日本の人気漫画『BLUE GIANT』(ブルージャイアント/原作・石塚真一)。そのアニメ映画版(監督・立川譲)がついにアメリカにも上陸し、10月8日と9日に映画チェーン大手AMCを含む全米の映画館で一般公開された。
Category: Music
元・音楽編集者、安部かすみのNY発「音楽事情」
『オペラ座の怪人』や『KPOP』相次ぐ終演。コロナ後のNYブロードウェイの「今」
ニューヨークで先月16日、ロングランのブロードウェイ・ミュージカル『オペラ座の怪人』が、長い歴史に幕を閉じた。NYブロードウェイの「今」を紐解く。
NYオフブロードウェイ・ミュージカル「Stranger Sings!」3月まで延長上演
週末、オフブロードウェイ・ミュージカル『Stranger Sings!』(ストレンジャー・シングス)を観てきました。 ストーリーは、ネットフリックスで配信されたSFホラードラマシリーズ『Stranger Things!』(ストレンジャー・シングス、邦題『未知の世界』)のパロディおよび劇場版。舞台は1983年のインディアナ州の小さな町。行方不明になった少年を巡って、不思議な超常現象が繰り広げられます。 ファッションや髪型、ローラースケートなど栄光の80年代にタイムスリップし、笑いあり驚きありの楽しいお芝居でした。 天井には古典的なステンドグラスのライト。ステージは真ん中のフロアで、それをぐるっと囲むように観客席が設けられています(正面はまるで自宅リビングのようなソファタイプの椅子も)。四方八方から現れる演者の熱気や息遣いが直に伝わってきて迫力大。 先日観劇した『K-POP』もステージとの目線が近く、観客がステージを囲むという意味では似たような形式だったし、オフブロードウェイはこのように演者と観客との距離感が近いのも良いです。 当初、元日に終演予定だったけど、好評につき8週間延長され、3月5日までの期間限定公演になります。 Text by Kasumi Abe (ノアドット「ニューヨーク直行便」(c) 安部かすみより一部転載)無断転載禁止
ホワイトハウス記者会見、直後の視聴190万回!BTSがもたらすアジア系差別問題への効果は?
31日、BTS(防弾少年団)がホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領との会談に先立ち、記者団の前でスピーチをした。 アメリカでは特にコロナ禍以降、憎悪犯罪(ヘイトクライム)や、アジア系をターゲットにした暴力や嫌がらせが急増している。そんな中、5月はAsian American and Pacific Islander Heritage Month(AAPIH、アジア・太平洋諸島系アメリカ人の文化遺産継承月間)であり、各地でさまざまな啓蒙活動や差別撲滅イベントが行われてきた。その最終日の特別ゲストとして白羽の矢が立ったのが、アメリカのみならず世界的な大スターのBTSというわけだ。 BTSはこの記者会見後、頻発するヘイトクライムや外国人排斥問題について、バイデン大統領と意見交換の場を持ったようだ。 BTSのメンバーは午後2時半過ぎ、全員が黒いスーツとネクタイ姿で、カリーン・ジャン-ピエール(Karine Jean-Pierre)新報道官と共に定例記者会見の壇上に現れた。そして冒頭で1人ずつスピーチをした。 リーダーのRMさんは流暢なアメリカ英語で、「今日はホワイトハウスに招待され、反アジアンヘイトクライム、アジア系の一体化そして多様性といった重要な問題について話し合うことができて光栄です」と挨拶した。また「アーティストとして(これらの問題について)いったい何ができるかを考えさせられ、それを話す重要な機会をもらった」とし、バイデン大統領に感謝の意を述べた。 ほか6人のメンバーもそれぞれが「違いは間違いではない。心を開き、違いを受け入れた時に平等というものは訪れる」「私たちが今日ここにいるのは、世界中にいるそれぞれ違った国籍でさまざまな文化や言語を持つARMY、ファンのおかげだ」「今日という日が、一人一人が互いに価値ある者として尊敬し合い、理解し合う第一歩になることを望んでいる」などと述べた。7人中6人は韓国語だったため、最後にまとめて英語の通訳が入った。 BTSはとにかくアメリカですごい人気だ。筆者は2019年の大晦日に、ニューヨークのタイムズスクエアで行われたカウントダウンイベントで、特別ゲストとして現れた彼らを間近で観る機会があり、現地での凄まじい人気ぶりを肌で感じた。