整していくのだろう」。 州や市は昨年以降、経済を再開させるためにあらゆる対策を講じてきた。例えば、屋内飲食の再開も初めから100%オープンさせるのではなく25%からはじめ、感染状況を見ながら少しずつ調整し、100%再開を目指し進めてきた。この施策もトライ&エラーの1つだろう。 ワクチン反対派の反発や抵抗は非常に大きく、よくデモが起こっているが、反対派にはどう対応していくのか、そちらの方が気になる。屋外飲食スペースは増えたため、屋内飲食不可というのは未接種者にとって打撃は少ないかもしれないが、屋内アクティビティが利用不可というのは、冬季が長くて厳しいこの街では痛手だろう。 関連記事 全米の4人に1人が「ワクチン打たない」反ワクチン運動や職場訴訟も(動画あり) 未接種で解雇、接種証明書の転売 …「ワクチン接種か否か」で揺れる米国 またマダムタッソーを見ていて思ったのは、この施策の実行には、入り口でチェックするスタッフが追加で1人必要になり店側の負担も増える。そしてその担当者が、接種証明をどの程度チェックするのだろうか?客の多い時間帯はおそらく、IDと照らし合わせたり偽物か否かの判断が容易にできなくなるだろう(注:アメリカでは偽札や偽の卒業証明書などが多く、すでに偽の接種証明書も出回っている)。果たして、入り口でのチェックがどのくらい徹底されるのかは疑問だ。なにせ全米初の試みなので、他都市もニューヨークの今後の動向をうかがっているところだ。筆者も引き続き見守っていきたい。 NYのコロナ対策関連記事 – 2021年6月 1年3ヵ月ぶり「非常事態」が解除 NYはいま【昨年との比較写真】 – 2021年5月 新型コロナに「打ち勝った」“先行事例”となるか?NYが復興へ前進、大規模再開へ 米「ワクチン接種でマスク不要」 NY中心地のマスク率は? 街の人の声は? – 2020年10月…

1年3ヵ月ぶり「非常事態」が解除 NYはいま【昨年との比較写真】

「緊急事態は終わった。新しい章の始まりだ」 ニューヨーク州のクオモ知事は23日の定例記者会見でこのように述べた。 州では昨年3月7日にコロナ禍における非常事態が宣言されたが、今月24日をもって終了の期限を迎え、非常事態が解除された。 そもそもこの非常事態宣言とは当時、世界最悪の状況に陥った同州の新型コロナ感染拡大を受け、必要な予算、物資、州兵などの確保を目的に出されたものだったが、ワクチンの浸透と共に感染状況は落ち着いている。 1年3ヵ月前といま(比較写真) 過去記事 (2020年3月) 米海軍の病院船コンフォート到着 死者千人超えでも希望を捨てない人々(ニューヨーク、今日の風景) NY州最新の感染&ワクチン接種状況 ニューヨーク州の感染者数は、先月よりさらに減少している。 25日に実施された新型コロナ検査は9万7020回。うち、385件が陽性(全体の0.40%) 新型コロナウイルスによる入院患者(重症患者)数はこの日の時点で、371人 死者5人 州のワクチン投与実績…少なくとも1回接種は71.6% これまでに州内で投与されたワクチン接種数:2094万5467回 24時間以内に投与されたワクチン回数:11万7760回 少なくとも1回のワクチン接種を受けたのは、18歳以上の71.6%(すべての年齢層の59.4%) 必要回数分(1回もしくは2回)のワクチン接種を完了したのは、18歳以上の64.1%(すべての年齢層の52.8%) 非常事態解除後のNYのいま マスクの着用率は?(タイムズスクエア) 筆者は宣言解除の翌25日から週末にかけて、ニューヨークの中心地タイムズスクエアやセントラルパークなどに様子を見に行った。 まず、国内からの観光客だと思われる人出は先月よりさらに増えており、パンデミック前の活気が戻っていた。 州では先月半ば以降、ビジネスの入店・入場制限の規制のほとんどが解除され、地下鉄も本来の24時間営業に戻るなど、大規模に経済活動が再開している。ワクチン接種完了者は、公共交通機関や一部の商業施設を除いて、マスクの着用義務がない。 多くの人々はワクチンを打ったからこその「自由」を満喫しているようだった。大切な家族や友人とハグをし、さまざまな場所にマスクなしで躊躇なく行ける自由。