ニューヨーク観光中、日本のように路上で勧誘されることもあると思います。先日、自ら思いついた即興の撃退法がとても効いたので、皆さんにもシェアします。
ニューヨークを歩いていると、突然知らない人に声をかけられることがある。
「そのバッグ、素敵だね!」
「そのスカート、どこで買ったの?」
多くは褒めてくれるだけ(時にはナンパ)。彼らは褒めたいから褒める、声をかけたいからかける。ただそれだけ。深い意味は特にない。
でも一部は「目的」があって近づいてくる。そしてまず持ち物や服装を褒めてくる。
少し会話をしたところで、「実は子どもたちを助けるために……」という話になる。
はい、来ました。
この手の勧誘はここ数年、ニューヨークの路上で遭遇することが増えた。
もちろん本当に支援活動をがんばっている団体もあるので、すべてを一括りにするつもりはない。ただ、路上で突然声をかけられ、その場で寄付や登録を求められるケースには、慎重に対応した方が良い。
以前の私は、「1ドルくらいなら寄付もまぁいいか」と思っていた。
ところがこういう勧誘の中には、どうも「1ドルだけ」で終わらないものもある。また寄付自体は誰かの支援に本当になるのならやぶさかではないが、寄付した大切なお金が誰にどのように、そして「適切に」使われているのか不明なものも多いから、慎重にならざるを得ない。
その場で登録形式の寄付を勧められたり、もっと大きな金額を求められたりすることもある。私は「もっとお金持ちに声をかけてみるべき」と言って去って行ったこともある。
そんな中、昨日私はちょっと違う作戦を試してみた。
昨日もいつものように路上で声をかけられた私は、彼らが何を言ってくるかすでにわかっていた。それで相手が本題に入る前に、先手を打った。
“I don’t have money. I’m broke.”(お金ないよ。完全に金欠)と言った。
すると相手は、“OK, that’s totally fine!”と言った。
そして「まずちょっと話をさせて」という流れになり、話し始めた。
……なるほど(「お金がない」と言っても引き下がらないのだ)。
そこで、相手はいつものように会話を始める。
“By the way, are you a teacher? What do you do for a living?”(先生をしているんですか。職業は?)と唐突に聞かれた。
私は“Do I look like a teacher?”(私、教師に見える?)と聞き返したら
“No, I’m just guessing. What do you do?”(いや、ただの推測さ。仕事、何してるの?)
ここで私は、少し悲しそうな顔をして、
“I don’t do anything.”(何もしてないの)と言った。
そして繰り返した。“I don’t do anything.…..”
“I don’t do anything.”
すると相手は、“OK, it’s okay”
……いや、何が“okay”なのか(笑)。
そこから相手は、本来の説明を始めた。子どもたちの教育支援のためのどうたらこうたら、という話。
私は覇気がない感じで聞いていた。
反論もしない。同調もしない。質問もしない。
ただ、「お金のない、仕事も何もしていない人」として、静かに話を聞くだけ。
そして、相手の長い説明が終わった。
“That’s it.”と言って話が終了。
私は力なく“Thank you.”と答えると、相手も“Thank you”と言って、なんと相手から離れていった!
作戦は大成功!
追いかけられない。説得されない。「じゃあ、いくらなら出せる?」とも言われない。
そして私は財布を取り出すことなく、嫌な雰囲気になることもなく、その場を離れることができた(しかも相手から)。
もちろん「こうすれば必ず撃退できる」という話ではない。
ただ、ニューヨークの路上で声をかけられたとき、相手が想定している「普通の寄付をしてくれそうな通行人」から、相手が自ら離れてくれる方法が見つかった。
我ながら、かなり「今は寄付どころではありません」感が出ていたと思う。
意外と効果絶大かもしれない。皆さんも機会があればぜひ試してみて。感想待っています。
PS. 以上の「作戦」に出る方は、洋服は言わずもがな「現地化」しておくことをおすすめします。
ヘッダーイメージ: イメージ写真
Text by Kasumi Abe 安部かすみ 本記事の無断転載禁止
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