そんな彼らがこのような場に現れて差別問題を投げかける意義や効果について、人々への影響力は相当ありそうだ。 音楽業界団体「International Federation of Phonographic Industry」によって、BTSがテイラー・スウィフト、ドレイク、アデルなどの売り上げを抜き、2年連続で「世界でもっとも売れているアーティストと評された」とし、英BBCなどが報じている。 また数々のヒット曲に加えて、マクドナルドのコマーシャルに出演したり、昨年9月には国連総会でも演説しSDGsをテーマにしたスピーチとパフォーマンスを披露したりなど、アメリカのエンタメ界はBTSが中心アーティストとして独占中だ。筆者の周りを見渡しても、子どもから大人まで、彼らの存在を知らない人はいないというほど知名度は高い。 BTSが記者団の前に現れたのはたったの6分程度だったが、CNBCはBTSが登場したこの短い時間だけで「ホワイトハウスのYouTubeチャンネルのライブ配信中の視聴者数が、31万を超えた」と報じた。また「BTSが会見会場を離れるや否や、20万の視聴者がライブ配信の視聴から離れた」という。 現時点で確認できる視聴回数は190万回近くにもなる。 この定例会議では最近、インフレやロシアによるウクライナ侵攻のトピックが多く、ここまで視聴者を集めるほど注目されたことはほとんどなかった。例えば3日前の視聴回数は1万4000回程度だ。 セレブやアイドルを巻き込んだキャンペーンは若い有権者の支持を得るためか、バイデン政権がよく取り組んでいるものだ。以前もサッカーのミーガン・ラピノー選手と男女賃金格差是正について話し合いをしたり、5月初めにはセレーナ・ゴメスがホワイトハウスを訪れ、バイデン夫人とメンタルヘルスについて話し合いの場を持つなど、さまざまな問題解決に取り組んでいる。 BTSがこのような場に現れたからといって、アメリカで渦巻く根深い差別意識や問題が明日からすぐに解決するとは思えない。しかしアメリカでも大人気のビッグスターがこのような場に現れ、問題提起をしてくれたことで、特に若いファンや普段はアジア系の差別問題について考える機会のない人々も、これを機に何かを考えるきっかけになったかもしれない。 過去記事 多発するアジア人差別(3)日系三世女性の見た、故郷「アメリカ」 日本人に間違われ「動物以下の扱いで」殺されたヴィンセント・チン事件(’82)── 全米アジア人差別 NYで多発するアジア人差別(2)暴行受けた日本人ミュージシャン、その後 BTSを「未来のグラミー賞にとって重要な存在」と海外メディアが報じたワケ(現代ビジネス) Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止
服装で搭乗拒否のDJ SODA。日本では知られていない、米飛行機で「絶対にしてはいけない」こと
何が起こった? DJ SODAという韓国人女性DJが、ニューヨーク発ロサンゼルス行きアメリカン航空機で、履いていたボトムスが原因で降機させられ嫌がらせを受けたと告白し、米メディアでも話題になっている。 DJ SODA氏によると25日、ビジネスクラスでウェルカムドリンクを飲みながら出発を待っていたところ、突然現れたスタッフに、荷物をまとめて飛行機を降りるように求められたという。 理由は、DJ SODA氏の履いていたスウェットパンツにプリントされていたFワード(F**K YOU)が、搭乗には「不適切」で「攻撃的」と受けとめられたため。 同氏のSNSによると、何ヵ月にもわたる北米ツアー中も同じスウェットパンツを履いて移動し、問題になったことは一度もなく、同機に搭乗した際も、始めはまったく問題視されていなかったという。 同氏が結局スウェットパンツを脱いだところ、スタッフに「もっと早く脱げただろうに」と皮肉を言われたという。 最終的にはスウェットパンツを裏返しで履き、1時間遅れで再び搭乗できたとか(飛行機の出発も1時間遅延)。同氏はお怒りで、同社に対して「不当な扱い、ハラスメント(嫌がらせ)を受けた」と批判し、ボイコット宣言をした。 筆者の経験から思うこと まずFワードについて。アメリカでは言葉の爆弾のような破壊力があり、子どもに悪影響を与えかねないため、メディアや公の場で厳しくセンサーシップがかかり、テレビでは「ピー音」が必ず入る。テレビでは「バカ」などの言葉が21世紀の今でもたまに聞こえてくる日本にいるとあまりピンとこないかもしれないが、アメリカでは言葉の暴力であるFワードは、厳しく規制されている。 DJ SODA氏が同社とここまでこじれた理由について。