パンデミックによりそれまでの当たり前が当たり前ではないと誰もが気づいたからこそ、なんてことのない日常がありがたく感じる。気候も良く、緊急事態が解除された軽やかな気持ちは皆、同じだろう。 同じだろう。 マスクの着用率は先月、ワクチン接種を完了した人でもまだ高いとレポートしたが、6月も後半になると、全員とはいかないまでも、マスクを外している人は大分増えていた。 マスクの着用率は先月、ワクチン接種を完了した人でもまだ高いとレポートしたが、6月も後半になると、全員とはいかないまでも、マスクを外している人は大分増えていた。 ニューヨークは毎年この時期、大規模なプライドパレードが開催されるが、昨年は中止、51回目の今年は「Pride March」と題してパレードが縮小し、ブロックパーティーやイベントが各所で行われている。 セントラルパーク 広大なセントラルパークでのマスク率はさらに少なかった(全体の1%ほど)。大多数の人はマスクなしで、ピクニックや読書、ジョギングなど思い思いの週末を楽しんでいた。 飲食店やバー 「QRコード・メニュー」がニューノーマル パンデミック以降、レストランやバーは歩道や車道だったスペースにテーブルを置き、感染防止対策をしているが、外は蒸し暑いからと屋内飲食する客も最近は増えている。 飲食店の中にはワクチン接種完了者のみを受け付ける店もあるようだが、筆者はこれまで一度もワクチン接種完了証明書の提示を求められたことはない。この店にはついうっかりしてマスクをせずに入店したが、通常通りに対応された。 飲食店の大きなニューノーマルの1つが、メニューブック/表の廃止だ。QRコードでメニューを見て注文するのが、飲食店での新たな常識となった(昨年の夏以降増えた気がする)。ミッドタウンにあるハンバーガーの美味しいこの店の女性サーバーに理由を聞くと、「衛生上の問題です。メニューは不特定多数の人がベタベタ触って不衛生だし、店側も客ごとに各ページを除菌するのは手間がかかるから」。そこで登場したのがQRコード・メニューというわけだ。 「もはや店内には紙のメニューはいっさい置いてないんですよ」との徹底ぶり。今後メニューブック自体が過去の産物として、新世代に「何それ?」と言われるようになるかもしれない。 またニューノーマルの1つだった、カクテルなど「アルコール類の持ち帰り」は25日以降はできなくなった。 州では、昨年3月の非常事態宣言と共に、バーやレストランの通常営業を禁止し、アルコール類も含むデリバリーもしくは持ち帰りに限り許可していた。 アメリカはもともとアルコールに関して日本より規制が厳しい。州によって多少異なるが基本的に路上飲みは一切禁止だし、ハードリカー類は酒屋でしか販売されておらず、当然夜間は閉まる。すべての酒類を購入するには写真付きIDを見せる必要も。そのような厳しい規制の中「お持ち帰りカクテル」は、市民にとって画期的なサービスだった。本来は禁止されているが、店の前の路上でこっそり飲む人も見かけた。 しかし今回、パンデミック前のガイドラインに戻るとして、本来のルール(持ち帰り禁止)となった。 関連記事 昨年10月の飲食店の様子 半数以上が廃業? この半年「生き残った」飲食店が行った新たな試みとは【NYで屋内飲食再開】 そのほか    地下鉄 スーパーマーケット オフィス 植物園、博物館 筆者はこの週末、ブロンクス植物園の草間彌生展「KUSAMA: Cosmic Nature」を訪れたが、世界の草間彌生人気を反映して、ここもものすごい人出だった。 温室や館内、土産店の入り口には「ワクチン接種済みであればマスク不要」とする注意書きがあり、接種完了済みの筆者はマスクを着けずに入ったが、接種証明書の提示は求められなかった。…

新型コロナに「打ち勝った」“先行事例”となるか?NYが復興へ前進、大規模再開へ