筆者が思ったのは、同氏が航空会社の指示に対して抵抗し、反抗的な態度を見せたからではないだろうか。初めから素直に応じていれば、相手の態度は硬直化せず、事態の収束に1時間もかからなかっただろうし、嫌味を言われることもなかったのではと推測する。(あくまでも憶測の域だが) また動画を見る限り、男性マネージャー(真ん中)はアメリカ英語を話しているが、このようなアメリカの慣習やルールに配慮していなかったのも不思議だ。 一言断っておくが、米系の航空会社が乗客に対していつも高圧的かというのは、必ずしもそうとは言えない。パイロットによっては到着後にわざわざコックピットから出てきて乗客を笑顔で見送ってくれたりもするし、ジョークを交えた個性的な機内アナウンスをして乗客をリラックスさせる客室乗務員がいたりするなど、マニュアル通りに丁寧過ぎる日本の航空会社と比べても、柔軟でフレンドリーな側面もある。 ただし「安全運行のための機内ルールの徹底」ともなれば、彼らは時に強気&ドライな態度を見せることもある。日本のように「お客様は神様です」とは決して見ない。 参照 オーサーコメント 米系機内でやってはいけない3つのこと (アルコールを飲みすぎない、など周知されていることは割愛) 人を不快にさせる見た目やメッセージ性の高い服装 DJ SODA氏のスウェットパンツ(彼女のスポンサー)のように、いくらデザインの一部だからと言っても人を不快にさせるメッセージが服装(Tシャツやキャップなど)に含まれていると、アメリカでは「Offensive(攻撃的、侮辱的、不快)」と捉えられることがある。あくまでも「それを見た客室乗務員がどう受け取るか」によるので、搭乗拒否やトラブルを避けるためにも、飛行機では無難な格好がベストだ。 また、セクシー過ぎる服装も「攻撃的、不快」と捉えられ、時に搭乗拒否の対象となるので、注意が必要。 参照 As Heard On The Monsters Is this woman’s outfit too sexy to fly in? She Was kicked of a flight?! 英語で書かれたTシャツやキャップなどに関しては、日本人は注意が必要だ。なぜなら、英語で書かれたメッセージの意味を完璧に理解して身につけている日本人は、そう多くはないから。 事例1. 2019年には、アメリカで「Rope. Tree. Journalist. Some assembly required」とプリントされたTシャツを着た乗客が物議を醸した。…
日本にいながら米開催のコンサートに“参加”できたり…そもそも「メタバース」とは? 米で報道が本格化
日本の自宅にいながら、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている人気ミュージシャンのバーチャルライブに「参加して体感」できたり、ニューヨークの五番街本店の人気商品を「手にとって自分の目で確認し、購入」したりできる未来も、そう遠い話ではないかもしれない。 「メタバース(Metaverse、仮想現実空間)の多くは、この5〜10年でメインストリームになる」 メタバース元年とも言える昨年10月、メタのマーク・ザッカーバーグ氏は今後メタバース事業に力を入れるために、社名をフェイスブックからメタ(Meta Platforms Inc.)に変更するとプレゼンで発表した際、このように述べた。 以降アメリカでは、メタバースという言葉をメディアで見ない日はなくなった。特に報道が本格化してきたのは、今月半ばだ。18日付のニューヨークタイムズと20日付の同紙ポッドキャストはこぞってメタバースを取り上げ、「至るところで耳にするようになった」と報じた。 メタバースとは? メタバースとは、インターネット上の仮想空間において、作成した自分のアバター(キャラクター)によりさまざまな活動(仕事、遊び、買い物、社交)や非現実的な体験ができる技術のこと。 前述のニューヨークタイムズには、「コンピューターにアクセスするのではなくコンピューターの中に身を置くことであり、オンラインの世界にアクセスするのではなく、常にオンラインの中にいること」とする専門家の説明が添えられている。 よく語られるのはゲーム事業だ。もちろんゲームの世界には以前より仮想現実空間が存在しているが、メタバースによってより没入型で精巧な仮想現実空間の中でゲームプレーが可能になるという。 アメリカでメタバース報道が本格化していった理由の1つは、米マイクロソフトが18日、大手ゲーム開発企業のアクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)を687億ドル(約7兆8750億円相当)で買収すると発表したことも関係している。 マイクロソフトがアクティビジョン・ブリザードを買収した理由は、もちろんメタバース事業への本格的な参入を視野に入れてのことだ。同社は「この買収は当社のメタバース分野の構成要素となり、ゲーム事業の成長を加速させていくだろう」と述べた。 「メタバース事業は現代版ゴールドラッシュ」 ほかにもさまざまな米メディアがメタバースのブームを報じている。 20日付のウォール・ストリートジャーナルは、「メタバース関連技術にいち早く着目した企業の株価は上昇し、メタバースをテーマとした上場投資信託も登場している」と報じた。またFOXニュースに出演した専門家は「(NFTも含め自分のキャリア史上)かつて見たことがないほどの規模で急成長中である」とし、主要な企業がメタバース事業に次々と投資している様相について「まるで現代版ゴールドラッシュだ」と語った。 米グーグルもこの数年、メタバース関連の技術開発に取り組んでおり、アップルは独自のデバイスを開発中であると報じられている。 参照 NFTってそもそも何ですか?NFTが今なぜ流行しているのかを解説 ゲーム企業やIT企業だけではない。米小売り大手もメタバースに参入 「自分はゲームをしないから…」という人も、メタバースが近い将来、身近な存在になる可能性はある。 一般の生活で例えるならば、スーパーなど実店舗に行かなくてもバーチャル店舗で商品を選び、買うことができる。 また、日本にいながら外国で行われているバーチャルコンサートやスポーツ試合に参加することもできる。 国境を越えてテーブルを囲んで会議をしたり、自分の仮想空間でパーティーを行いゲストを招待したりすることも可能に。 16日付のCNBCや20日付の米ヤフー!ファイナンスは、米小売最大手のウォルマートも「メタバース事業への参入準備をしている」と報じた。記事によると、同社が最初にメタバース事業に着手したのは昨年8月。同社独自の暗号通貨とNFTを作成し、メタバースによる本格的な仮想商品の製造・販売事業に向けて、先月30日にいくつかの商標登録を行ったほか、専門技術スタッフの雇用にも乗り出した。 近い未来、このようになる 何せ「仮想現実空間」なだけにメタバースを駆使した世界は現時点でなかなか想像しにくいが、メタのザッカーバーグ氏はキーノート(プレゼン動画)の中で「未来はこのようになる」と説明している。 自分のアバターの居場所を理想の場所として作成できる(4:00ごろ~、7:20ごろ~、11:00ごろ~) 遠隔地のスタッフとテーブルを囲んで会議に参加できる(4:30ごろ~) 3Dストリートアートを鑑賞できる(5:00ごろ~) 自分の場所に世界中の人々を招待してパーティーを開いたり、一緒にゲーム(ビデオゲームから昔ながらのチェスなど)をしたり、卓球の対戦をしたりできる(16:30ごろ~) 3on3バスケをしたり、一緒に映像を観たり、共に時間を過ごすことができる(7:20ごろ~、11:30ごろ~) 手でタイプなどせずともジェスチャーや頭の中で思い浮かべるだけで、作動できる(4:15ごろ~、10:00ごろ~) 日本にいながらアメリカで開催されているコンサートに参加できる(12:50ごろ~) ザッカーバーグ氏は、最も大切な最初のメタバース体験は「人々との繋がり(を実感すること)である」と強調している。同氏によると、メタバースの世界ではほかの人々の表情を確認できたり、握手をしたりできるため「まるで現実の世界に自分が存在し、人々との繋がりを感じることができる」のだという。 フェイスブックをはじめとするソーシャルメディアも「人々との繋がり」が起点で始まった。便利でありさまざまなメリットをもたらす一方、最近は主に若い世代のメンタルヘルスへの悪影響も指摘されている。 メタバースがもたらす便利な世の中と人々との繋がりが、これからどのように進化し人類にどのような影響をもたらすことになるか。どんな未来が待っているか、注目が集まっている。 関連記事 フェイスブックの社名変更だけじゃない 大企業の生き残りかけた試み【世界から】(47NEWS) フェイスブック内部告発で再燃する「SNS議論」…本場アメリカの人々の「本音」(現代ビジネス) 大金持ちフェイスブックCEO 家族と自宅公開で汚名返上図るも、冷ややかな声 Text by Kasumi Abe (Yahoo!ニュース 個人より一部転載)無断転載禁止