ニューヨーク州では19日、ビジネスの入店・入場制限の規制のほとんどが解除され、大規模に経済活動が再開した。 規制が解除されたのは、飲食店、オフィス、小売店、イベント会場、博物館、遊戯施設、ジムなどさまざまなビジネスの入店・入場率、および閉店時間だ。 例外:店内飲食の営業時間規制解除は今月末、ブロードウェイミュージカルの全面再開は9月。集会やイベントは屋外は500人まで、屋内は250人まで、など。 深夜の営業を停止していたニューヨーク市の地下鉄も2日前の17日から、以前のような24時間の終日運行に戻った。 ニューヨークはこの1年間で、第1波〜第2波と2つの大きな感染の波を乗り越え、やっとここまで到達した。街の人々からは「やっと再開だね」という安堵の声が聞こえてくる。 入店率制限は撤廃されたものの、店内では人同士が6フィート(約1.8メートル)離れなければならないため、いくつかの人気店には依然として入場制限をせざるを得ないところも。 緊急事態宣言が長引く日本からすると、一時期の感染爆発地ニューヨークが今、一体どのくらいの数値で全面的に経済再開に踏み切ったのか気になることだろう。現状の数値と共にお届けする。 NY州が全面再開した当日(19日)の感染状況と、2波の推移 ニューヨークは第2波を乗り越え、感染者数は減少傾向にある。 19日に実施された新型コロナ検査は18万6078回。うち、1583件が陽性(全体の0.85%) 新型コロナウイルスによる入院患者(重症患者)数はこの日の時点で、1490人 死者18人 NY州の最新のワクチン接種状況 ワクチン接種も順調だ。駅で接種ができるパイロットプログラムが成功し、来週からは州内7つの空港にも居住者を対象に、予約不要の接種会場を開く。 これまでワクチン投与された実績はこちら。 これまでに州内で投与されたワクチン回数:1785万4772回 24時間以内に投与されたワクチン回数:10万9748回 少なくとも1回のワクチン接種を受けたのは、18歳以上の62.2%(すべての年齢層の50.5%) 必要回数分(1回もしくは2回)のワクチン接種を「完了」したのは、18歳以上の53%(すべての年齢層の42.5%) これまで報告されている州内の感染総数 NY州 感染総数 約209万件 死者数 5万2505人 NY市 感染確認総数 約94万4000件 死者数 3万3078人 ニューヨーク州の人口 約1950万人 以上が現時点での数値だ。 街で聞こえてくるのは、主流は初夏の訪れと共に経済再開を嬉しがる声だが、中にはさまざまな意見がある。 例えば、この1年間働くことなく失業給付金を得られ、また自分の元々の給料より失業給付金の方が多いため、復職したくないと言う声が人づてに伝わってくる。また、依然陽性者数も少なくないことから、経済再開は「時期尚早」とする声もある。 近所に住むサブリナさん親子は、ワクチン接種を2回「完了」したが、いつもマスクを着けて外出している。「まだビジネスの全面再開もマスクを取るのも早いと思います。多くの人が気を緩めると、またすぐにぶり返すかもしれません」。 さまざまな人々の考えがある中、ニューヨークは行政主導で、復興へ向け大きく舵を切った。 忙しなく行き交う大勢の人々を眺めながら、クオモ州知事が昨年の今頃、会見で言った言葉を懐かしく思い出す。 「今、我々の正面に立ちはだかっているのは、歴史的にも稀にみる困難へのチャレンジだ。しかし911(同時多発テロ)やハリケーンサンディを乗り越え、その後より良い社会を再構築したように、もう一度 “Build Back Better” 」 この街はこれから、新型コロナに「打ち勝った」“先行事例”の大都市となれるだろうか。 関連記事(感染者確認からのタイムライン) 2020年3月:NY州で初感染者が確認 感染爆発対策で今日からロックダウン(外出制限)、ゴーストタウンと化するNY NYロックダウン(外出制限)から1ヵ月 変わったこと、変わらないもの【新型コロナ】 コロナと闘った111日 NYクオモ知事が第1波収束宣言(ウイルスとの共存は続いていく・・・) 半数以上が廃業? この半年「生き残った」飲食店が行った新たな試みとは【NYで屋内飲食再開】 米「ワクチン接種でマスク不要」 NY中心地のマスク率は? 街の人の声は? Text and photo by Kasumi Abe ( Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止